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180度の方向転換は「ロータスらしさゼロ」! それでもEVへ満振りの新たなクルマたちが気になって仕方ない

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180度の方向転換は「ロータスらしさゼロ」! それでもEVへ満振りの新たなクルマたちが気になって仕方ない

 この記事をまとめると

■ロータスが最後の内燃機関モデルとなるエミーラを発表した

「エリーゼ」「エキシージ」「エヴォーラ」がもう買えない! ロータスの生まれ変わりで「消える」3台の名車とは

■すでにBEVとしてハイパーカーのエヴァイアとSUVのエレトレも発表されている

■すでに企画されているであろうBEVスポーツカーにも期待したい

 最後の内燃機関車のエミーラ登場で大きく変革するロータス

 イギリスのロータスは、昨2021年夏に新型のミッドシップスポーツである「エミーラ」を発表した。これまでのロータス車のテイストを残しながら、左右のドアは大型化され、アルミニウム製の押し出し材を使用した軽量な「スポーツカーアーキテクチャー」のサイドシルも低くなったため、キャビンへの乗降性もさらに高められるなど、走りに直接関連する部分以外にも新型車としての魅力を高めたエミーラ。だがこのエミーラは、ロータスにとってはもうひとつ重要な役割を持つモデルだった。

 ロータスの始まりは1930年代。当時のオースティン・セブンを独自に改良したマークIに始まるが、それから現在に至るまで欠かすことのできなかったものといえば、それはもちろん内燃式のパワーユニット。彼らはその歴史の中でさまざまな技術革新で見る者の目を驚かせてきた。たとえば1968年のインディアナポリス500マイル・レースを目的に製作されたロータス56も、ガスタービンエンジンを搭載してはいたものの、これも内燃機関の一種だ。

 エミーラは、この内燃機関を採用した最後のモデルとなるとロータスはすでに宣言している。ミッドに搭載されるエンジンは、ファーストエディションでは405馬力の最高出力を発揮する3.5リッターのV型6気筒スーパーチャージャーと、メルセデスAMG製の2リッター直列4気筒をベースに、ロータスが独自のチューニングを施した365馬力相当の2タイプ。ミッションはいずれも8速DCTで後輪を駆動する。

 BEVメーカーとなってもロータスらしい技術革新に期待

 ロータスのファンならずとも気になるのは、やはりこの次にデビューが計画されているニューモデルの数々だろう。内燃機関を搭載するモデルはもう製作しないということは、すなわち今後のロータス車は、全モデルがBEVに進化するということ。

 直近では2019年夏に、これまでのライトウエイトスポーツといったイメージを一新した、ハイパーカーコンセプトカーの「エヴァイア」が発表されている。それから約2年間の時間が経過し、その開発プロジェクトは順調に進行していることは確かだろう。ちなみにこのエヴァイアは、ロータスにとって創業から130番目のプロジェクトにあたり、したがってエヴァイアの名が決まるまでの開発コードは「タイプ130」と呼ばれていた。

 エヴァイアのボディは、これまでのロータス車とは次元の異なるエアロダイナミクス、空力効率を実現した結果として誕生した造形だ。ダウンフォースのほとんどはアンダーボディで得るグランドエフェクトカーとして設計されており、ドライブモードなどによって自動的にそのセッティングが変わるリヤウイングやデフューザーなどがさらに大きな効果を引き出す仕組み。

 モノコックはワンピース形状のカーボン製で、サスペンションは前後ともにプッシュロッド式のダブルウイッシュボーンとなる。ブレーキはベンチレーテッド・セラミックディスクだが、これに回生機能が組み合わされているのはBEVの典型だ。

 エレクトリックモーターは、4輪に各々搭載されている。サプライヤーはウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング社。最高出力では2000馬力、最大トルクでは1700Nmを発揮するという。2000kW分のリチウムイオン式のバッテリーはシート後方のフロア部分に搭載されるが、それでもエヴァイアの車重は1680kgしかない。結果、0-100km/h加速は3秒以下、最高速も320km/h以上。それでいて最大航続距離は400kmを誇るというのだから、ハイパーBEVを生産する競合他社にとって、それは大きな脅威になる。

 ロータスの積極的なBEV化戦略は、これからもまだまだ続く。2026年までに4台の新型BEVを発表するとしていたロータスが、エヴァイアに続いて先日正式発表したのは、ロータス自身がオールエレクトリックハイパーSUVと呼ぶ「エレトレ」。

 SUVとしての実用性や機能性に、ロータス車としてのエッセンスを加えたデザイン。そして何より600馬力クラスのパワーユニットを搭載し、350kWの充電をわずか20分で終了する。それだけでも約400kmの走行を可能にし、フル充電からは600kmの航続距離を持つという足の長さは大きな魅力だ。

 カーボンファイバーとアルミニウムを最大限に生かした軽量化や、最先端のアクティブエアロダイナミクスなど、技術面でも見るべきポイントが多いのは、さすがにロータスの生み出したSUVである。

 プロダクションモデルのBEV化に、一気に舵を切り始めたロータス。願わくは、さらに企画されているだろう新型BEVスポーツに、あの「エスプリ」の名が復活することを期待するファンも、きっと多いに違いない。

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