■クルマがどんどん大きくなったのは「気のせい」ではない
最近発売される新型車には、大きく立派な見た目のクルマが多く存在します。コンパクトカーであっても、ミニバンのようなデザインを持つクルマが少なくありません。
高速道路の走行車線によって道幅が違う!? 片側3車線の真ん中が広くなっている理由とは
じつは大きく感じるのはユーザーの勘違いではなく、これまでの数十年間で本当に大きくなっています。道路の幅は変わらないのに、なぜクルマの幅が大きくなっているのでしょうか。
一般的に乗用車のフルモデルチェンジは5年から6年ほどですが、その度にクルマのサイズが大きくなる、といった印象を持っているユーザーも多いのではないでしょうか。
1960年代から1970年代ごろのクルマと現在のクルマを実際に並べてみると、大きさの差がはっきり分かります。例として、トヨタのロングセラー車である「カローラ」で見てみます。
1966年から1970年に発売された初代カローラのボディ寸法は、全長3845?×全幅1485?×全高1380?です。それに対して、2018年に登場した最新の「カローラスポーツ」は、全長4375?×全幅1790?×全高1480?。初代モデルと比べると、長さではなんと500mm、幅でも300mmも大きくなっています。
ちなみに、初代カローラと同じ時期のトヨタ最上級モデル「クラウン」が全長4665?×全幅1690?×全高1445?です。当時のフラッグシップモデルと比べても100mm車幅が広いということが、クルマの大型化の現実なのです。
また、こうした数値上だけの話ではなく、新旧のクルマは大きさ感の違いも大きいです。
新旧カローラを実車で比べると、ボディの容積がまったく異なります。初代カローラは前後と左右のガラス部分が大きく、全体的にボディの線は細めとなっています。一方、最新のカローラは全体的に肉厚なデザインで、ややポッチャリした印象を受ける人もいるのではないでしょうか。
ボディのポッチャリ感の主な理由は、衝突安全に対する規制をクリアするためです。車体の内部構造、そしてボディの外板設計による影響が大きいといえます。
また空気力学の観点からは、ボディ全体の形状がスムーズなラインとなることでポッチャリとした雰囲気が出てきます。昔のクルマが直線的なデザインだったものが、より曲面を強めるデザインに変わってきたのです。
どんどんサイズアップしていく最近のクルマですが、大きくなっても車重が重くならないための工夫が施されています。材料の軽量化や車体構造の適正化を行い、燃費への影響を最小限に食い止めているのです。
こうしたクルマの大型化について、大手自動車メーカーの商品企画担当部門の担当者は「衝突対応などはもちろんあるが、車内の空間をより大きくして快適性を上げるため、結果的にクルマが大きくなった」と、これまでの経緯を振り返っています。
■道の広さはあまり変わっていない
こうしてクルマが大型化している傾向にある一方で、クルマが走る道の幅は昔と変わらないという場合がほとんどです。そうであれば当然、ドライバーから見て道は狭く感じられます。
たとえば、古い街道沿いで家が道路すれすれにあるような場合、道の狭さを感じながら運転することになります。そうした状況で歩行者や自転車を避ける際、クルマはセンターライン寄りで走ることになりますが、その場合は対向車とのすれ違いがギリギリとなることは避けられません。
大型化することの弊害は、駐車場でも起きてしまっています。クルマが大きくなったことで、ドライバーは知らないうちに運転しづらい環境を強いられているといえるのです。
では、道路の幅をもっと広げることはできないのでしょうか。
道路の幅は、幅員(ふくいん)といいます。国には車道に関する既定があり、そこで決められている交通量や車線の数などを基にした区分によって、幅員は定められています。
1車線あたりでみると、幅員は基本的に3500mm。最大3750mmで、最小2750mmとしています。
つまり、前述した現行カローラスポーツは全幅1790mmですから、幅員3500mmの道路に対してクルマの横幅が占める割合は5割を超える結果となりました。
こうしたなかで、警視庁は幅員が広い方が歩行者や自転車の死傷事故割合が減少するというデータを発表しています。
それによると、片側相互通行の車道全体の幅員が5500mm未満では、自転車が45.3%と最も多く、クルマが23.9%、歩行者が16.5%と続きます。一方、幅員が5500mm以上の場合はクルマが49.2%となり、自転車が23.4%、歩行者が11.5%まで低下するのです。
しかし、道路側には道路側の事情がありますから、決められているものをすぐに変えるわけにはいきません。法規制についても、国土交通省のなかで旧建設省系の「道路局」が担当している一方で、それとは別に旧運輸省系の「自動車局」も存在するというのが実情です。
また、歩行者事故を含む自動車事故全般とクルマの大型化の因果関係を考えることについては、国や地方自治体、そして自動車メーカーにおいても盛んにおこなわれているとはいえません。
ブレーキ性能を含めた車両性能が向上し、いわゆる衝突被害軽減ブレーキを搭載したクルマも増えている昨今。技術革新による安全対策が進んでいることは確かですが、道とクルマの大きさの関係について議論することが求められています。
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