現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > VWの新型「ポロ」は「ゴルフ」にどこまで近づいた?

ここから本文です

VWの新型「ポロ」は「ゴルフ」にどこまで近づいた?

掲載 6
VWの新型「ポロ」は「ゴルフ」にどこまで近づいた?

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 フォルクスワーゲン「ポロ」にマイナーチェンジが施された。全長が10~25mm延びたほか、新しいラジエーターグリルとLEDマトリックス化されたヘッドライト類がルックスを引き締めている。内容として最も大きな進化は、運転支援機能をアップデイトしたことだろう。上級の「ゴルフ」や「アルテオン」「ティグアン」などに装備されている「Travel Assist」が採用された。

かなりお買い得!?高い走破性を追求したジープ・コンパスの限定モデル「Longitude 4×4」

 ACC(アダプティブクルーズコントール)とLKA(レーンキーピングアシスト)をステアリングホイール上のボタン操作によって働かせられる。Travel Assistは実際に使ってみると、設定と作動ONにいたるまでの操作が簡単でわかりやすいのがいい。高速道路や自動車専用道での長距離走行や渋滞時などの安全性確保とドライバーの負担軽減に大きな効能がある。

機械として優れているか? ★★★★★ 5.0(★5つが満点)

 エンジンもマイナーチェンジ前と同じ排気量ながらミラーサイクル化されたことによって最大トルクが1600回転から発生させることができるようになり、より使いやすく効率を高め、静粛性も向上した。「ポロ」のすべてのグレードのエンジンは、「ゴルフ」のActiveグレードのものと3気筒999ccと気筒数と排気量まで共通している。

 違いは、マイルドハイブリッド化の有無で「ゴルフ」の場合は電気モーターのアシストによって発進時や変速時のギクシャク感が払底されている。

 DSG(ダブルクラッチ)タイプのトランスミッションの宿命的な弱点をマイルドハイブリッド化によって巧みに消し去っているところに、「ゴルフ」の成熟が見られた。しかし、コストアップにつながるために「ポロ」では見送られたようだ。

 ただ「ポロ」の走りっぷりも「ゴルフ」を想起させる完成度の高さを見せていた。引き締まった乗り心地とフラットな姿勢を維持しながら、路面からのショックを柔軟に吸収していく様子は上質なものだ。正確なハンドリングも「ゴルフ」と変わらない。Travel Assistが採用されたことと併せ、走るクオリティーはクラス最上となった。

商品として魅力的か? ★★★★ 4.0(★5つが満点)

「ポロ」は、今回のマイナーチェンジでエンジンを除けば兄貴分である「ゴルフ」に準じた。エンジンとボディーサイズ以外は、もう“ほとんどゴルフ”と言えるだろう。しかし、もうひとつ「ゴルフ」に及んでいないところもあった。シフトレバーとサイドブレーキだ。

 どちらも、従来型の太くて長いものが用いられている。「ゴルフ」は短く小さなレバーとスイッチに変わった。もちろん、「ゴルフ」のほうがドライバーまわりの空間利用の自由度が大きい。

 また、インテリアがブラック一色だけなのも購買意欲を削いでしまうだろう。コンパクトカーはパーソナルな用途が多いのだから、車内は明るい方が楽しく使える。反対に、スポーティーなイメージを演出しているR-Lineこそ、グレーではなくブラック一色がふさわしいのではないだろうか?

 先代の「ポロ」は、ダッシュボードやドアパネルなどに鮮やかなボディーカラーを反転させていたのだから、惜しい。とはいえ、新型「ポロ」の完成度はとても高い。試乗したStyleは、車両価格324万5000円(税込)に「Discover Proパッケージ」オプション(15万4000円)が装備されていた。合計339万9000円は、格安というわけではなく、電動化こそ施されていないけれども、長く乗り続けられる内容と先進性を備えていることは間違いない。

■関連情報
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/polo.html

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

こんな記事も読まれています

完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
カー・アンド・ドライバー
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
くるまのニュース
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
くるまのニュース
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
Merkmal
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
AUTOSPORT web
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
AUTOSPORT web
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
ベストカーWeb
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

6件
  • ポロがゴルフに近付いたというかねぇ
    そろそろポロの次の低価格モデルが出てくるタイミングかな?
    という感じしかしないが。。。
  • デザインやサイズはこれでイイとして、機能をすべて盛り込んで欲しいものだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

286.2449.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.0448.0万円

中古車を検索
ポロの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

286.2449.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.0448.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村