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なぜスバル車は雪国で支持される? 得意の「AWD」だけじゃない!? スバルが冬に強い理由とは

掲載 更新 396
なぜスバル車は雪国で支持される? 得意の「AWD」だけじゃない!? スバルが冬に強い理由とは

■AWDによる雪道の安心感が雪国のユーザーから支持されている

「スバル車は冬に強い」ということを耳にしたことがある人は多いでしょう。

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 たしかにスキー場の駐車場ではスバル車比率の高さに驚くことがありますし、雪国では「スバル車が多い」と感じることもあります。

 実際に2020年のスバル車のシェアを見ると、全国平均では3.4%なのに対し、東北では4.0%、北海道ではさらに高い4.5%と、明らかに降雪地域でニーズが高いといえそうです。

 はたして、スバル車が冬に強いというのは本当なのでしょうか。そして、その理由はどこにあるのでしょうか。

 よくいわれる「スバルのAWDが雪道で安心できる」というのは、たしかに大きな特徴です。

 スバルが2022年2月現在、国内販売している新車で展開しているAWDは、一般的なモデルに広く使われている「アクティブトルクスプリットAWD」と、高性能モデルに使われスポーツ性を高めた「VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)」の2タイプ。

 いずれも前後のタイヤがシャフトでつながったメカ式で、状況により駆動力配分は変化するものの、前後それぞれにトルクを配分することを基本としています。そのため滑りやすい状況でも路面をしっかりとらえることができるのです。

 また「XV」「フォレスター」そして「アウトバック」などSUV系のモデルには、スイッチ操作で走行系の制御を変更して悪路走破性を高める「X-MODE」を搭載。

 極悪路を走ることのない一般的なユーザーには関係ないと思われがちですが、凍結して滑りやすい路面での発進、そして雪道で足元をすくわれてスタックした際の脱出などに絶大な効果を発揮します。雪道を走る上で「転ばぬ先の杖」といった存在と捉えていいでしょう。

 しかし、スバル車が冬に強い理由はそれだけではありません。運転をサポートするアイテムが充実しているのです。

 たとえば、雪道を走るとヘッドライトに雪が付着してライトが暗くなってしまうことがあります。そんなときに雪を除去する心強い味方なのが「ヘッドランプウォッシャー」です。

 一般的には高級車への搭載が中心となる装備ですが、スバルは同社が製造するラインナップの中でエントリーモデルとなる「インプレッサ」やXVでも中級以上のグレードに相当する、LEDヘッドランプ車には標準装備。

 それ以外の仕様(標準がハロゲンヘッドランプ車)でもすべて、オプションとしてLEDヘッドランプとセットで装着可能となっています。

 また、フォレスターやアウトバック、レヴォーグ、「WRX S4」は全車標準と充実しています。

■「視界確保が安全につながる」スバル車ならではの装備とは?

 寒い日に役立つのが「ヒーテッドドアミラー」や「ワイパーデアイサー」です。前者はドアミラーに付いた雪や霜を溶かしたり、曇りを除去。

 後者はフロントウインドウに組み込んだ電熱線に電気を流して温めることで、雪が固着したワイパーを解氷させる仕掛けです。

 どちらも一般的に広く採用されているアイテムではありませんが、スバルではインプレッサやXVの上級グレードに標準装備。

 そのほかのグレードもオプションで選べるほか、フォレスター、レヴォーグ、アウトバック、WRX S4はグレードを問わず全車標準採用しています。

 ヘッドライトウォッシャーやヒーテッドドアミラー、そしてワイパーデアイサーは雪道や極寒の日など環境が悪い状態での視界確保に大きな効果をもたらすものですが、これらを装備する理由は「視界確保は安全の第一歩。環境が悪いときであればなおさら」というのがスバルの考え方だからなのです。

 視界確保といえば「リアワイパー」にもスバル独自のこだわりが貫かれています。リアワイパーは一般的にハッチバックやワゴン、SUV、そしてミニバンなどに備わることが多いアイテムですが、セダンにはそれほど多く採用されません。

 なぜなら、ボディ形状の違い(空気の流れ方)により、セダンなどトランクのある車種はリアウインドウがあまり汚れないとされているからです。

 しかしスバルは、「インプレッサ G4」やWRXなどセダンボディのクルマにも全車にリアワイパーを標準装備。これも視界確保へのこだわりです。

 また、寒い日の快適性を高めるアイテムとして人気が高いのが「シートヒーター」です。スバルでは前席をインプレッサやXVでも上級グレードに標準採用し、中級グレードにオプション設定と幅広く展開。

 もちろん、フォレスター、レヴォーグ、アウトバック、WRX S4は全車標準装備としています。

 加えて後席も、フォレスターやレヴォーグではエントリーグレードを除き標準装備、アウトバックでは全車に採用と充実しています。

 ここまでは装備表でわかる“雪に強いアイテム”でしたが、じつはスバル車には装備表には出てこない冬のカーライフのこだわりも込められています。

 たとえば、暖房の設計と制御です。スバル車の空調は、オートエアコンの吹き出しモード制御を外気温など状況に合わせて綿密に実施するのはもちろんですが、暖房のきかせ方にもひと工夫あります。

 暖房の吹き出し口を足下近くに配置した上で、左右の足に均一の風を送るよう工夫することで、両足をしっかり温められるように配慮しているのです。

 ほかにも雪への対応としては、開発時の雪道テストでは雪の付着もしっかり確認。「車体のどこへどの程度の雪が付着するのか」といった部分について「テスト項目として定められているわけではないが、伝統的にチェックしている」というのです。

 また、タイヤチェーン装着時は前後輪のグリップバランスが乱れがちですが、その際の挙動もしっかりテストしてスピンしにくい特性にしています。

 AWDによる雪上での走破性や走行安定性はもちろんですが、スバルはそれだけにとどまらずドライバーの運転環境や安全性を高める仕掛けまで徹底して配慮。寒い環境におけるトータル性能を、スバルでは「総合雪国性能」と呼んでいるのだそうです。

 そうした開発陣のこだわりが、雪道に強く、雪国で愛されるスバル車を生み出し続けてきたといっていいでしょう。

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みんなのコメント

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  • 100台当たりのスバル車が全国平均で約4台、北海道で約5台ってのは、支持されていると言えるのか?
  • 年のスバル車にかつてほどのアドバンテージは感じないし、
    雪道で安心感があるのはわかっていても、CVTしか選べないなら他メーカーのAWDでもいいやと思ってしまうことがある。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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