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う…売れてるなぁ… 新SUV戦国時代!! 月販トップに輝いたライズは盤石か!??

掲載 更新 55
う…売れてるなぁ… 新SUV戦国時代!! 月販トップに輝いたライズは盤石か!??

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した2020年6月の販売台数で、トヨタ「ライズ」が「ヤリス」を逆転し、1位になった。しかし、ここまで売れているライズでも、これから盤石といえるのだろうか。

2019年11月に発売されたトヨタ「ライズ」。コロナ禍の影響で2020年4月は落ちたものの、それ以外の月は

激突!! 発売直後受注殺到ダイハツタフトvs.ハスラー 熱き軽SUV販売戦線 仁義なき戦い

 2020年6月に登場した日産「キックス」、そしてこれから登場する身内の「ヤリスクロス」などライバルは多い状況だ。コンパクトSUV市場で、ライズは好調を維持できるのか? その人気のワケと、今後の動きを渡辺陽一郎氏が考察していく。

文/渡辺陽一郎
写真/TOYOTA、NISSAN、編集部

【画像ギャラリー】堅調に上位にランクイン! 人気コンパクトSUVの座を確立した「ライズ」を詳しく

■登場時から好調のライズ それに引っ張られロッキーも伸びる

 2020年6月の販売ランキングを見ると、コンパクトSUVのトヨタ「ライズ」が小型/普通車の1位になった。軽自動車まで含めた総合順位は、1位:ホンダ「N-BOX」、2位:スズキ「スペーシア」、3位:ダイハツ「タント」だから、ライズは4位だが、小型/普通車に限ると、トヨタ「ヤリス」「カローラシリーズ」、ホンダ「フィット」を上まわった。

ボディサイズは全長 3995×全幅1695×全高1620mm。価格はロッキーが170万5000~242万2200円に対して、ライズは167万9000~228万2200円で、ライズのほうが2万6000~14万円安い

 ライズは、ダイハツが開発と製造を行う「ロッキー」をベースにしたOEM車で、2019年11月に発売された。2020年1月と2月には、ライズが小型/普通車の登録台数1位になっている。

 その後、3月はカローラシリーズ、4月と5月はヤリスが1位だったが、6月にライズが再びトップに立った。そのために2020年上半期(1~6月)の小型/普通車販売ランキングでも、ライズが1位になる。

 最近の登録台数(軽自動車は届け出台数)で注意したいのは、コロナ禍の影響だ。小型/普通車と軽自動車を合計した国内販売総数は、2020年4月が対前年比で29%減った。5月も45%、6月も23%のマイナスになる。

 この状況では、今の登録台数が本来の人気を反映しているとは限らない。ライズが売れ筋車種であることは確かだが、そのニーズがヤリス、カローラシリーズ、フィットよりも絶対的に高いとはいい切れない。

 ただしそのいっぽうで、トヨタの販売店は次のように述べている。

「ライズの人気は高い。コロナ禍による落ち込みも小さく、2020年7月中旬に契約を頂いても、納車は11月上旬だ。つまり納期が約4カ月を要する。プリウスやヴォクシーなど、いろいろな車種のお客様がライズに乗り替えて、発売から半年以上を経過するのに受注が下がらない」

 姉妹車のロッキーを扱うダイハツの販売店でも人気動向を尋ねた。

「ダイハツは軽自動車を中心に扱うので小型車の売れ行きは少ない。小型車は主にトヨタがOEM車を販売してきた。ところが、ロッキーはTV・CMを活発に放送した効果もあり、ダイハツの小型車では好調に売れている。トールやブーンを大きく上まわる。納期も長く、2020年7月中旬に契約をいただいても納車は9月中旬だ。納期は2カ月だが、工場がライズの生産に追われて、さらに伸びる傾向にある」

右がトヨタ「ライズ」、左がダイハツ「ロッキー」。バンパーとホイールの意匠が変更されている

 つまりライズ、ロッキーともにフル生産している状態だ。ライズは2020年1~3月と6月に、1万台から1万2000台を登録したが、これが上限の台数だろう。今でも納期は4か月だから、今後も高人気を保つ可能性が高い。

■「200万円前後のちょうどいいクルマ」にフィットしたライズ

 そうなると気になるのは、ほかの車種の動向だ。2020年6月における小型/普通車登録台数ランキングの上位を見ると、1位がライズで1万2823台、2位はヤリスの1万967台、3位はカローラシリーズで9311台、4位はフィットの9016台と続く。

 これらの納期を販売店に尋ねると、フィットとヤリスハイブリッドは約2カ月、カローラセダン&ツーリングとヤリスのノーマルエンジンは約3カ月だった。ヤリスではノーマルエンジンの納期がハイブリッドよりも長い。

 それでもライズの4カ月に比べれば短く、ヤリス、カローラシリーズ、フィットの需要は落ち着いてきた。そうなると今でも受注の多いライズが、小型/普通車の1位を守る可能性もある。

 ライズが高い人気を得た背景には、コンパクトSUVというカテゴリーもある。日本の道路環境にはコンパクトな車種が適しており、最近は安全装備や環境性能の向上でクルマの価格も全般的に高まった。ライズも2WDで売れ筋の「G」が189万5000円、上級の「Z」は206万円だ。「C-HR」は1.2Lターボの「2WD・S-T」が240万円、「G-T」は266万5000円に達する。

トヨタのデザインアイコンであるキーンルックを採用したグローバルモデル「C-HR」。プリウスよりも全長で約20mm短く、全幅が35mm幅広いワイドフォルムになっている

 従って「200万円前後のクルマが欲しい」という選び方をすると、今はライズがちょうどいい選択だ。しかも流行しているSUVで外観もカッコイイ。ボディの上側はワゴン風の形状だから、後席にも大人が座れて荷室容量も相応に得られる。「コンパクトカーのヤリスやフィットは、実用的で買い得だけど、面白さが乏しい」と感じたユーザーもライズなら満足できる。

■日産の送り出した刺客「キックス」は価格設定の高さが気になる

 それならほかのコンパクトSUVはどうなのか。2020年6月に発売された日産「キックス」の受注台数は未定だが、販売店によると「納期は長く2020年7月中旬の契約で納車できるのは12月から2020年1月。ボディカラーによっては2020年2~3月」という。キックスはタイ生産の輸入車だから、生産枠に入らない仕様を注文すると納期が伸びる場合が多い。

新型キックスは、「X」(275万9900円)と「Xツートーンインテリアエディション」(286万9900円)の2グレード展開となる

 それでもキックスはハイブリッドのe-POWER専用車だから、Xの価格は275万9900円と高い。「Xツートーンインテリアエディション」は286万9900円だ。駆動方式は2WDのみで、ライズの価格を70~90万円上まわる。エクストレイルの2Lノーマルエンジン車と比べても20万円安い程度だから、キックスの登録台数がライズを抜くことは考えにくい。

 ただし今後、200~220万円の価格帯にキックスの1.5Lノーマルエンジン搭載車を設定すれば、状況が変わる可能性もある。日産車で最も人気の高い「ノート e-POWER・X」(205万9200円)と同等の価格で、キックスのノーマルエンジン車が買えるとユーザーも増えるだろう。

 ちなみにキックスの前身とされる「ジューク」の価格も、1.5Lノーマルエンジンを搭載する2WDが200~220万円だった。ジュークからの乗り替えを考えても、キックスがノーマルエンジンを加えるか否かで売れ行きは大きく変わる。

 日産はキックスをe-POWERのみにした理由として「ノートではe-POWERが圧倒的に売れており、開発コストを抑える目的もあって、キックスはe-POWERに限定した」と説明する。

 確かにノートではe-POWERの比率が70~80%に達するが、そこには生産を終えた「ティーダ」「ジューク」「デュアリス」、設計の古くなった「キューブ」などからの乗り替え需要も含まれるからだ。これらの車種はいずれもノートより上級に位置付けられ「普通のノートでは物足りないが、e-POWERなら満足できる」と考えるユーザーも多い。しかもノートならe-POWERの価格が200万円少々だから、好調な売れ行きに至った。

 しかしキックスの価格は、前述の通り270万円を超える。エクストレイルに近い設定だから、割安なノーマルエンジンを加えない限り、売れ行きがライズを超えるのは難しい。

■ワイルド感もある都会派SUVが今の売れ筋 ライズはドンピシャ

 2020年秋に発売されるトヨタ「ヤリスクロス」も、ライズのライバル車になり得る。ヤリスの名称は付くが、ボディは別設計でプロトタイプは全長が4180mm、全幅は1765mmの3ナンバー車だ。エンジンは1.5Lのノーマルタイプとハイブリッドを用意する。価格はヴェゼルと同程度で、ベーシックなグレードの場合、ノーマルエンジンが215万円、ハイブリッドは255万円前後だ。

3ナンバーサイズでボリューム感があり、フェンダーなどの筋肉質なフォルムが印象的な「ヤリスクロス」。2020年8月31日に発表&発売予定となっている

 ヤリスクロスも堅調に売れると思うが、ライズに比べて雰囲気が都会的だ。上級車種でいえば、ヤリスクロスはC-HR、ライズはオフロード感覚の強いRAV4に似ている。

 今は輸入車も含めて都会的な車種が大幅に増えた結果、SUVの原点回帰が始まった。RAV4の売れ行きはC-HRを大きく上まわる。輸入車のジープブランドでも、オフロードSUVの「ラングラー」が人気を高めている。この市場環境を考えると、ヤリスクロスの売れ行きが、発売後長期間にわたりライズを上まわることはないと考える。

 以上のように、5ナンバーサイズで野性味を伴うライズは、今のSUVに対するニーズを巧みに汲み取った。ジムニーも息の長い人気を持続しており「オフロード感覚を備えた小さなSUV」が売れ筋になっている。この販売動向は、今後各メーカーが国内需要を高める上で、商品開発の大切なヒントになると思う。

【画像ギャラリー】堅調に上位にランクイン! 人気コンパクトSUVの座を確立した「ライズ」を詳しく

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みんなのコメント

55件
  • 200万円で、大き過ぎず、視点高くて運転しやすい、ジジイ臭く無い、
    これがちょうど良いんだよね、
  • トヨタはこういうところがうまいんだよなぁ。
    ちょうど欲しいサイズの車なんだもん。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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