開放感抜群のオープンタイプ軽トラを楽しむ
1970年代にわずかに盛り上がりを見せたレジャーカーブーム。実用性よりも遊び心を優先したユニークな車体が市販化され、「バモスホンダ」も、そんなジャンルの中の1台として登場しました。しかし、その割り切りの良さがアダとなり、4年間で約2500台しか生産されずその役目を終えたのでした。今回は、そんなレアなバモスホンダを愛するオーナーと愛車を紹介します。
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アウトドアをイメージするバイクっぽさが魅力
2023年11月5日に愛媛県四国中央市で開催された「第12回 U-550旧軽自動車ミーティング」の会場で出会った岡林秀実さんの愛車、1972年式「バモスホンダ」は、とても綺麗にレストアされているのが印象的だった。ご本人にお尋ねしてみると、購入時点ですでにこの状態までレストアされていたそうで、お店に確認に行った際に即決したのだそうだ。
「もともとはバイクが大好きで、今でもメグロのS2、ハーレーダビッドソンの1982年式のFXワイドグライドに乗っているんです。でも、さすがに70歳を超えてくると、ハーレーはとても重たくて。しかも、家内も後ろに乗るのはもうしんどいと言うようになってね。それで、何か楽しそうなクルマはないものかと探した結果、これに辿りついたのです」
基本的にバイク好きということで、岡林さんは趣味的なクルマを所有した経験は今までなかったそう。転倒しないという意味ではトライクやサイドカーといった、バイクをベースにした3輪車という選択肢もあったのでは?
「それもちょっと考えてみたけど、長い間2輪車、バイクに乗っとったもんだから、バイクをベースにした3輪車というのは自分が求めるものとはなんか違うなと。それやったら、古いクルマの方がええかなと」
これが岡林さんとバモスホンダが出会う、大きな理由のひとつだったのだ。
当時物ナンバーを居住市内で発見するという奇跡
バイクのような解放感を楽しめ、かつアウトドアな雰囲気を持つクルマ。それがこの愛車を選んだ理由だった。インターネットの中古車サイトなどで探しはじめてしばらく経ったときに、居住市内のカーショップでこのクルマが販売されているのを発見した。
「お正月に見つけたので、お店が正月休み中やったんですよ。なので、休み明けに営業するのが待ち遠しくて、すぐに訪問して即決しました。僕らが青春時代に発売されたクルマやけど、その当時はこのクルマをそんなに見ていない気がするな。でも、それから時間が過ぎて、同じ市内で見つかったというのは、縁でしかないですよ」
この個体は、ご覧の通りレストアされており、しかも当時のナンバーのまま販売されていたのだそう。そのため、岡林さんが新しいオーナーになっても、そのナンバーを継続。偶然にも、当時のバモスホンダが古いナンバーのまま受け継がれることになったのだった。
「前のオーナーさんがしっかりと直してくれていたから、手に入れて2年が経ちますが、一度もトラブルは出てないです。楽しいからいろいろと乗り回しているんやけど、これを面倒見てくれているお店からは、“もったいないから乗り過ぎはあかん”って言われてますね。さすがに遠方は行かないけど、市内ではそれなりに乗っています。飾るためじゃなくて、乗るために買ったのでね」
ちなみに、ちょっと前にはスズキ「ジムニー」(SJ10型)も購入したそう。こちらは外装の鈑金修理が必要だが、2サイクルエンジンに興味があって入手したのだとか。生粋のバイク好きが選んだ昭和の旧車は、どこかアウトドアでワイルドなイメージが漂うクルマだった。岡林さんはこれらの愛車とともに、奥さまやお孫さんたちも乗せて旧軽自動車生活を楽しんでいるのだ。
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みんなのコメント
あれ変わった軽貨物だなと思って近づいたら、バモスホンダだった。