現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第9戦】勝利がふさわしかったノリス。角田裕毅はスピンするまでは強力だった

ここから本文です

【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第9戦】勝利がふさわしかったノリス。角田裕毅はスピンするまでは強力だった

掲載
【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第9戦】勝利がふさわしかったノリス。角田裕毅はスピンするまでは強力だった

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価し、ベスト5のドライバーを選出した。今回はカナダGPの週末を振り返る。

───────────────────────────

【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第8戦】冷静さと完璧さで母国初勝利を達成したルクレール。角田裕毅の成熟度

【2024年F1第9戦カナダGP ベスト5ドライバー】

■評価 10/10:速さもレーススキルもレベルが高かったノリス

ランド・ノリス(マクラーレン):予選3番手/決勝2位

 カナダGPの困難なコンディションは、ドライバーとチームに極限までの試練を与え、70周のレースをミスなく走り切ることは極めて難しかった。最終的にはチームの戦略的な判断によって、ウイナーが決まったといえるだろう。ランド・ノリス(マクラーレン)は、マクラーレンが最初のセーフティカー出動の際に素早く反応できず、ライバルたちよりピットストップが1周遅れたことで、つかめたはずの勝利を逃した。予選でも決勝でもチームメイトより速かったノリスは、コース上でマックス・フェルスタッペンやジョージ・ラッセルをオーバーテイクして、レーススキルの高さも披露。そのパフォーマンスは優勝に値した。

■評価 9/10:運の助けもあり、勝利を飾ったフェルスタッペン

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選2番手/決勝1位

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、今回は運が味方して勝利をつかめたと認めているが、一方で、マイアミでは逆にノリスが幸運だったとも指摘した。フェルスタッペンはポールポジションに就くことはできなかったものの、レース中にラッセルをミスに追い込み、ポジションを上げた。インターミディエイトタイヤではノリスに対抗するペースがなかったが、スリックでは状況が変わり、ノリスとラッセルの後退により、フェルスタッペンは余裕の勝利を飾ることができた。

■評価 8/10:ミスを犯したが、速さはあったラッセル

ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選1番手/決勝3位

 ジョージ・ラッセル(メルセデス)はポールポジションを獲得し、速さを見せたものの、またしてもレースの重要な瞬間にミスを繰り返し、3回ポジションを落とした。それでも3位に戻れたことから、今回、ラッセルとW15に速さがあったことは間違いない。今後も同様のペースを維持できれば、いずれ挽回のチャンスが訪れるだろう。

■評価 8/10:久々に本領を発揮、最大限の結果を出したアロンソ

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):予選6番手/決勝6位

 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は過去2戦、彼にしては衝撃的ともいえる低迷が続いたが、今回、通常の高い基準に戻った。マシンに上位争いをする力がないなかで、アロンソは中団をリードし、最初のピットストップまでルイス・ハミルトンを抑え続け、再びお手本のような防御テクニックを見せた。ピットストップ時にポジションを落とした後は、タイヤをセーブし、ミスをせずに走り、アストンマーティンにとって貴重な6位を確保した。

■評価 8/10:ウイリアムズの好調さを生かし、見事な走りを見せたアルボン

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選10番手/決勝リタイア

 ウイリアムズが予想以上に好調で、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は週末のスターのひとりだった。予選で見事な結果を出したアルボンは、決勝ではポイントを目指して走っていたが、カルロス・サインツにヒットされてリタイアに終わった。


【ベスト6以下のドライバーとその戦い】

オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選4番手/決勝5位
=評価 8/10:堅実な仕事をしたが、今回はノリスに及ばなかった。

ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選7番手/決勝4位
=評価 7/10:予選でもレースでもミスを犯したものの、ミスの合間には驚異的な速さを見せた

ランス・ストロール(アストンマーティン):予選9番手/決勝7位
=評価 7/10:今回はアロンソによくついていき、チームのためにしっかりポイントを稼いだ。

ダニエル・リカルド(RB):予選5番手/決勝8位
=評価 7/10:予選で見事な仕事をした。決勝ではジャンプスタートでペナルティを受けてしまったことが響いたが、それでも速さを発揮して8位まで挽回してみせた。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選15番手/決勝9位
=評価 7/10:勇敢にも誰よりも早くスリックタイヤに履き替え、スキルを発揮して2ポイント獲得という素晴らしい結果を出した。

ケビン・マグヌッセン(ハース):予選14番手/決勝12位
=評価 7/10:スタートタイヤとして履いたエクストリームウエットを最大限に生かして、序盤10周のスターになった。14番手からわずか3周で4番手に浮上したのだ。しかしピットストップの失敗とスリックタイヤでのペース不足で、ポイント獲得には至らなかった。

シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選11番手/決勝リタイア
=評価 7/10:エンジントラブルで馬力が低下した状態で、できる限りのことをした。チームメイトより速かったものの、フェラーリのひどい週末の犠牲になってしまった。

エステバン・オコン(アルピーヌ):予選18番手/決勝10位
=評価 6/10:1回ストップで走り切るという素晴らしい仕事をした。ただ、オコンがチームの指示に素早く従わず、ガスリーが必要としていたサポートを与えなかったことで、アルピーヌは2ポイントを失った可能性がある。

バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー):予選17番手/決勝13位
=評価 6/10:おそらく全チーム中、最も遅いマシンに乗りながら、ベストを尽くした。しかしおそらくスリックタイヤへの交換が1周早すぎて、ポイント獲得の望みを失った。

ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース):予選19番手/決勝11位
=評価 6/10:予選でマグヌッセンに敗れ、決勝序盤のペースも、チームメイトほど目覚ましいものではなかった。それでも堅実なレースをして、マグヌッセンのひとつ上でフィニッシュした。

角田裕毅(RB):予選8番手/決勝14位
=評価 5/10:レース終盤、9番手を走行していたが、終了まであと5周というところでスピンし、獲得できたはずのポイントを失った。しかし、それまでは非常に高い競争力を発揮していた。

カルロス・サインツ(フェラーリ):予選12番手/決勝リタイア
=評価 5/10:困難なコンディションで、チームメイトよりも苦戦し、最終的にはスピンによりレースをリタイした。

ローガン・サージェント(ウイリアムズ):予選13番手/決勝リタイア
=評価 4/10:予選では進歩を見せたものの、決勝では最初の24周でミスをふたつ犯し、セーフティカー出動の原因を作った。

周冠宇(キック・ザウバー):予選20番手/決勝15位
=評価 2/10:いかなるトラックコンディションであろうと、チームがマシンをどう調整しようと、低迷から抜け出すことができずにいる。

セルジオ・ペレス(レッドブル):予選16番手/決勝リタイア
=評価 1/10:またしてもひどい週末を送った。予選ではQ1で敗退、決勝では後方から浮上できないまま、クラッシュしてリタイアした。


こんな記事も読まれています

RBとアルピーヌ、マシン改良で別れた中位勢の明暗。スタートでノリスに感じた人間性【中野信治のF1分析/第10戦】
RBとアルピーヌ、マシン改良で別れた中位勢の明暗。スタートでノリスに感じた人間性【中野信治のF1分析/第10戦】
AUTOSPORT web
【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第10戦】ドライバー力で勝ったフェルスタッペン。ガスリーのセンセーショナルな走り
【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第10戦】ドライバー力で勝ったフェルスタッペン。ガスリーのセンセーショナルな走り
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがノリスとの一騎打ちを制し今季7勝目飾る。角田裕毅は19位【決勝レポート/第10戦】
フェルスタッペンがノリスとの一騎打ちを制し今季7勝目飾る。角田裕毅は19位【決勝レポート/第10戦】
AUTOSPORT web
F1スペインGP FP1:ノリスが最速、フェルスタッペンとサインツが続く。角田は赤旗でアタックできず
F1スペインGP FP1:ノリスが最速、フェルスタッペンとサインツが続く。角田は赤旗でアタックできず
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第10戦分析】リヤウイングが一因か。セットアップを最適化できないまま戦い、アンダーステアに苦しみ19位
【角田裕毅F1第10戦分析】リヤウイングが一因か。セットアップを最適化できないまま戦い、アンダーステアに苦しみ19位
AUTOSPORT web
【F1第10戦無線レビュー】際どいチームメイトバトルで接触のフェラーリ勢「カルロスが閉めた」「僕の方が前だったのに」
【F1第10戦無線レビュー】際どいチームメイトバトルで接触のフェラーリ勢「カルロスが閉めた」「僕の方が前だったのに」
AUTOSPORT web
2024年F1第10戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第10戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
レッドブル&HRC密着:首位浮上でタイヤ選択の異なるノリスに対し有利な立場に。最速マシンでなくとも勝利を掴んだ王者
レッドブル&HRC密着:首位浮上でタイヤ選択の異なるノリスに対し有利な立場に。最速マシンでなくとも勝利を掴んだ王者
AUTOSPORT web
2024年F1第10戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第10戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
フェラーリ2台が接触。ルクレール、強引な追い越しを批判「事前の取り決めに背いた」サインツ「彼は文句が多すぎる」
フェラーリ2台が接触。ルクレール、強引な追い越しを批判「事前の取り決めに背いた」サインツ「彼は文句が多すぎる」
AUTOSPORT web
アストンマーティン育成クロフォードが今季初優勝。宮田莉朋は入賞ならず/FIA F2第6戦レース2
アストンマーティン育成クロフォードが今季初優勝。宮田莉朋は入賞ならず/FIA F2第6戦レース2
AUTOSPORT web
ノリスは悔しい2位「最速のマシンを持ちながら勝利を逃した。僕のスタートが完璧でなかったせい」/F1第10戦
ノリスは悔しい2位「最速のマシンを持ちながら勝利を逃した。僕のスタートが完璧でなかったせい」/F1第10戦
AUTOSPORT web
「高速のコース特性」が原因か。ルクレールとサインツがスペインGPの苦戦は上海に似ていると分析
「高速のコース特性」が原因か。ルクレールとサインツがスペインGPの苦戦は上海に似ていると分析
AUTOSPORT web
ハミルトン、今季初表彰台で18年連続の快挙。夢のスタートを決めたラッセル「2013年のアロンソみたい!」
ハミルトン、今季初表彰台で18年連続の快挙。夢のスタートを決めたラッセル「2013年のアロンソみたい!」
AUTOSPORT web
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
AUTOSPORT web
2戦連続で表彰台を獲得も、ライバルとの差は縮まっていないとメルセデスF1代表「それを埋めたら勝利を目指せるはず」
2戦連続で表彰台を獲得も、ライバルとの差は縮まっていないとメルセデスF1代表「それを埋めたら勝利を目指せるはず」
AUTOSPORT web
勝者フェルスタッペン「早々にラッセルを抜いたことが鍵。マクラーレンほど強くなかったが、全員でベストな仕事をした」
勝者フェルスタッペン「早々にラッセルを抜いたことが鍵。マクラーレンほど強くなかったが、全員でベストな仕事をした」
AUTOSPORT web
【F1第10戦決勝の要点】スペインGPでの2つの予想外。アストンマーティンの遅さとアルピーヌの健闘
【F1第10戦決勝の要点】スペインGPでの2つの予想外。アストンマーティンの遅さとアルピーヌの健闘
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村