「初代ユーノスロードスター(現マツダロードスター)」は、かつてのロータス「エラン」を彷彿させるライトウェイトスポーツカーとして1989年9月に販売開始された。
当時、国産車は日産「スカイラインR32GT-R」をはじめ、パワー競争が繰り広げられていたが、ロードスターはそういったモデルとは一線を画し、ドライバーが使い切れるパワーでクルマを自在に操る“人馬一体”を目指した2シータースポーツカーだ。
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このロードスターの大ヒットによって雨後の竹の子のように各自動車メーカーから2シータースポーツカーが登場したものの、30年を超えた現在でも販売されているのはブームを築いたロードスターだけだ。
今回は、2シーターオープンカーブームの火付け役となった初代ロードスターから数えて、4代目にあたる現行型マツダ「ロードスター/ロードスターRF」の中古車事情について紹介しよう。
文/萩原文博
写真/編集部、MAZDA
【画像ギャラリー】一度は乗ってみたいオープンスポーツ「ロードスター」の現行型をもう一度詳しく!
■原点回帰で”人馬一体”をさらに追及した現行型ロードスター
ND型と呼ばれる現行型ロードスターは2015年5月に販売開始された。先代モデルが「RX-8」と共通のプラットフォームとなり、ボディサイズが大型化しロードスター本来の魅力が希薄となった。その反省から現行型ロードスターはライトウェイトスポーツへと原点回帰した。
2015年発売の現行型ロードスター。全長×全幅×全高は3915×1735×1235mm。原点回帰を志し、ボディサイズ・エンジン排気量ともに小型化。2018年7月の商品改良で、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」の標準装備化
ボディに使用する素材にもこだわりアルミニウムや超高張力鋼板などを積極的に使用。高いボディ剛性と軽量化を両立させたことで、ソフトトップのベーシックグレードSの車両重傷は1トンを切る990kgを実現し、マツダが掲げる「人馬一体」のドライブフィールを達成した。
外観デザインは、マツダ車共通のデザインテーマである「魂動-ソールオブモーション」を採用。贅肉がそぎ落とされたアスリートのようなボディは実用性もしっかりと確保され、トランクは機内持ち込み可能なスーツケースが2個積める容量を確保し実用性の高さが特徴となっている。
そして、2016年11月には電動開閉式ルーフを採用した「RF」を追加。約13秒で開閉できるルーフは、オープン時でもトランク容量が変わらないように収納できるなど徹底的に実用性にこだわっているのが特徴だ。
(リトラクタブル)ハードトップ版のロードスターRF。2018年7月の商品改良で、搭載する2Lエンジン「SKYACTIV-G 2.0」の最高回転数を6800rpmから7500rpm、最高出力 +26ps (184ps)、最大トルク +0.5kgm(20.9kgm)に向上させた
インテリアはドライバーが運転集中できるように計器類の配置やペダルの位置まで細部にわたって設計されており、ライバーがシートに座ると自然な位置にペダルやハンドルそしてシフトがレイアウトされ、ドライバーとクルマが一体化できるコクピットとなっている。
搭載されているエンジンはソフトトップ車が最高出力132ps、最大トルク15.5kgm(152Nm)を発生する1.5L直列4気筒DOHC。一方のRFには最高出力158ps、最大トルク20.4kgm(200Nm)を発生する2L直列4気筒DOHCエンジンと異なる。
さらにRFの2Lエンジンは2018年6月に変更され、最高回転を7500rpmに引き上げられ、最高出力は184ps、最大トルクは20.9kgm(205Nm)へと向上されている。組み合わされているトランスミッションは両エンジンともに6速MTと6速ATで、駆動方式はFR(後輪駆動)のみだ。それでは、最新のロードスター/ロードスターRFの中古車相場をチェックしてみよう。
■ソフトトップもRFも買い時!
まずは、ソフトトップのロードスターから。現行型ロードスターの中古車の流通台数は約370台。3カ月前の年始の時点では約400台だったので、減少傾向となっている。中古車の平均走行距離は3カ月前の時点が約1.5万kmで、現在は2万kmまで延びており、この動きにリンクするかのように平均価格は約222万円から約208万円へとわずか3カ月で14万円という大幅な値落ちを記録している。
現行型ロードスターの中古車の価格帯は約120万~約310万円で、100万円以下の中古車はなく、その一方で280万円以上というプライスが付いたクルマの走行距離は1000km以下のおろしたて中古車が中心だ。
こちらの写真をクリックすると「ロードスター(ND型)」の中古車情報が見られます!
グレード構成は、デビュー当初から販売されている「15S スペシャルパッケージ」が約54.7%を占めており圧倒的。次いで「1.5Sレザーパッケージ」、「1.5RS」と続き、キャラメルトップやシルバートップという特別仕様車は非常に少ない。また、モータースポーツ参戦用モデルの「NR-A」も11台流通していて、価格帯は約169万~約240万円となっている。
2017年10月に発売された特別仕様車「レッドトップ」。このほかにも、2018年7月に「キャラメルトップ」、2019年11月にグレー色の幌を採用した「シルバートップ」といった特別仕様車を発売している
一方のロードスターRFの中古車の流通台数は現在約140台で、3カ月前は約200台も流通していたので、ソフトトップ車以上に減少傾向が顕著となっている。
中古車の平均走行距離は3カ月前の約8000kmから現在は約1万4000kmと大幅に延長され、その影響で、中古車の平均価格は3カ月前の約277万円から現在は約255万円へとわずか3カ月で22万円という暴落ともいえる値落ち幅を記録している。つまり現行型ロードスターはソフトトップ、RFともに値落ちしていて、今が買い時と言える状況なのだ。
こちらの写真をクリックすると「ロードスターRF」の中古車情報が見られます!
ロードスターRFの中古車の価格帯は約140万~約600万円で、まだ150万円を切る中古車はまだ少なめだ。一方500万円を超える高価格車は2019年に発売された特別仕様車の30周年記念車の中古車となっている。
グレード構成は「2.0VS」が約92台と最も多く、ほぼ66.7%を占めている。しかしMT車はわずか13台とかなり少ない。続いて多いのは約26台の「RS」だが、こちらはすべてMT車なので、RFのMT車の購入を考えているのならば、RSのほうが探しやすいと言える。
コロナウィルスの影響で、外出が自粛されているが、解禁となった時にはロードスターでオープンエアを満喫すれば、最高の気分になるのは間違いないだろう。それまで、じっくりとクルマ探しに専念し思いを巡らせてもらいたい。
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みんなのコメント
海外は排気量選択出来るのに国内は何故に出来ない?
NC格安で速いけどMR-Sより部品少ない(汗)
1.5も楽しいけど慣れてきた時に辛い。