初代はボンネットバンの延長線上にあったトゥデイだが、2代目モデルは乗用車専用設計となった。小さくても室内は意外と広く、エクステリアデザインはスタイリッシュかつスポーティで、レースモデルとしても大活躍。2代目トゥデイを紐解いていくと、軽自動車とは思えない、細かすぎる設計がなされていた!
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
さすがホンダ!!! 運転席のシートが少しだけ広い!? [トゥデイ]は使う人に良心的な軽自動車だった!!!!!!!!!!
【画像ギャラリー】確かに違う!!! ホンダらしい考え方好きよ よく見ると運転席と助手席のシートの大きさが違うね!!!!!(10枚)
■コンセプトが優秀だった2代目
軽ボンネットバンだった初代とは打って変わって、2代目はセカンドカーを想定した乗用専用設計にフルモデルチェンジされた
1993年に登場した2代目トゥデイ。「大きいトランク、うれしいプライス」がカタログコピーであり、女性が使うクルマを全面に押し出している。3ドアと5ドアの2パターンが用意され、小さな車体に見えるのだが、5ドアモデルに4人乗りしても、意外と窮屈ではないパッケージングが凄かった。
こだわりは、先代よりも大きくなったヒップライン周り。特にラゲッジスペースの使い勝手には、最も手を入れている。
ハッチバックモデルでは定番である、ラゲッジの中を覗かれないようにするリアシェルフ。非常に高い位置についていて、高さのある荷物を積み込む時にも、取り外さなくていい。テールゲートは最大幅1,128mmと広く、ラゲッジスペースの深さもあって、B型ベビーカーがすっぽり入るのだ。
リアシートのリクライニングも面白い。通常リクライニングの利点を説明する際には、乗員目線で「まだまだ倒れて、快適です」となるのだが、トゥデイの場合は「背もたれを起こせば荷室がワイドになる」という、まさかの荷室目線。
3段リクライニングになるリアシートは2段階目に引き上げるだけで、ラゲッジには20Lポリタンクが縦に入る容量を確保できた。
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■運転席と助手席で大きさが違うってマジか!?
運転席の幅を助手席より広く設計したドライバーズファーストカーだ
リアシートの乗員目線は無かったのだが、運転席へのこだわりはどこよりも強かったトゥデイ。フロントシートは運転席側と助手席側で、大きさが違うという不思議なクルマなのである。
運転席の幅を助手席よりも広くして、窮屈さを無くしたドライバー設計。座面の幅が異なり、助手席が460mmなのに対して、運転席は幅が500mmもある。シフト位置やサイドブレーキの位置も、車体中央よりも若干助手席側にオフセットしており、運転席周りの空間は広かった。
規格変更前の軽自動車の中では、運転姿勢も楽に決まる快適仕様。セカンドカー需要に対して仕掛けていった、ホンダの強い意志が見て取れる。
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■さすがホンダ! 軽自動車にF1の技術をガッチャンコ!!
MTRECはビートで初採用。トゥデイでは低回転域でのトルクを重視して、ビートで10.0だった圧縮比が9.8に変更されている
3ドアモデルのRsグレードには、MTREC(エムトレック)エンジンが搭載されている。特徴的なスロットル開度とエンジン回転数とで燃料噴射量を制御する方法は、F1エンジン等でも使用されていたのだ。
MTRECは、1970年代のスポーツカーに搭載された多連キャブを、電子制御右燃料噴射装置で再現したもの。鋭いスロットルレスポンスが実現され、アクセルの動きにエンジンが敏感に応えてくれるのだ。
ビートに搭載されていたMTRECを、バリバリの女性志向で、セカンドカーとして作りましたと言わんばかりのトゥデイに載せてくるのが、当時のホンダらしいところ。普通のクルマでは終わらせない。まさにホンダのレーシングスピリットは、乗用軽自動車にも注ぎ込まれていたのだ。
1990年代前半のホンダを代表するクルマとなった2代目トゥデイ。緻密で妥協のない作り込みは、クルマづくりにかける当時のホンダの本気度合いがヒシヒシと伝わってくるものであり、軽自動車という限られた規格すらも、楽しんでいるようだった。
この時の開発思想は、新規格軽自動車のライフへ引き継がれ、Nシリーズの乗用モデルであるN-ONEやWGNへと続いていく。トゥデイの独特の感性は、今日まで受け継がれ、これからもホンダの面白くて新しいクルマづくりへと繋がっていくことだろう。
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みんなのコメント
思い切り乗用車志向で初期型はあえて
ハッチバックを廃し、かつての初代ミニの
ような独立したトランクを搭載したが、
やはり不便過ぎたせいか、マイナーチェンジで
通常のハッチゲートに戻され、
トゥデイ3ドア、5ドアになりました。
今もそうですが、CMキャラだった
牧瀬里穂さんキレイでした。