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目標を下まわるまさかの「販売不振」にあえぐ現行国産SUV3台と「売れない」理由

掲載 更新 21
目標を下まわるまさかの「販売不振」にあえぐ現行国産SUV3台と「売れない」理由

 外観や積載性、割安な価格がそろうSUVは好調に売れている

 最近はSUVが人気だが、その理由は大きく分けて3つある。まずは外観のカッコ良さだ。SUVは悪路を走るクルマとして誕生したから、大径タイヤを装着して車高も高い。この存在感が人気を集めた。

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 2つ目は広い室内と優れた積載性だ。ボディの上側はワゴンスタイルだから実用性も高い。

 3つ目は割安な価格。今のSUVは乗用車とプラットフォームを共通化するため、外観がカッコ良く、実用性も高い割に価格を抑えている。

 この3つの要素がそろえば好調に売れるし、欠落した部分があると売れ行きを伸ばせない。

 1)ホンダCR-V

 人気が低迷するSUVの代表はホンダCR-Vだ。CR-Vは一時的に販売を中断していたが、SUVの好調な売れ行きに対応すべく、2018年8月に現行型で復活した。この時点で1カ月の販売目標を1200台に設定したが、2019年の1カ月平均は1087台だ。発売の翌年には早くも目標台数を下まわった。2020年1~7月は477台にとどまる。コロナ禍の影響も受けたが、ライバル車のトヨタRAV4は同じ時期に4597台を登録したから、CR-Vは10%程度になる。

 CR-Vにとって一番の敗因は、先に挙げた3項目のうち、機能や質感の割に価格が高いことだ。各種の安全装備からカーナビまで標準装着するが、1.5リッターターボを搭載する価格のもっとも安いEXでも336万1600円だ。トヨタ・ハリアーやマツダCX-8などと同等になる。

 その割に内外装の質は低い。たとえばインパネのステッチ(縫い目)は、コンパクトSUVのホンダ・ヴェゼルが本物の糸を使うのにCR-Vは模造だ。木目調パネルの質感も含めて、300万円を超えるSUVとしては不満が散見され、売れ行きも下がった。

 後席や荷室の狭さがネックとなり人気を取り戻せなかったモデルも

 2)マツダCX-3

 CX-3はコンパクトサイズのSUVで、2015年2月に発売された。当時は2013年に登場したホンダ・ヴェゼルが好調に売れており、CX-3は1カ月の販売目標を3000台に設定した。

 ところが発売の翌年になる2016年には、1カ月平均登録台数が1656台に留まり、早くも目標台数の約半分と低迷した。原因は先に挙げたSUV3要素のうち、居住性や積載性といった実用性が低く、価格も割高だったからだ。

 ボディサイズはヴェゼルと同程度だが、後席と荷室は圧倒的に狭い。身長170cmの大人4名が乗車した場合、ヴェゼルの後席に座る乗員の膝先には握りコブシが2つ半収まるが、CX-3は1つ分しか入らない。

 加えてCX-3は価格が高い。発売時点では1.5リッタークリーンディーゼルターボのみを搭載して、2WD・XDプロアクティブが259万2000円だった。値引きの違いも含めると、25万円程度を上乗せすれば、CX-5の同グレードを購入できた。CX-3はコンパクトSUVとして走りなどは良かったが、明らかに割高で不人気車になった。この後、割安な価格で2リッターガソリンエンジン車を加え、さらに安価な1.5リッターガソリンも用意したが、2020年1~7月の1カ月平均登録台数は470台に留まる。発売時点で売れ行きが伸び悩むと、後になって人気を改善するのは非常に難しい。

 3)スズキ・エスクード

 現行エスクードは、ハンガリー製のコンパクトSUVだ。外観は悪路向けのオフロードSUVに似ており、トヨタ・ライズのような野性的な雰囲気が感じられる。エンジンは1.4リッターガソリンターボで、2リッター並みの性能を発揮する。4WDシステムや各種の装備も充実させた。クルマ自体は魅力的だが、価格は270万8200円と高く、売れ行きも低迷する。

 ちなみに先代エスクードは、後輪駆動をベースにした本格的なオフロードSUVで、4WDには駆動力を高める副変速機を装着していた。排気量は2.4リッターで余裕があり、実用装備も充実させて、価格は219万4500円に抑えていた。売れ行きは低調で知名度も低かったが、買い得車の歴史に、今でもその名を残している。エスクードは、先代型と現行型で格差が激しく、商品開発が場当たり的であることを感じさせる。

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みんなのコメント

21件
  • CR-Vなんてホンダ車以外選択肢のないやつが妥協して買う車

  • 超硬派なエスクードはともかく、エスクードより硬派なところを減らして、「クロカン四駆」ではなく「SUV」らしいクルマに仕立てたSX‐4 Sクロスも売れてない。このクラスのSUVをRAV4やCR-V登場以前から作っているスズキだからこそ、このSUVブームに乗って頑張ってもらいたい。素性はいいのだから、もう少し注目されるスタイルへのビッグマイナーチェンジとプロモーションを考えて欲しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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