80年間の歴史に新たなる変化
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】ほとんど見分けがつかない!? レネゲードPHEVと標準車【比較】 全139枚
このクルマは、PHEV(プラグインハイブリッド)の市場を切り開くキーコンテンツになるのかもしれない……。
FCAジャパンが2020年10月21日、オンラインで開催した「ジープ・レネゲード4xe」発表会見を観ながら、そう感じた。
背景にあるのは、ジープ本来の商品性を強調したことと、巧みなブランド戦略だ。
会見の冒頭、FCAジャパンのポンタス・へグストロム社長が「レネゲート4xeは、新時代の到来を告げるモデルだ」と表現した。
この新時代とは、ジープとしてのみならず、電動車としての新時代とも捉えることができる。
技術的な側面は後述するとして、今回の発表はタイミングがよかった。
なぜならば、コロナ禍にあっても、FCAジャパンの業績が好調だからだ。
FCA全体では年初以来、販売台数が毎月の伸びて、1~6月累積が輸入車市場で自社として初となる10%越えを達成した。
第3四半期に入っても販売は好調で9月は自社として過去2番目となる3112台を販売した。
1~9月での累積販売で見ると、国内全体で前年比19%減、輸入車では同21%減となるなか、FCAジャパンは14%減と、減少幅を小さく抑えることに成功している。
その理由について、へグストロム社長はジープを筆頭とするFCAブランド力の高さを挙げた。
ここに4xeが加わる。
時代の変化に挑戦し続けてきた歴史
約80年の歴史を誇るジープ。
有事という厳しい社会情勢を経て、実用的なオフローダーとして、さらには趣味の世界を広げるパーソナルユースのオフローダーへと、ジープという乗り物とブランドは変化してきた。
90年代にアメリカで本格化したSUV(スポーツ・ユティリティ・ヴィークル)という、新たなるカテゴリーの中でも、ジープの立ち位置は特別だった。
ジープブランドは、フリーダム(自由)・アドベンチャー(冒険)・オーセンティシティ(本物志向)、パッション(情熱)という4つの方向性が融合して形成されている。
さらにいえば、いつの時代でもイノベーション(改革)を恐れず「既存のセグメントの再定義」をしてきた。
それが、ジープの沿革である。
いま、クルマに対して「走行性能と環境対応」の両立が求められている。
当然、電動化は必須であり、それを4×4ならぬ4xeと名付けた。
そうした中、ジープブランドの中でオンロードユースの比率が高い、レネゲートから4xeが登場した。
日本でのレネゲートの販売販売台数は、ジープブランド全体の約30%を占める。
では、レネゲート4xeの技術的な詳細について、開発担当者の声を紹介していきたい。
4xe、前後輪でのツインモーター方式
4xeと称するからには当然、四輪駆動である。
レネゲートの基本構造を加味して、FF(前輪駆動)ハイブリッド機構と、後輪に独立したモーターを備えた、いわゆるeアクスル方式とした。
モデルグレードとしては、リミテッド4xeとトレイルホーク4xeの2つ。レネゲートのプレミアムグレードという位置付けだ。
エンジンは直列4気筒1.3Lガソリンエンジンのハイブリッドでリミテッド4xeが最大出力191ps、トレイルホーク4xeが239psとなる。
eアクスルのモーターは最大出力60ps、最大トルク25.5kg-m。トランスミッションは6速ATとした。
駆動用のリチウムイオン二次電池は車体中央下部に配置し、電池パックの電気容量は11.4kWhだ。
走行モードは、ハイブリッド、EV、Eセーブの3つ。EVモードでの航続距離は最大48km。また、EVモードでの最高速度は130km/hで、ハイブリッドモードでの最高速度は200km/hに設定されている。
回生ブレーキは2段階に調整可能だ。燃費はリミテッド4xeがWLTCモードで17.3km/L、トレイルホーク4xeが16.0km/L。
オフロード性能も重視しており、改良型セレクテレイン回転スイッチ(4WDロック、4WDロー、ヒルディセントコントロール)という3つのeAWDモードが選べる。
また、アクセルとステアリングの制御をスポーティにするスポーツモードも備えた。
ジープコミュニティとの共創がキー
では、本題に移る。
レネゲート4xeは、日本でのPHEV市場を一気に切り開くことができるのか?
キーファクターは、ジープファンのコミュニティの存在だ。
ジープが売れる理由は、ジープオーナーによるジープに対するロイヤリティ(信頼)の高さだ。
FCAジャパンは、この点を電動化戦略でも重要視する。
具体的には、オーナーロイヤリティ向上プログラム「ジープ・ウェイブ」をアメリカに次ぐ2番目の導入市場として、レネゲート4xe導入のタイミングで、日本を選んだ。
3年間のフリーメンテナンスと、オーナーの特別待遇サービス、さらにオーナーコミュニティ向けサイトを展開する。
また、個人向けリース「ジープフラットライド」も始める。
さらに、オンラインでの予約販売を実施し、購入までの流れをコールセンターのコンシェルジュが行う。
こうした電動化やデジタル化とオーナー体験の拡充を融合させることで、レネゲートを皮切りに4xeブランド戦略が展開されていく。
近年、ドイツ車など欧州車を主体としてモデル拡充が進むPHEV。だが、その価値を十分に把握しているユーザーはまだ少ない、という声がインポーター各社から聞かれる。
そうした中で、ジープ4xeコミュニティが今後、どう育っていくのか?
動向を見守っていきたい。
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みんなのコメント
左ハンドルでは商品よくてもこんなにも売れないでしょうね。
シンプルデザインは早いもん勝ちだね。
ただ後出しでも知名度が高ければ立場も逆転する。
先にやった子はうちの子ですからヽ(´o`;