■内外装の質感と安全性が向上した「クラウン」
トヨタは、一部改良した新型「クラウン」を2020年11月2日に発売しました。国産高級セダンの代名詞といえるクラウンですが、内装を中心にアップデートされ、魅力が高まっています。
一方、同じ高級セダン市場には日産「スカイライン」も存在。両車はFRを採用していることや、長い歴史を持つという点で共通することから、それぞれの特徴を比較していきます。
クラウンは、初代モデルが1955年に登場。65年もの長い期間にわたって、トヨタを代表する高級車という立ち位置を守り続けてきました。現在販売されているモデルは15代目です。
一方、初代スカイラインは1957年に富士精密工業(のちに日産に吸収合併されるプリンス自動車の前身)から登場。現在販売されているモデルは13代目です。
海外では日産が展開する高級ブランドのインフィニティから「Q50」として販売されています。
15代目として2度目の一部改良を受けたクラウンのボディサイズは、全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mm-1465mmです。
一方、2019年のマイナーチェンジの際に、高度運転支援装備「プロパイロット2.0」の搭載が話題となったスカイラインのボディサイズは全長4810mm×全幅1820mm×全高1440mm-1450mmと、クラウンより全長が90mm短いです。
ちなみに、日産にはスカイラインと同じ「FR-Lプラットフォーム」を使う高級セダンとして「フーガ」が存在し、こちらは全長4980mm×全幅1845mm×全高1500-1515mm。クラウンの全長はスカイラインとフーガの間に位置します。
クラウンの外装は、今回の一部改良で大きな変化はなかったものの、FRらしさを高めるロングノーズのプロポーションと、6ライトウィンドウの採用による伸びやかなサイドシルエットは、歴代モデルのなかでもトップクラスのスタイリッシュさです。
一部改良で、プレシャスホワイトパール、プレシャスメタル、そして同社の4WDスポーツモデル「GRヤリス」にも設定されるエモーショナルレッドIIの3色が新たなボディカラーとして採用されました。
一方13代目スカイラインは、発売当初はインフィニティのエンブレムが装着され、2019年のマイナーチェンジで日産のエンブレムに変更されるという珍しい経緯があります。
フロントの日産共通デザイン「Vモーショングリル」は同社のスーパースポーツモデル「GT-R」との共通性も感じさせるほか、FRらしい躍動感と前傾姿勢を強調したサイドビューが、スポーティさを演出します。
■クラウンとスカイライン 最高出力が高いのはどっち?
クラウンは一部改良でインパネに設置されるディスプレイが進化。12.3インチのワイドディスプレイはスイッチとタッチでの操作が可能で、先進的な雰囲気と使いやすさを両立しています。
内装は適度に囲まれたコックピットと開放感の両立により、運転に集中できる居心地の良い空間としています。
スカイラインの内装は、8インチと7インチのダブルディスプレイが採用されているのが特徴です。上下に別の情報を映し出すことで効率よく操作できます。
クラウンに搭載されるパワートレインは3種類で、2.5リッター直列4気筒+モーターのハイブリッドと、3.5リッターV型6気筒+モーターのハイブリッド、そして2リッターターボです。2.5リッターハイブリッドのみFRのほかに4WDを選択できます。
スカイラインに搭載されるパワートレインは、3リッターV型6気筒ツインターボエンジンと、3.5リッターV型6気筒+モーターのハイブリッドの2種類です。
ターボモデルは馬力違いでふたつの仕様があり、スカイライン史上最強の「400R」では、405馬力まで強化されています。
ちなみに、クラウンでもっとも最高出力が高いのは、3.5リッターハイブリッドのシステムで最高出力359馬力です。
安全性能について見ると、クラウンは一部改良で予防安全性能を強化。
トヨタ初搭載の装備として、体調急変などでドライバーの無操作状態が継続している場合、徐々にクルマを減速させ自車線内に停車する「ドライバー異常時対応システム」や、クルーズコントロール使用時にAI技術により前方カーブの大きさを推定しステアリングの切り始めから速度抑制する「カーブ速度抑制機能」などが搭載されました。
また、歩行者検知(昼夜)および自転車運転者検知(昼)をおこなう衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」が対応する事故形態を拡大。
交差点右折時の対向直進車、ならびに右左折時の対向方向から横断してきた歩行者の検知や、「低速時加速抑制機能」、「緊急時操舵回避支援機能」が追加されています。
一方スカイラインは、高速道路上の走行をナビ連動でサポートするプロパイロット2.0をハイブリッド車に世界初搭載。一定の条件下で手放し運転も可能となります。
プロパイロット2.0専用の装備として、インパネ上部の赤外線カメラでドライバーの顔を検出し、前方を注視していないと判断した場合に警報を発する「ドライバーモニター」を装備。
反応がない場合は、減速・停止し、「プロパイロット緊急停止時SOSコール」で、緊急通報センターに音声接続し、必要に応じて緊急車両が駆けつけます。
衝突被害軽減ブレーキは、ハイブリッドモデルはクルマと歩行者を検知し、ターボモデルはクルマのみ検知します。
※ ※ ※
一部改良を受けたクラウンの価格(消費税込)は489万9000円から739万3000円です。一方、スカイラインの価格は435万3800円から644万4900円に設定されています。
両車ともに日本を代表する高級FRセダンですが、予防安全装備をはじめとした先進機能にも、磨きがかかっているようです。
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事実ならば残念です。