あの伝説のマシンに、今、自動車博物館に触れる。今回は、メガウェブ ヒストリーガレージに展示されている、1995年サファリラリー優勝車ST185型トヨタ セリカ GT-FOURを紹介する。(Motor Magazine 2019年3月号より)
トヨタWRC黄金時代の立役者
ST165型トヨタ セリカ GT-FOURで王者ランチアを追い詰めたトヨタが、WRCの頂点を目指して投入したのが、5代目セリカのGT-FOUR(ST185型)。しかし、その初年度の1992年はカルロス・サインツが自身2度目となるドライバーズ選手権を獲得したものの、マニュファクチャラーズではまたもや2位に終わる。
えっ! ナンバープレートに、アルファベットが入っているのはなぜ?【くるま問答】
そして翌1993年、ついに打倒ランチアの時がやって来る。この年13戦中8勝を手にして、文句なしにマニュファクチャラーズタイトルを獲得。ランチアから移籍したユハ・カンクネンがドライバーズ選手権も制し、念願のダブルタイトルを手にした。これは日本車初の快挙だった。その勢いは1994年も続き、ディディエ・オリオールによって2年連続ダブルタイトルを獲得。まさに黄金時代を築いたのである。
WRC参戦用マシン「セリカGT-FOUR」のベースとなったのは、やはりグループAホモロゲーション取得用に開発された市販型の「セリカGT-FOUR」。3S-GTE型エンジンは先代の185psから225psへと一気に40psもパワーアップ。1991年に5000台が限定生産されたGT-FOUR RCでは、さらに10psプラスの235psまで高められていた。
メガウェブ ヒストリーガレージには1995年のサファリラリーを制したマシンがそのまま展示されている。1995年にはすでに新型ST205型のラリー車両がWRCでデビューしていたが、この年のサファリラリーにおいて日本人ドライバー、藤本吉郎が見事に優勝を飾った記念すべきマシンだ。
トヨタ セリカ GT-FOUR 1995年式 (ST185型)/サファリラリー優勝車
●全長×全幅×全高=4410×1745×1300mm
●ホイールベース=2525mm
●車両重量1200kg以上
●エンジン=直4DOHCターボ
●排気量=1988cc(3S-GTE改)
●最高出力=299ps/5700rpm
●駆動方式=4WD
メガウェブ ヒストリーガレージ
東京・青海、トヨタのテーマパーク・メガウェブの隣のヴィーナスフォート内にある展示スペース。トヨタをはじめとする世界のヒストリックカーが展示されていて、“クルマの歴史”を見ることができる。モータースポーツの歴史に関するコーナーもあり、自動車の再生工房「レストアピット」では名車の復元作業も見学可能。ノスタルジックな街並には、展示車だけでなく、ミニカーショップ、カフェなどもがあり、ゆっくりと雰囲気を楽める。 1Fのカフェバーに隣接するショップ「グリースGPS」では、レースなどモータースポーツで活躍したクルマのミニカーを販売。2Fの奥、非売品だがやはりモデルカーや書籍が並ぶ「コリドー」も見応えがある。
●住所:東京都江東区青海1丁目3-12
●入館料:無料
●休館日:不定休/時間:11:00~21:00(施設により異なる)
●駐車場:なし(ヴィーナスフォートパーキングをご利用ください)
●問い合わせ先:☎03-3599-0808●クルマでのアクセス:首都高速湾岸線 臨海副都心出口/有明出口より約5分/首都高速11号台場線下り台場出口より約5分
●公共交通機関でのアクセス:りんかい線「東京テレポート」駅より徒歩約3分/新交通ゆりかもめ「青海」駅直結、「お台場海浜公園」駅より徒歩約7分
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