前日の11月15日にフロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されたIMSAプレシーズン公式テストの初日に参加した太田格之進。最終日、11月16日の2日目はナイトセッションを担当し、93号車のアキュラARX-06をドライブした。2日目の走行の感触、そしてこの2日間のテストを終えての感想を聞いた。
最終日の2日目、太田格之進はこの日最後のナイトセッションを担当、セッション開始から最後まで走行を任され、43周を計測。太田格之進の最速タイムは1分36秒994で全体では10番手のタイムながら、チームメイトの60号車の最速タイムをマークしたスコット・ディクソンの1分36秒993と、わずか0.001秒差というタイムをマークした。
太田格之進がIMSA公式テストでアキュラを初ドライブ「思った以上にうまく走ることができた」
「ナイトセッションは想像以上に明るくて走りやすかったです。ただ、ヘッドライトが明るいので後ろのクルマとの距離感がかなり分かりにくく、そこは難しいと感じました。それ以外は意外と昼の走行と変わらないですね」と、IMSA&アキュラARX-06、そしてデイトナで初めてのナイトセッションの感想を話す太田格之進。
太田格之進とアキュラが走行するGTPクラスでは、6号車のポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが最多の71周を走行している。習熟走行がメインの格之進と93号車は43周を走行したが、セッション終盤にはトラブルが出てしまったようだ。
「最後の最後にパワステにトラブルが発生して、ステアリングのアシストがなくなり重くなったことがあったものの、その他には特にトラブルなく、充実した2日間を過ごすことができました」
実戦の1月のデイトナ本番では50台以上が参加する中、今回のナイトセッションでは31台が参加。コース上のトラフィックなど、スーパーGTでの経験は役立ったのだろうか。
「IMSA、そしてデイトナでのトラフィックは日本とはまったくの別物に感じました。それにはふたつの理由があって、日本とは違って、IMSAではほとんどの(追い抜かれる側の)ドライバーがインジケーター(方向指示器)を使わないので、後ろから近づく僕を確実に認識してくれているという確証が持てないです。もうひとつは、他のクラス(GT3マシン)との速度差がGT500とGT300よりも全然大きく、GT3に近づく速度はかなり速いので、すごく大きな速度差からのオーバーテイクには神経を使います。(LMDhマシンは)ブレーキングポイントがGT3よりも手前なので、距離感やブレーキングポイントを見誤ると接触につながりそうです」
LMDhのアキュラARX-06のパフォーマンスや速さは、GT500マシンと比べてどのようなレベルにあると感じたのだろう。
「まずはストレートのスピードは日本に比べるとかなり速いです。330km/h近くで右側の壁ギリギリに寄っていくのはなかなか痺れますが、楽しいですね。グリップの総量のうち、(アキュラは)ダウンフォースの占める割合がかなり大きいです。タイヤのグリップはスーパーGTに比べると低いので、いかにダウンフォースをうまく使いながら走るかが重要だと感じています」
今回はあくまでテストのみの参加。2日間の走行で本番のレースを走りたい気持ちは、格之進の中でますます高まったようだ。
「レースをしたい気持ちはかなりあります。チームもチームメイトも強力なので間違いなく勝てるパッケージです。アキュラ、HRC、Meyer Shank Racingのコラボはすごくシームレスで、いろいろなシステムや人材も含めてかなりハイレベル。レーシングドライバーとして、シンプルにこの環境で戦いたいという気持ちです」
2日間のテストで改めて十分な速さと安定感を見せた太田格之進。期待が高かまるばかりで、93号車の4人目のドライバーとして、吉報が届く日も近いのかもしれない。
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