ひと口にBEVと言っても、その思いや方向性は各社各様。二酸化炭素排出量の削減はもちろんだが、新たなファントゥドライブの創出をモーターに求めるブランドもあったりする。ここでは輸入ブランドの電動化施策を紹介していこう(Motor Magazine2021年6月号より)
アウディはすでに内燃エンジンの新規開発を凍結
2018年に発表されeトロンによって、BEV攻勢の幕を開けたアウディ。eトロンと同スポーツバックの世界販売台数はすでに8万台を超えたという。続くモデルとして先日矢継ぎ早に発表されたのが、eトロンGT、そしてフォルクスワーゲングループのMEBプラットフォームを用いたコンパクトSUVのQ4 eトロンと同スポーツバックである。これで普及に一段と弾みがつくことは間違いない。
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実はその次の弾もすでに込められている。上海ショーで発表されたコンセプトカーのA6 eトロンは、ポルシェと共同開発したPPE(プレミアム プラットフォーム エレクトリック)を初採用。まずは2023年までにQ6 eトロンが、さらにこのA6 eトロンが続くことになる模様だ。
アウディはすでに、内燃エンジンの新規開発はしないと公言している。一方で2025年までに電動モデルを30車種、そのうちBEVを25車種設定すると鼻息は荒い。
メルセデス・ベンツ「乗用車の未来は間違いなくBEV」
電動化モデルに特化したサブブランド、EQを展開するメルセデス・ベンツ。第1弾となったEQCに続いて、日本にはコンパクトSUVのEQAが上陸したばかりだ。この2車と日本未導入のEQVは、既存の内燃エンジン車と共通の基本骨格を使っている。
しかしながらBEV専用プラットフォームも開発され、それを使った最初のモデルがこの4月に発表されたEQSだ。「プログレッシブラグジュアリー」を標榜したキャブフォワードのボディはCd値0.202をマーク。バッテリーは107.8kWhの大容量で航続距離は770kmが可能になった。
これが今後のEQのコアになる。すでに中型セダンEQEの登場が明かされ、現在のGLS、GLE級のSUV投入も決定済みだ。メルセデス・ベンツ社開発担当取締役、マークス・シェーファー氏は「乗用車の未来は間違いなくBEV」と断言。ラインアップ展開は今後さらに加速していきそうである。
ボルボ「2030年までにすべてをBEV」
2030年までにすべての車両をBEVにすると宣言したボルボ。まずは2025年には世界販売の50%をBEVに、そして残りもPHEVとして内燃エンジンからの脱却を図る。
また生産に必要なエネルギーをCO2フリー電力で賄うのが容易なスウェーデンに本拠を置くだけに、 LCAでのCO2フリーを早期に実現してその存在感を際立たせるのも狙い。日本市場でも、BEVのC40リチャージを2021年秋に発売予定。
オンライン限定販売、サブスクリプションプランの導入など大胆な変革が進む。
ポルシェはそもそも電動化に積極的なブランド
2020年の世界販売における電動化率はすでに17%で、ライバルたちを大幅に凌駕する。それにはPHEVはもちろん、2万台以上を販売したというタイカンの貢献も大きい。
それに続くのはBEV化されたマカン(2023年頃か?)になるはずだ。アウディが発表したコンセプトカー、A6 eトロンが使うPPE(プレミアム プラットフォーム エレクトリック)はポルシェと共同開発したもので、すでに次期型マカンに使われることは決定済みだ。
そして2025年には販売の半数を電動化モデルにするというのがポルシェの目論見である。
BMWはフルBEVラインアップで攻勢を再開
2013年のBMW iのローンチで電動化シフトの先鞭をつけたBMW。近年はPHEVラインナップの充実の方に力が注がれていた感があるが、3月には大型BEVのiX、4ドアグランクーペのi4を相次いで発表し、フルBEV攻勢再開を宣言した。
日本導入も積極的に行われる予定だ。iXはすでにBMWオンラインストアで予約が始まっている。i4も導入が決定済み。さらに、SUVのiX3も近日中に上陸する。
これを含めて、現在は13モデルが用意されるPHEVを含めた電動車両は、 2023年にはほぼ倍の25モデルにまで拡充される予定だ。
ついに始まるフォルクスワーゲンによる本気のEVシフト
2030年までに約2600万台のBEVを販売するという急速なEVシフトを宣言。 2021年3月に開かれたオンライン会見によれば、バッテリー生産施設を拡大、2030年には240GWhの製造キャパシティを整えるという。
これは全車両をBEVにしてもカバーできる量だ。また「Unified Cell」と呼ばれる共通規格バッテリーを開発し、コスト低減を図る意向も示された。
プジョーはあらゆる乗り物を電動化する
全ラインアップにBEVもしくはPHEVを設定するだけでなく、用途やキャラクターも幅広く考えられている。BEVが設定されるのは主にコンパクトモデル系で、上級カテゴリーにはPHEVが用意される。
一方では、電動化は楽しさも拡大させるとアピールする。さらに電動スクーターのeBikeも用意するなど、モビリティのあらゆるレンジで電動化を進めている。
ジャガーが目指すはBEVラグジュアリー
2018年のI(アイ)ペイス投入で、ジャーマンプレミアム勢よりも早くBEVマーケットに本格参入したジャガー。この2月に発表した新ブランド戦略「Reimagine」にて、 2025年以降、BEVラグジュアリーブランドへと転換することを明らかにした。
これによりジャガーは今後投入するモデルを、すべて新開発のBEV専用アーキテクチャーから生み出していくという。
BEV化された新世代のフィアット500に期待
2020年3月のフルモデルチェンジでBEVへと変身。愛らしいデザインはほぼ変わらず、中身は新世代500が従来のRRレイアウトからFFになった時以上の大革新を遂げた。
注目は42kWhと23.8kWhのふたつのバッテリー容量のラインアップ。BEV版500は日本発売も予定されており、とくにリーズナブルな23.8kWhモデルは、大容量・長距離BEVとは違ったユーザー層にアピールするだろう。(文:島下泰久)
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みんなのコメント
中国・ロシア・・・・いわゆる共産圏は絶対的な監視下に置くべきならず者国家。
車など二の次でいいんです。
ていうか、エンジンぶん回して走らない車が楽しいか?。
エンジン製造にかかわる下請けさん達をナメてない。