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29歳、フェラーリを買う──Vol.90 UVERworld・真太郎さんとの出会い(後編)

掲載 更新 8
29歳、フェラーリを買う──Vol.90 UVERworld・真太郎さんとの出会い(後編)

『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、6人組ロックバンド「UVERworld」でドラムを担当する真太郎さんと偶然知り合ったお話の後編。

控えめな348を求む!

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友人を介して知り合った真太郎さんは、6人組ロックバンド「UVERworld」でドラムを担当する。大のクルマ好きであることはあまり知られていない。ボクの連載を読んでいたのも、「348」の購入を検討していたからという。

前話:Vol.89 UVERworld・真太郎さんとの出会い(前編)

とはいえ、最初に気になったフェラーリは「テスタロッサ」だった。きっかけはマイケル・ジョーダンがかつて、黒のテスタロッサを所有していたからだ。真太郎さんが20歳頃の話である。

が、それからずっとフェラーリに憧れ続けていた、というわけではないそうだ。約2年前に偶然、インターネットで348にかんする記事を読んだとき、急にマイケル・ジョーダン×黒のテスタロッサの写真を思い出したそうだ。

「それから急に348が気になりはじめたんです。テスタロッサにスタイルが似ているじゃないですか?」
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それから348を探すものの、理想のモデルは見つかっていないという。

「買うなら“控えめ”な348がイイ。フェラーリといえば“赤”のイメージですが、赤以外が希望なんです。ガッキーの360モデナのような濃紺のボディに、タンのインテリアの組み合わせとかが好ましいですね。でも、そんな控えめな348ってなかなか中古市場に流通しません」
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理想の348を探すべくインターネットで検索していたとき、わが連載に辿り着いたという。“29歳、フェラーリを買う”というタイトルに引かれたそうだ。

「どんな人なんだろうなぁ~と、想像しながら読んでいました。それが、まさかガッキーだったとは(笑)」

ちなみに、ガッキーとはボクの愛称である。理由は簡単で、苗字がイナガキだからだ。

ダッヂ・ラムからプリウスへ乗り換えた過去

ちなみに真太郎さんは現在、メルセデス・ベンツの旧型「Gクラス」に乗っている。すでに7年ほど乗っているそうだ。オフロード用タイヤに換装するなど、内外装はカスタマイズしている。
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「Gクラスの前は先代のトヨタ『プリウス』に乗っていました」

なぜ、プリウスだったのか? 訊くと、2011年3月11日に発生した東日本大震災がきっかけだったそうだ。
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「プリウスの前はダッヂ『ラム』に乗っていました。震災の前こそ、燃費の悪さは気にならなかったのですが、震災発生後、都心部のガソリン・スタンドで給油量制限が始まると仕事にも支障が出るようになってしまい……。燃費を優先し、すぐにプリウスへ乗り換えました。約1年、乗りましたね。アルミホイールをブラックにしたぐらいで、あとはノーマルのままでした」

ダッヂ・ラムとは、日本未導入のピックアップ・トラックだ。全長が6mを超えるグレードもラインナップするなど、日本では考えられないスケールである。

「ダッヂ・ラムを自ら運転し、ライブツアーにも行っていました。そういえば、駐車場は2台分借りていましたね。1台じゃ、ボディが収まらなかったんです。購入した2000年代はダッヂ『チャージャー』とか、アメ車に勢いがありましたよね」

購入したダッヂ・ラムは、「ヴァイパー」用の8.3リッターV型10気筒ガソリン・エンジンを搭載する「SRT-10」というモンスター・マシンだった。「SRT-10、面白そうじゃん! と、気になったので、カリフォルニアで探してもらい、日本へ輸入しました」とのこと。

ダッヂ・ラムからプリウス、そしてGクラスという車歴はユニークかもしれない。真太郎さんが、最初に乗ったクルマとは?

74万円で購入したランクル

「実家にあったスズキの『ワゴンR』です。東京に進出してからは、機材車のトヨタ『ハイエース』、シボレー『アストロ』を乗り継ぎました」

機材車の2台は、バンドの所有車だった。当時はよく真太郎さんが運転していたそうだ。
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「マイカーとして初めて購入したのはトヨタ『ランドクルーザー』(60系)の中古です。5ドアのモデルで、グレードは最上級。価格は74万円でした」

訊くと、真太郎さんのご尊父が、かつて60系のランドクルーザーに乗っていたそうだ。「そのときの印象が強く残っていたんでしょうね」と、話す。

「たしか杉並区にある学校の学園祭に出演するため、“環七”を走っていたとき、偶然見つけたんです。見かけた瞬間、懐かしさがこみあがり、すぐに購入を決めました」

このランドクルーザーのあと、ダッヂ・ラムに乗り換える。「もともとピックアップ・トラックが好きでした。あとは、トヨタ『タコマ』のローライダーとかにも憧れていましたね。それで、ラムを購入しました」。

気になるローマ

真太郎さんはラムからプリウスを経て、Gクラスに行き着く。Gクラスの魅力は? 「サイズがちょうどいいですね。新型は大きくなってしまったので、なおのこと旧型が魅力です」とのこと。

Gクラスとは別に、フォルクスワーゲン「タイプ1」や、メルセデス・ベンツ「280CE」(C123)などの旧車も同時に所有していたそうだ。ゆえに、古いクルマにはそれなりに慣れているという。それでもフェラーリは未知数らしい。

が、フェラーリへの憧れは変わらないという。もし買うなら348が第1候補だ。

「テスタロッサへの憧れはあるものの、全体のバランスでは348が好みです。テスタロッサの“重厚感”に対して、348は“ライト”じゃないですか? この軽さが好きなんです」

最新モデルなら「ローマ」が気になるそうだ。「ミドシップのフェラーリに比べればボディは大きいけれども、デザインは美しいし、4人乗りで実用性も高い。それでいて、超高性能ですから文句のつけようがないですね」と、話す。

ローマが気になるのはボクとおなじだ。が、真太郎さんはなにがなんでもフェラーリ! というわけではないそうで、「欲しいクルマはいっぱいありますよ(笑)」と、笑う。たとえばポルシェは、最新の992も気になるし、空冷時代の964も気になるそうだ。

「ポルシェはポルシェで、フェラーリとは違った魅力があるので気になります。ほかのクルマですか? テスラも気になりますよ」

インタビューのつもりが、終盤になるとクルマ好き同士の雑談になってしまった。もっとも、それが楽しかったりもする。
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フェラーリを購入した結果、真太郎さんと出会えたのだから、360モデナには感謝しかない。先日取材した佐々木さん夫妻や夏樹陽子さん、杏里さんともフェラーリがなければ出会うことはなかっただろう。フェラーリによって、出会いの機会は大きく増えた。

「それって、編集者だからでしょ?」とか「役得でしょ?」といった声もある。が、フェラーリを購入し、ツーリング・クラブやディーラー主催のイベントなどに参加し、友人・知人が増えた人は少なくないようだ。それによって、カーライフも充実しているとのこと。

やっぱりフェラーリは、日々の生活を豊かにする、すばらしい“スパイス”なのかもしれない。真太郎さんとの出会いを振り返り、あらためて思った。

【プロフィール】
真太郎(しんたろう)。6人組ロックバンド「UVERworld」でドラムを担当する。

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【撮影協力】
ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜

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