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ロッド・スチュワートの「カウンタック」は屋根なしでは!? ポロストリコでレストア済みは約1億6000万円でした

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ロッド・スチュワートの「カウンタック」は屋根なしでは!? ポロストリコでレストア済みは約1億6000万円でした

25年間ワンオーナーだったLP400

2023年5月20日にイタリア コモ湖左岸のチェルノッピオにあるヴィラ・エルバで行われたRMサザビーズのオークションに出品された1977年式のランボルギーニ「カウンタックLP400」。生産台数が少ないことや、ランボルギーニを代表するモデルということもあり高値で取引される1台だ。今回はいくらで落札されたのかお伝えしよう。

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現在まで続く特殊なパワートレイン・レイアウト

1967年に生産を開始したランボルギーニ「ミウラ」は、高性能なV型12気筒エンジンをミッドシップしたオンロードカーで、世界から非常に熱い視線を集めるモデルとなった。諸説はあるものの、スーパーカーの原点はどこにあるのかと問われれば、多くの人はこのミウラの名を挙げるだろう。

ミウラ、正確にはP400ミウラは、その後P400ミウラS、P400ミウラSVへと進化を遂げるが、その中で指摘されたのは皮肉にも、長大なV型12気筒エンジンをミッドに横置き搭載したことによるコーナリングでの突然の挙動変化にあった。それを解決するには同じV型12気筒エンジンを縦置きにミッドシップするほかに策はなかった。

そして当時ランボルギーニでチーフ・エンジニアの職にあったパオロ・スタンツァーニは、プロジェクト112の名のもとにミウラの後継車となる新型車の開発に着手する。デザイナーはミウラと同様に当時ベルトーネでチーフ・スタイリストを務めていたマルチェロ・ガンディーニ。

そしてプロトタイプ、プロジェクト112改めカウンタックLP500は、1971年のジュネーブ・ショーで、P400ミウラSVとともに世界に向けて初公開。ランボルギーニ・ブースは喝采の渦に包まれた。ウェッジシェイプの典型ともいえるカウンタックの前衛的なデザイン、ミッドに包み込まれるV型12気筒エンジンを核とする、特殊なパワートレイン・レイアウト。

その何もかもが観衆には大きな驚きであり、話題は早くもそれがいつ発売されるのかに集中した。だがサンタアガタのランボルギーニでは、それから熱対策などさまざまな改良作業のために約2年間という時間を要し、1973年にようやくファーストモデルのLP400をデリバリーすることに成功したのだった。

ここで車名がプロトタイプのLP500からLP400に変わっていることに気付いた人も多くいるだろう。スタンツァーニは当初、カウンタックには5L仕様のV型12気筒エンジンを搭載する計画を持ち合わせていたが、やはり熱対策等々の問題で断念。

ミウラと同じ4L仕様のV型12気筒エンジンと5速MTを縦方向に組み合わせ、キャビンの先端、すなわちシフトギアの部分で伝達されてきたトルクを180度折り返し、リアのデファレンシャルに送るというシステムを考え出したのだ。スタンツァーニは同時にこのカウンタックで4WDモデルの生産も計画していたというから、それもこの特異なパワートレイン・レイアウトの理由のひとつなのだろう。ちなみにこのレイアウトは、先日生産が終了した「アヴェンタドール」にまで続く伝統的な手法となった。

ファーストオーナーは世界的なミュージシャン

今回RMサザビーズのヴィラ・エルバ・オークションに出品されたモデルは、そのカウンタックのファーストモデルLP400の1台だ。ちなみにカウンタックは、このLP400を原点に、LP400S、LP500S、5000QV、アニバーサリーへと進化を続けるが、LP400は最初期のモデルということ、そして生産台数がわずかに157台であるということなどを理由に、最も人気の高いモデルとなっている。

外観では後のモデルで装着されるオーバーフェンダーやリアウイングなどを持たず、最もプレーンな印象を抱く1台で、逆にルーフ中央には室内から後方の視界を得るための、ぺリスコピオと呼ばれる窪みが設けられているのも特徴だ。

ヴィラ・エルバ・オークションに登場した、シリアルナンバー1120262のLP400は、ランボルギーニ・ポロストリコの記録によれば1977年6月にサンタアガタの本社工場から出荷されたもの。オーストラリア向けに製作されたため右ハンドル仕様となっているのが大きな特徴だ。

ちなみにオーストラリアで、ロッソのボディカラーとタバコのトリムで彩られた、このLP400の納車を待っていたのは、世界的なミュージシャンとして有名なロッド・スチュワート。彼はのちにロサンゼルスへと渡り、そこをベースにミュージシャンとしての活動を続けるが、その間にフルワイドボディキットの装着や、タルガルーフへの改良などを行った。さらに1987年にはイギリスへと持ち込まれ、2002年に売却されるまでの25年間、このLP400はスチュワートの所有するモデルだったのだ。

セカンド・オーナーはボディのモディファイはそのままに、エンジンのオーバーホールや左ハンドルへの変更などを行ったと考えられているが、2013年にはパリのディーラーを通じて再び新たなカスタマーに売却。彼は2022年、ランボルギーニのポロストリコにLP400を入庫し新車時の状態に。

つまりペリスコピオやルーフを再現することに始まり、エンジンやブレーキ、電気系統、ギアボックス、ステアリングなどの整備を依頼した。総額で6万500ユーロの資金を投じてコンディションを回復している。

ファーストオーナーをはじめ、そのようなヒストリーがどのように影響するのか。オークションでの興味はその一点に集中したといってもよいが、結果的に落札価格は98万9375ユーロ(邦貨換算約1億5263万円)という結果に達した。カウンタックのオークション価格高騰は、LP400を中心にまだまだ続きそうな気配である。

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みんなのコメント

5件
  • ゴテゴテ空力パーツがついてないLP400は格好いい
  • 25年間ワンオーナーだったLP400


    いいねこのワンオーナー車じゃない車の売り文句、しかもいじり倒すだけいじられてる車両の様だね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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