飲酒運転に「トンデモ制裁!」
忘年会・新年会シーズンに懸念されるのが飲酒運転です。2007年から罰則が強化され、「酒気帯び運転」でも50万円以下の罰金、最低90日の免許停止などが課せられる厳しいものになりました。また、2024年11月からは自転車の酒気帯び運転も厳罰化となり、取り締まりが行われています。
【すっかり本格的に…】これがウクライナに提供した車両です(写真)
海外に目を向けると、フランスやイギリスのように飲酒運転の基準が比較的緩い国もあれば、厳しい国もあります。たとえばアラブ首長国連邦のように、宗教上の理由からお酒を観光客にしか提供しない国では「飲酒運転をすると重罪が課せられる。飲んで事故にあった場合は保険も適用されない」と外務省が注意喚起する場合もあるほどです。
そうした飲酒運転の罰則でも、ユニークな規制を設けているのが、欧州のバルト海に面したバルト三国のひとつであるラトビアです。なんとクルマを没収のうえ「ウクライナに寄付してしまう」というのです。
ラトビアは、OECD(経済協力開発機構)が2020年に発表した「ひとりあたりのアルコール消費量が多い国」ランキングで欧州1位、ひとりあたりの年間消費量は12.1リットルと、かなり“お酒を飲む国”です。そのため飲酒運転が社会問題になっており、日本の外務省もウェブサイトで、「挙動がおかしい車を見かけたら、飲酒運転などの可能性がありますので、注意して下さい」と説明しているほどです。
クルマ没収するぞ!→没収車多すぎ…
減らない飲酒運転を抑制するため、ラトビアでは2022年11月に刑法が改正され、血中アルコール濃度が0.15%以上の運転手からクルマを押収するという法律になりました。この血中濃度はいわゆる酩酊状態と判断される濃度です。なお、同国では血中アルコール濃度が0.05%から飲酒運転扱いとなります。日本では0.03%からが酒気帯び運転扱いです。
当初はこれら押収したクルマをオークションにかけるなどしていましたが、押収したクルマで警察が確保した駐車場が満杯になり、保管場所に困るという事態が発生。それならば、ロシアとの戦闘で車両が不足しているウクライナに寄付してしまおうということになりました。この措置は2023年2月に導入されています。
既に何度か、ウクライナへの寄付が実行されており、2024年6月の報道では「毎週末、ラトビアからウクライナまで約30から40台の車を配達している」というボランティア団体の話もありました。
また、一部車両は救急車や前線で使用するために、若干の装甲を施してから送るときもあるようです。ちなみに、同法成立後送られた第一陣のクルマには、トヨタが欧州などで販売しているミニバン「ヴァーソ」の姿もありました。
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