現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 地味な商用車にも新たなニーズ? ホンダ新型軽商用車「N-VAN」が画期的と話題になる理由

ここから本文です

地味な商用車にも新たなニーズ? ホンダ新型軽商用車「N-VAN」が画期的と話題になる理由

掲載 更新
地味な商用車にも新たなニーズ? ホンダ新型軽商用車「N-VAN」が画期的と話題になる理由

■商用車は商売に利益をもたらすかどうかがすべて

 ホンダが2018年夏発売予定の新型軽商用車「N-VAN」は、これまでの軽商用車とは一線を画すと話題になっています。これまでの軽バンに比べ、メカニズムが大きく変化し、荷物の積み方が大きく変化する可能性があるからです。果たして軽商用車バンの世界を大きく変化させることになるのでしょうか。

ホンダ、4m以下のプレミアムセダン新型「アメイズ」 世界初披露

 新型「N-VAN」は特徴あるボディスタイルや、豊富なカラーバリエーションも注目されています。トラックやバンといった商用車の世界とは、経済性がほぼすべてといってよい世界です。カタログ燃費やカッコ良さで競っても、コストが商売にとってプラスかマイナスかで売れるかどうかが決まります。その商用バンの世界では、これまでエンジンを床下に置いて後ろの車輪を駆動する軽商用車ばかりでした。

 エンジンが床下だった理由は荷室サイズ。軽自動車は長さ3.4m、幅1.48m以下という決まりがあります。このため、荷室の長さを重視すると、N-VANのように運転席の前にエンジンを置くことはできませんでした。

 具体的には、N-VANの荷室長こそ最大2635mmとされていますが、これは助手席を畳んた最大長。四角いモノを積む場合、フロントシートの後ろからの長さは1510mmとなります。ベニヤ板や畳を平らに積むには足りません。エンジンが床下にある1BOXタイプの従来型「ホンダ アクティバン」は運転席と助手席が使える状態で長さが最大1940mmありました。

 一見、荷室サイズにデメリットがあるようにも見える新しいN-VANですが、メリットも多くあります。そのひとつは低床性。従来のアクティバンの床の高さは地面から665mmでしたが、N-VANでは525mmと14センチ低くなり積み降ろしがしやすくなります。荷室の高さも1200mmから最大1365mmへと高くなっていますので、逆にN-VANでないと積めない荷物もあるでしょう。

 また、助手席のドアとその後部のスライドドアの間にあるピラー(柱)がないため、両方を開ければ広大な開口部となり、左側面からの積み下ろし性能や、助手席までフラットになる荷室空間は、細長い物の積載には便利です。これらの点についてメリットを感じる人も多いと思います。

 この点についてホンダは「助手席のダイブスタイルで、これまでよりも積みやすさという新しい価値があり、そういう点では従来と同等としています」といいます。

 また、これまでの商用バンに多かった1BOXバンにしなかった理由を尋ねると、「働く人を取り巻く環境が変わる中、乗り心地・安全性・静粛性や積載性に配慮した新たなバンのカタチを検討してきました。その結果、これまでの商用バンに多かった1BOXタイプのバンではなく、ホンダらしいパッケージングで商用バンの新しいニーズに応える提案として、今回の『N-VAN』を開発しました」(ホンダ)といいます。

■自動ブレーキの搭載をはじめ、働く人の安全面でもプラスに

 一方、一日中クルマに乗って仕事をするドライバーにとっては安全性能が気になるところです。Honda SENSINGといった自動ブレーキの装備はもちろん、運転席の位置が従来よりも後ろになることで、衝突時の潰れしろ(クラッシャブルゾーン)が大きくなるため、万一の際の生存空間確保という面では大きなプラスになります。

 このほか、公開されたスタイリングでは、角ばったボディやこれまでの商用車にないカラーバリーエーションで、単純にカッコ良さを感じる人も多く、広大でフラットな荷室の魅力が相まって、個人ユースで利用したいと考える人も多いと予想されます。

 以上のように荷室の床が低くなり、助手席をフラットに折り畳めること、そして、積み下ろし性能もアップ、しかも安全性が高まっているところが話題のポイントと思われます。

 このほかにもオートマチックトランスミッションの無段変速化やパワーのあるターボ車が選べるなど、低燃費や高い走行性能のモデルが選べるというメリットもあります。

 冒頭でも触れました、従来のアクティバンで積めた荷物がN-VANでは積めないものが出てくる恐れがあり、その1点でN-VANの購入が却下されてしまうのが商用車の世界。実は2015年の東京モーターショーにダイハツが今回のN-VANに近いレイアウトの軽商用車「TEMPO」を参考出品していますが、その後、何も発表されていなところを見ると、前輪駆動で低床のモデルは難しいのかもしれません。

 それでも、N-VANの積載性や積み下ろし性能を評価するユーザーが多くなり、安全面がさらに重視される風潮が高まれば、N-VANが大ヒットし、軽商用車の傾向が変わっていく可能性は十分にあります。しばらくは軽バンの行方に注目です。

こんな記事も読まれています

スズキ、東京アウトドアショー 2024に新型車出品へ…親子でアウトドアや料理を
スズキ、東京アウトドアショー 2024に新型車出品へ…親子でアウトドアや料理を
レスポンス
アルピーヌ・ジャポンが初の電動モデル「A290」の日本導入を検討へ!
アルピーヌ・ジャポンが初の電動モデル「A290」の日本導入を検討へ!
月刊自家用車WEB
価格以上の高性能が満喫できる、抜群のコスパに脱帽! BYD・SEAL 試乗インプレッション
価格以上の高性能が満喫できる、抜群のコスパに脱帽! BYD・SEAL 試乗インプレッション
月刊自家用車WEB
【MotoGP】ヨハン・ザルコのプロ精神、LCRチェッキネロ代表が称賛。ストイックさは”アーティスト”レベル
【MotoGP】ヨハン・ザルコのプロ精神、LCRチェッキネロ代表が称賛。ストイックさは”アーティスト”レベル
motorsport.com 日本版
キャンプギア収納問題をトランクルームで解決!「CAMP HACK」×「ストレージ王」のコラボ動画が公開(動画あり)
キャンプギア収納問題をトランクルームで解決!「CAMP HACK」×「ストレージ王」のコラボ動画が公開(動画あり)
バイクブロス
SHOEIヘルメットにB+COMを美しく装着できるNEWアイテム! サインハウスが「B+COM SHOEIアタッチメント3」を発売
SHOEIヘルメットにB+COMを美しく装着できるNEWアイテム! サインハウスが「B+COM SHOEIアタッチメント3」を発売
バイクのニュース
“200万円台”から! ホンダ最新型「ヴェゼル」月々いくらで買える? 大人気SUVの「最も安い&高いモデル」とは
“200万円台”から! ホンダ最新型「ヴェゼル」月々いくらで買える? 大人気SUVの「最も安い&高いモデル」とは
くるまのニュース
フェラーリが僅差でトヨタを破り2連覇! 今年のル・マン、24時間走ってもなぜ大接戦に?
フェラーリが僅差でトヨタを破り2連覇! 今年のル・マン、24時間走ってもなぜ大接戦に?
くるくら
VWの小型セダン『ジェッタ』に改良新型、6月25日に米国デビューへ
VWの小型セダン『ジェッタ』に改良新型、6月25日に米国デビューへ
レスポンス
ベンツは「ほとんど変えずに洗練させる」困難な仕事をやってのけた しかし…… Gクラス試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベンツは「ほとんど変えずに洗練させる」困難な仕事をやってのけた しかし…… Gクラス試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
【日本限定30台】メルセデス・マイバッハ特別限定モデル「S 580ナイトエディション」登場! 価格は4400万円。メルセデス ミーで展示中です
【日本限定30台】メルセデス・マイバッハ特別限定モデル「S 580ナイトエディション」登場! 価格は4400万円。メルセデス ミーで展示中です
Auto Messe Web
アルファロメオ ジュニアのハイパフォーマンス バージョン「ヴェローチェ」は最高出力280ps!
アルファロメオ ジュニアのハイパフォーマンス バージョン「ヴェローチェ」は最高出力280ps!
Webモーターマガジン
自動車業界の平均年収ランキング、1位はトヨタで「895.4万円」…SalesNowがトップ10公開
自動車業界の平均年収ランキング、1位はトヨタで「895.4万円」…SalesNowがトップ10公開
レスポンス
スバル新型「スポーツ“セダン”」公開! MT採用&パフォーマンス重視設定がイイ! 羨ましすぎる水平対向エンジン搭載モデル! 米に登場の「WRX tS」はどんなクルマとは
スバル新型「スポーツ“セダン”」公開! MT採用&パフォーマンス重視設定がイイ! 羨ましすぎる水平対向エンジン搭載モデル! 米に登場の「WRX tS」はどんなクルマとは
くるまのニュース
【角田裕毅F1第10戦分析】リヤウイングが一因か。セットアップを最適化できないまま戦い、アンダーステアに苦しみ19位
【角田裕毅F1第10戦分析】リヤウイングが一因か。セットアップを最適化できないまま戦い、アンダーステアに苦しみ19位
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO終了時点
【ポイントランキング】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO終了時点
AUTOSPORT web
トヨタ『ランドクルーザー300』の警備・防衛車両向け、デュアルオルタネーターで電源確保…米APSが発表
トヨタ『ランドクルーザー300』の警備・防衛車両向け、デュアルオルタネーターで電源確保…米APSが発表
レスポンス
山頂キャンプ・グランピングが楽しめる「OZE-HOSHISORA GLAMPING&CAMP RESORT」2024シーズンの営業がスタート!
山頂キャンプ・グランピングが楽しめる「OZE-HOSHISORA GLAMPING&CAMP RESORT」2024シーズンの営業がスタート!
バイクブロス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

136.5201.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

37.0289.0万円

中古車を検索
N-VANの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

136.5201.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

37.0289.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村