平成スポーツカー図鑑＜その4＞ユーノス（マツダ）ロードスター（平成元年：1989年）

新しい元号が「令和」に決まり、いよいよ平成が終わろうとしているが、この時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを図鑑風に紹介していこう。4回目は「ユーノス・ロードスター」だ。

ライトウエイトスポーツの操る楽しさを現代の技術で甦らせる
「ユーノス・ロードスター（NA6CE型：1989年9月発売）」

発売時はマツダの新たな販売チャンネルであるユーノス店の1号車だったため、ユーノス・ロードスターと名乗った。

リトラクタブルヘッドランプを備えたコンパクトな2座オープンボディに、ファミリア用のB6型1.6Lエンジンを縦置き用に改良して搭載。フロントミッドシップにマウントすることで慣性モーメントを抑え、バッテリーのトランク配置などで2名乗車時の前後重量配分を50：50に調整するなど、操縦した時の人馬一体感を徹底追求して、FRスポーツならではのシャープな回頭性を実現している。

キャビンも、手首の返しで変速できるほど短く設定された5速MTのシフト＆セレクトストロークや、オフセットのないABCペダル配置などに開発者のこだわりが見えた。

こうした基本性能に加え、アルミを多用した軽量ボディをマツダ初の4輪ダブルウイッシュボーンサスで支えたシャシ性能でもドライバーを魅了した。

ワインディングでヒラヒラとコーナーをクリアしていく気持ち良さは、まさにライトウエイトスポーツの真骨頂だった。

当初1.6Lの5速MTのみだったロードスターだが、90年に4速ATを追加。93年のマイナーチェンジではエンジンが1.8LのBP型に換装され、型式もNA8C型に変わっている。

ユーノス・ロードスター（1989年）主要諸元
●全長×全幅×全高：3970×1675×1235mm
●ホイールベース：2265mm
●重量：940kg
●エンジン型式・種類：B6型・直4 DOHC
●排気量：1597cc
●最高出力：120ps/6500rpm
●最大トルク：14.0kgm/5500rpm
●トランスミッション：5速MT
●タイヤサイズ：185/60R14
●価格：170万円