カワサキが新型「W175」を発表! 車体寸法の大型化とインジェクション新搭載【海外】
1960年代前半に火がついた国内90cc人気
かつてホンダは、乗用車の排気ガス対策(CVCC)エンジン開発により、スポーツバイク開発から手を引いていた時期があった。その後に復活を果たした1979年のCB750Fを皮切りに、最大のライバルだったヤマハとの“HY戦争”は10年続いた。しかし、じつはその20年も前に、この壮絶な闘いは火ぶたを切っていたのだ。
1960年代初頭、世界進出を狙い世界GP挑戦を開始したホンダに続き、ヤマハも参戦。タイトル争いで一騎討ちを繰り返すこととなった。それに伴い、国内のスポーツバイクマーケットでも熾烈な戦いとなり、海外ではヤマハが主力の250ccで後塵を拝していたが、まだ小排気量が主流だった国内では、GPレースと逆にヤマハが先行してホンダが巻き返す、そんなHY戦争が1960年代前半から始まっていたのだ。
1963年、ヤマハは「YG-1」というユニークなデザインの75ccスポーツバイクを発表した。それは50ccの原付を2人乗りできるように55ccに拡大した黄色ナンバー・原付二種の概念を打ち破り、新たなカテゴリーとして世に問うスポーツマシンだった。
―― 【1963 YAMAHA YG-1】
ホンダも負けじとスポーツカブを65ccまで拡大し、OHVをOHCにグレードアップしたが、世界GPマシンと同じ2ストロークでロータリーディスクバルブという、吸気に切り欠きを入れた円盤が回転してキャブレターをエンジン横に配した、ヤマハ先鋭のメカニズムに圧倒されていた。
―― 【1964 HONDA SPORT CUB CS65】
ヤマハはその後に分離給油(それまで2ストロークはGSでオイルをガソリンへ混ぜた混合燃料を給油していた)という画期的な方式を採用して、需要が爆発的に伸びたこのクラスで独走したのだった。
ホンダは、海外で主力の250ccスーパースポーツ・CB72がヤマハYDS1~2に圧勝していたが、指をくわえて見てはいられないと、国内の主力となりつつあった90ccクラスに誰も想像していなかったファイナルウェポンを投入した……
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