X1のバッテリーEV 好印象のインテリア
BMW i3の未来的なデザインは、新型バッテリーEV(BEV)のiX1には与えられなかった。正直なところ、見た目は内燃エンジンの1Xと大きな違いはない。アウディQ4 eトロンやレクサスUXなどのライバルと同様に、醜いわけではないけれど。
【画像】小型EVクロスオーバーの有力候補 BMW iX1 エンジン版X1も 競合モデルと比較 全117枚
定期的にAUTOCARをお読みいただいている方は、先日の新しいX1のレポートでスタイリングをご覧になったと思う。今回は、印象の良いインテリアを中心に確認していこう。
ダッシュボードには、緩やかにカーブを描く大きな2連モニターパネルが据えられている。ワンランク上のX3並みな高級感が漂い、BMWのBEVでのフラッグシップ、iXを彷彿とさせる雰囲気すら醸し出している。
ドライバーの正面には10.4インチのメーター用、車内中央側には10.7インチのタッチタイプが内蔵され、最新のバージョン8システムで稼働。グラフィックの美しさは、他を圧倒している。
アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも無線で対応する。スマートフォンに慣れているユーザーなら、車載システムの出番は少ないかもしれない。ショートカット・アイコンは使いやすく、充分に高機能なシステムだけれど。
エアコンの操作系もタッチモニターへ集約されたものの、常時下部に表示されるため、メニュー項目へ触れる手間はナシ。運転中でも指を伸ばしやすい。音声操作機能は、かなり英語の理解度が高いと感じた。
スポーツ・モードを選ばずとも鋭く加速
車内の快適性や知覚品質、内装素材などは、このクラスのSUVとして優秀。英国価格5万2255ポンド(約862万円)のモデルとして不足はない。ライバルのアウディQ4 eトロンなどのモデルと、ほぼ同等の価格設定といえる。
実用性にも優れそうだ。荷室容量は490Lがうたわれ、荷室の床下には充電ケーブルを2本しまえる収納も用意されている。
リアシートの背もたれは、40:20:40で分割して倒せ、リクライニングもできる。ただし、UKLプラットフォームを共有する内燃エンジン版X1のように、前後にスライドはできない。
シャシーのフロア部分に駆動用バッテリーが敷き詰められているため、フロアの位置自体もX1より高め。相対的にリアシート側は座面が低くなり、少し膝を折り曲げて座る格好になる。とはいえ、大人2名が問題なく過ごせる空間は確保されている。定員は5名だ。
今回試乗を許されたのは、ドイツ南西部、レーゲンスブルクにあるBMWの工場周辺。まだ試作段階にあるクルマだったが、iX1がBEVのファミリー・クロスオーバーとして不満なく速いことは確認できた。テスラ・モデルYと競い合えるほど。
前後に駆動用モーターを搭載する四輪駆動で、最高出力は312ps、最大トルクは50.2kg-mを発揮する。車重は2085kgと軽くはないが、スポーツ・モードを選ばずとも鋭く加速する。
四輪駆動がグリップと自然な操縦性を両立
ステアリングホイール裏のパドルを引いてブスト・モードを呼び起こすと、笑ってしまう勢いで突進していく。有効時間10秒のオマケ的な機能とはいえ、短時間で追い越しを完了したい場面では有効なことも間違いない。
もう1つ、未来的なBEVの雰囲気を楽しみたいなら、エナジャイズ(活性化)・モードをお試しあれ。ドライブモードの1つなのだが、モニターにカラフルな背景画像が表示され、一定に脈打つSF映画的なノイズが車内に響く。
このモードで本気の加速を試みると、大きい動物の悲鳴のようなノイズに変化する。少し奇妙だが、ドライブに飽きた子供には喜ばれるかも。
そんなギミックはさておき、xドライブとBMWが呼ぶ四輪駆動システムは、豊かなグリップ力と自然な操縦性を両立させている。ただし、ドライビング体験はそこまで魅力的ではない。
ハイスピードでカーブに進入していくと、多くのライバルより遥かにタイトな回頭性を披露する。xドライブが、リア側の駆動用モーターを主軸にしている様子も伝わってくる。
一方で、ステアリングホイールへ伝わる感触は今ひとつ。無感情な印象がある。操舵時の重み付けは良く、挙動は予想しやすいものの、意欲的に空いた道を飛ばしたいと思わせるたぐいではない。
回生ブレーキにはアダプティブ・モードが実装され、必要に応じて自動的に制動力が調整されるが、それに違和感はなかった。アクセルペダルだけで発進から停止までまかなえる、ワンペダル・ドライブも選択できる。
64.7kWhバッテリーで航続413-437km
試乗車には20インチのアルミホイールが履かされていて、足まわりは少し重たい印象だった。サスペンションがボディの揺れを巧みに抑え込もうとするが、大きなくぼみを完全には処理しきれない様子。
それでも、表面がザラついた舗装や細かいつぎはぎに対する能力は充分。全体としては穏やかな乗り心地といっていい。
インテリアの雰囲気のとおり、洗練された質感を、ゆとりのある気持ちで楽しむスタイルがiX1にはぴったり。適度なサイズで市街地では扱いやすい。高速道路や峠道では、シャシーの安定性が光る。
エアコンには熱効率に優れるヒートポンプ式が採用され、Cd値は0.26と空気抵抗も良好。駆動用バッテリーの容量は64.7kWhと大きくはないものの、航続距離は413-437kmがうたわれる。
このバッテリーには水冷システムが内蔵され、ナビゲーションの目的地に充電器を設定すると、最大で急速充電できるように温度を管理してくれる。また、ドライバーが任意に調整させることもできる。最適温度は25度だという。
理想的な条件での急速充電能力は、最大で130kW。約30分で10%から80%まで回復できる。
BMW iX1は、ドライビング・ファンなクロスオーバーBEVではないかもしれない。しかし、車内空間にゆとりがあり、インテリアの仕立てや標準装備、パワートレインの能力などの総合的な競争力は高い。このクラスの有力な選択肢に数えられそうだ。
BMW iX1(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万2255ポンド(約862万円)
全長:4500mm
全幅:1845mm
全高:1642mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:5.7秒
航続距離:413-437km
電費:5.7km/kW
CO2排出量:−
車両重量:2085kg
パワートレイン:ツインモーター
バッテリー:64.7kWhリチウムイオン(実容量)
急速充電能力:130kW
最高出力:312ps/4300-15,200rpm
最大トルク:50.2kg-m
ギアボックス:1速オートマティック
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みんなのコメント
今の4発モデルはつまんない車ばかりでね
乗ってみてばすぐわかる
なんでこんなに魅力がなくなったんだ。
街で見ないよな。