Google LLC(以下Google)は9月23日(現地時間)に車載向けコネクテットサービスの領域でホンダと新たなビジネスを展開していくことを発表した。
ネットの世界の巨人ともいえるGoogleと手を結ぶことで、ホンダは新たなアドバンテージを得ることができるのだろうか?
日本で初めてミキサー車を開発したのは、スカイラインの父・桜井眞一郎である!って本当?
またすでに自動車業界における車載システムとしておいてメジャーな存在とも言える「Android Auto」ではあるが、今回の提携により、ユーザーはどのようなメリットを得ることができるのかに迫る。
文/高山正寛
写真/HONDA、TOYOTA、SUBARU、Volkswagen、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】クルマでググる時代が来るのか!? Googleとホンダの提携 そしてGoogleが目指す次の領域とは
■徐々に存在感を増してきたAndroid Auto
近年の車載ユニットは「CarPlay」と「Android Auto」の双方に対応している。写真のスバル レヴォーグも両方に対応し、スマホアプリを大画面で使用できる
現在「スマホを接続し活用する車載システム」として二強として位置するのがAppleの「CarPlay」とGoogleの「Android Auto」だ。この他にも国内ではトヨタを中心にグローバルでも展開するSDL(スマートデバイスリンク)やスマホの画面を直接表示する「MirrorLink」などもある。
ただ車載側がどの方式に対応しているか、で考えるとやはり「CarPlay」と「Android Auto」の存在感は圧倒的である。
現在、車載側のユニットはどちらか、ということではなく、両方式に対応しているのがほとんど。ゆえにユーザー側は自らが所有する携帯電話によりシステムの利用を委ねることになる。
■日本ではこれまで有利だったCarPlay
iPhoneの人気からCarPlayの強さが目立っていた日本市場だが、Android Autoがサードパーティのナビアプリを対応させたことによってシェアを増やしつつある
携帯電話のシェア=車載システムのシェアというわけではないが、日本国内に関しては現状ではCarPlayの強さが目立つ。もちろん日本でのiOS機器の販売好調がそれを後押ししているが、CarPlayの場合はサードパーティ製のアプリ、特にカーナビのアプリが使えることが大きかった。
またCarPlayには「ワイヤレスCarPlay」という規格もあり、対応車種とWi-Fi接続することでケーブルで接続すること無く、iPhoneをカバンなどの中に入れたままでCarPlayが(普通に)使える機能へのアップデートなど利便性を向上させている。
一方のAndroid Autoの場合はナビ機能に関しては自社のGoogleマップをベースとしたアプリのみだったこともあり、その点では苦戦していたが、すでに2021年4月15日にサードパーティ製のカーナビ系アプリをAndroid Autoに対応させたことで、これまでの不便さは徐々に改善しつつある。
■実は歴史の長いホンダとGoogleとの関係
2016年登場のホンダ アコードから「Android Auto」を搭載するなど、実はホンダとGoogleの関係は長く深い
今回、ホンダの発表によれば「2022年後半に北米で発売する新型車に搭載を開始し、順次グローバルに展開する」とのことだ。
また2015年からAndroidプラットフォームの自動車への参入に協力することで、2016年発売のアコードから「Android Auto」の搭載を実現するなど、ホンダとGoogleの関係は(特に北米では)関係が深い。
新サービスでは従来同様に「Googleアシスタント」を使うことでステアリングから手を離さず音声のみで各種操作を完結できる。
また重要なカーナビ機能に関しても「Googleマップ」を統合することでスマホで使っていたGoogleマップの登録データなどもそのまま使用できる。もちろん「ググる」ことに関しては世界トップレベルゆえに、ガソリンスタンドやEV充電スタンドの検索、店舗の営業時間などの情報も活用できる。
■もはやスマホは必要無くなるのか?
2012年にはEV版のフィットをGoogle本社に納入。ホンダとGoogleの関係を考えると、「Android Automotive OS」のホンダ車への搭載も遠くないかもしれない
ここまで読んでも「今までのAndroid Autoと何が違うのかわからない」という声も聞こえてきそうだ。
実はホンダ自体はまだ未発表だが、Googleはスマホをディスプレイオーディオなどの車載機器に接続して使う従来までの「Android Auto」から次のステップに向かっている。
その正体が「Android Automotive OS」と呼ばれる仕組みである。簡単に言えば、従来までのスマホに組み込まれていたOS自体を車載機器側に組み込む考えである。
これを使うためには当然車載側に通信モジュールなどが必要となってくるが、もはや昨今のインフォテインメントシステムには通信は標準装備化しつつある。
つまり、スマホをいちいち接続するのではなく「スマホ不要でGoogleのサービスがワンストップで使える」点が最大のポイントとなる。
■新OSを組み込んだ車種はすでに発売されていた!
ボルボ XC60にはすでに「Google Apps and Services」という名称で、Googleの新システムが搭載されている
「Android Automotive OS」を使うことでこれまでスマホ側で行っていたGoogleの各種サービスが使えることは前述した通りだが、実際は車両で使うことを想定したUI(ユーザー・インターフェース)の策定や、対応するアプリの仕様も変更されるはずだ。
またGoogleはアプリを購入しインストールできる「Google Play」を展開しているが、今後は「Android Automotive OS」向けの専用アプリもリリースされるはずだ。
今回のホンダの発表は確かに期待できる部分は多いのだが、実はすでに国内ではこのシステムを搭載した車両が発売を開始している。
それが9月1日に発売開始したボルボ「XC60」「S90」「V90」「V90クロスカントリー」だ。
元々ボルボは2017年5月にGoogleと提携を行っており、日本未導入のXC40リチャージに新システムを搭載している。
ボルボは新システムを「Google Apps and Services (Google アプリ/サービス)」と呼び、Googleマップを活用したカーナビシステムや、音声操作システム(但し2021年末以降から利用可能)、もちろんGoogle Playも使うことができる。
同時にこれまでボルボ車に搭載されていなかった通信機能に関しても「Volvo Cars app(テレマティクス・サービス/ボルボ・カーズ・アプリ)」を採用することで緊急通報サービスやエンジンリモートスタート機能、またセキュリティ面でも盗難車両の検索機能なども使えることになる。
■Googleの世界戦略に要注目!
依然大きなシェアを持つCarPlayと、Android Autoに加えて新システムで攻勢をかけるGoogleに対し、独自の道を歩むトヨタがどう動くかにも注目だ
ではこのシステムの将来性などはどうなのか?まず基本システムが標準化されることでGoogleとしてはグローバルでのビジネスをさらに加速することができるし、自動車メーカー側は進化の早いIoT領域での投資額を減らす(自社開発費の低減という意味で)ことができる。
一方、ユーザーとしてはGoogleだけでなく、優れたサードパーティが開発したアプリの活用やリアルタイムによるアップデートなどを体感することができるわけだ。
この他にもアウディや早い時期からアナウンスをしていたルノー・日産・三菱連合もこれに追随することになるが、これまでスマホありきであった車載インフォテインメントシステムは一気に加速するのではないだろうか。
まさに恐るべしGoogle、あとは独自の道を歩むトヨタがどう動くか、その部分も注目である。
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