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【詳細データテスト】アルピーヌA110 標準車+αのパワーと足回り より高速向き 高まった満足度

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【詳細データテスト】アルピーヌA110 標準車+αのパワーと足回り より高速向き 高まった満足度

はじめに

スポーツカーのライフサイクル全体を、過去から未来まできっちり把握するのはめったにないことだ。しかし、すでにアルピーヌA110についてはそれがわかっている。

【画像】アルピーヌA110とライバル 全15枚

すなわち、欧州市場で最初の1台がデリバリーされたのは2017年で、2024年の早いタイミングには生産を終了する予定だ。生産を行なっている仏ディエップ工場は、それ以降、アルピーヌのまったく新しい電動モデル群を製造することになっている。

A110後継モデルとなるEVは、ロータスと共同で開発中。さらには、電動ハッチバックであるルノー5のハイパフォーマンス版や、やや大きめのクロスオーバークーペEVも計画されている。そのうちのどれかはディエップ産となるが、すべてがそうなると決まっているわけではない。ほぼ確実なのは、もはや将来のディエップに、内燃エンジン車のために割かれるスペースはないということだ。

ピストンで動くA110の終焉まで、カウントダウンはすでにはじまっている。すでに多くのスペシャルエディションが投入されており、さらにはカップ/GT4/ラリーと、モータースポーツ仕様のハットトリックも決めている。マイナーチェンジ版の発売も目前だ。

そんな中、われわれはこのロードテストで原則的に守ってきたルールを曲げ、旧型になろうとしているモデルの限定車を俎上に載せることとした。それは、これがマイナーチェンジ前においてもっとも完成度の高い仕様だと思われるからだ。今回のテスト車両は、A110レジャンドGTである。

日本市場ではリネージGT2021として販売されたこれは、いうなればキメラのようなモデルだ。中間グレードであるレジャンドの、ソフトなセッティングのシャシーに、サーキット走行も視野に入れた上級グレードであるSの292psエンジンやブレーキ、スポーツエキゾーストを搭載しているのである。

逆にいえば、A110Sから、ハードなサスペンションやレーシーな装備を排除し、よりシンプルで乗りやすく仕上げた仕様だともいえる。この限定車こそ、過去4年にわたりすばらしく光るものの片鱗を見せてきたスポーツカーの完成形ではないかとわれわれは考えるのだが、はたしてそれが正しい見解なのか、検証していこう。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

アルピーヌA110は登場から2年間、メカニズムにほとんど変化のない時期が続いた。大きく変わったのは2019年終盤だ。このとき、強化版のSグレードが追加された。また、英国ではエントリーグレードのピュアが17インチホイールを履き、その車両重量が1100kgを切った。

基本構造はモノコックで、96%がアルミ素材。ボディパネルやダブルウィッシュボーンサスペンションの部材もアルミだ。エンジンはルノー−日産の軽量なM5R型1798cc直4ターボで、メガーヌR.S.用のチューニング違いとなる。搭載位置はリアミドシップで、クランクシャフトは横向き。トランスミッションは7速DCTで、オープンデフを介して後輪を駆動する。

価格は6万ポンド(約930万円)を超えるが、それを正当化する装備はどのようなものか。まずは、ややラグジュアリーさを増したインテリアが挙げられる。次に、限定車用のシリアルナンバー付きプレート、そして、もっとも重要なのが増強されたパワーとパフォーマンスだ。

同じくマイナーチェンジ前の中間グレードである、2021年型レジャンドであれば、レジャンドGTのツーリング性能や便利さを担保する装備はほとんどが手に入る。6ウェイ電動調整式コンフォートシート、駐車センサー、バックカメラ、フォーカル製軽量オーディオ、アルミペダル、さらによりリッチなレザー内装が標準装備だ。

オプションでは、320mmディスクと4ポットキャリパーのブレンボ製ブレーキシステムや、レジャンドGTとSに備わるアクティブスポーツエキゾースト、レジャンドGTの標準色であるアビスブルーのボディ塗装を追加できる。すべて追加しても5万6000ポンド(約868万円)を切る。

ホイールはどちらも18インチで、タイヤサイズも同じだ。しかし、レジャンドGTには2トーン仕上げの専用ホイールが用意される。そしてSと同仕様のエンジンも、オプション選択はできない。標準仕様よりパワフルなばかりではなく、より高い回転数まで回り、トルクバンドが広くなっている。

ホイール以外にも、外観には限定車だけのデザインがいくつか見られる。通常はシルバーの車名ロゴなどがペールゴールドで彩られ、ブレーキキャリパーはゴールド、テールライトはクリアタイプを採用した。室内では、アンバー色のレザーと、ディナミカスウェードのヘッドライニングが標準装備される。

とはいえ、違いはそれだけ、ともいえる。5500ポンド(約85万円)の価格差に対する見返りとしては、エンジンがアップグレードしているぶんを差し引いても物足りない。テスト車はマットカラーのマーキュリーシルバーで塗装されているが、これは2000ポンド(約31万円)のオプションで、内装色はアンバーではなくブラックとの組み合わせになる。

シートヒーターが必要なら、さらに420ポンド(約6.5万円)上乗せしなくてはならない。高級ツアラーとしてのA110を求めるなら、装備の充実度で満点をつけることはできない。もっとも、そのおかげで軽量さが保たれているともいえるのだが。

テスト車はオプション満載だが、それでも実測値が1150kgを切る。2018年5月に計測した最初期モデルのA110と比べても、15kgの増加にとどまっている。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

もしも日常使いしやすいことを理由にレジャンドグレードを選んだひとならば、レジャンドGTの室内にそれほど多くの違いを見出せないだろう。マーキュリーシルバーのテスト車は、ブラックのレザーにグレーのステッチが入った、通常モデルのレジャンドと同じコンフォートシートが装着されているからだ。

また、ボディ同色のドアパネル上部も、艶のあるカーボンのデコレーションも、これ以外の仕様のA110でおなじみ。違いといえば、特別なシルプレートと、センタースタックの付け根に据え付けられたシリアルナンバー入りのプレートくらいだ。どうみても、このインテリアに新鮮さや明確な違いは見出せない。

とはいえ、座るとしっくりくるサベルト製の電動コンフォートシートに文句はない。よくできた形状で、ランバーサポートやクッション長のアジャストはないのだが、それでも長距離乗っていてさえ快適に身体を支えてくれる。

運転姿勢をとると、主要な操縦系の配置は上々だ。ただし、二次的な操作系は、そこまでうまくレイアウトされていない。2017年のデビュー当時からかなり否定的な意見が寄せられているのが、シフトパドルをステアリングコラムに設置したことだが、そこはいまだに変更される気配がない。しかも、オーディオリモコンを避けるために上のほうへずらされているので、自然に指を伸ばしても届きにくい。

ワイパーとウインカーを操作するコラムレバーのデザインについても、再考されてはいなかった。レバーの先、表示がプリントされたところも回して操作する部分も、ちょうどステアリングリムに隠れてしまうくらいの長さなので、ヘッドライトを点けっぱなしにしていないか確認するには、首を曲げてのぞき込まなくてはいけないのだ。

デジタルメーターは明るいが、鮮明さにかけるので、やや古臭い感じがする。タッチ画面式のインフォテインメントシステムも同様で、さらにはややわかりにくいところもあるが、必要とあれば有益な情報を数多く提供してくれるのはありがたい。それについては、後ほど詳しく説明しよう。

積載面の実用性は、ポルシェ・ケイマンに容量で後れをとるが、これほどコンパクトなスポーツカーとしてはなかなかの健闘ぶりだ。リアにはヘルメットふたつ、もしくはふたり分の大きなバッグを詰め込める。フロントにも買い物やあまりかさばらないバッグは入るし、オプションの専用キャリーケースならふたつ収まる。

しかし、フロントトランクは、リモコンキーで車外から開けられないのがちょっと不便。また、大きいスーツケースを載せようと思ったら、助手席の足元以外にスペースはない。

しかし、それよりも日常的に不便を感じそうなのがセンターコンソールの設計だ。ドリンクホルダーの使い勝手を改善するか、まっとうなセンターアームレストを設置するか、できればその両方を望みたいところだ。そうは言っても、スポーツカーのコクピットとしてはかなり快適で、実用性は平均レベルに達している。

走り ★★★★★★★★☆☆

A110の走りに弱点があるとすれば、それはおそらく1.8Lターボエンジンに起因するものだろう。ドッカンターボで、レスポンスにやや鋭さが足りないことがしばしばある。スタンダードなチューンでは、サウンドのフラットさも気になるし、1100kgのウェイトでもホンダやメルセデスAMG、BMWの4気筒のように激しく回る感覚に欠けるところがあった。

レジャンドGTが積むのは、A110Sと同じ仕様で、そうした欠点が幾分は是正されているが、完全に払拭されているわけではない。まず、標準装備されたスポーツエキゾーストの発するサウンドは、スタンダードのA110より魅力的だ。市街地をゆっくり流しているときなどは、家電のような音を発するところもあるが、高負荷・高回転時にははるかにリッチでスポーティな音色で魅了してくれる。

中回転域のパワーデリバリーはやはりドッカンなフィールが強いものの、5000rpmを超えると、ベーシックなA110のエンジンより明らかに鋭く回る。期待通りの速さを得られるといっていい。

逆に期待に応えてくれないところはトルク感で、発生域は広いものの、標準仕様より目に見えて強力というわけではない。

ただしそれは、性能テストの日が寒く、路面が滑りやすかったことの影響もある。そのせいでレジャンドGTは、2018年により暖かいドライコンディションで計測したレギュラーモデルのA110を凌ぐ加速タイムを出せなかった。

今回の路面コンディションでは、ローンチコントロールを使った場合のもっとも強烈なスタートは望めない。それは十分に予測できたことだ。とはいえ、ゼロヨンでも48−113km/hの中間加速でもレギュラーモデルに及ばなかったのは、エンジン性能の増強による優位性がそれほど大きくはないことを示唆している。

シンプルなトランスミッションのコントロール系は、日常使いでの操作をイージーにしてくれる。高い位置にあるセンターコンソールには、ドライブ/ニュートラル/リバースをセレクトする3つのボタンがあるのみで、ドライブのDを押せば、自動変速も、ギアを固定できるマニュアル変速も可能になる。

3つのボタンは発光式なので、夜間などにも視認しやすい。ところが、ノーマル/スポーツ/トラックの走行モードを選択するステアリングホイール上のボタンは光らないので、後付け感が強く思えてしまうし、長く走らせているうちにその存在を忘れてしまいがちだ。

7速DCTは、ノーマルで走らせているとなかなかいい働きをしてくれる。スポーツモードでは、コーナー手前でのブレーキング時に早めのシフトダウンをしてくれるし、タイミングもバッチリだ。強いていうなら、パドルシフトでの減速操作に対するレスポンスにやや遅れをみせることがあるのは、唯一気になるところだ。

使い勝手 ★★★★★☆☆☆☆☆

インフォテインメント

アルピナは2022年モデルで、いよいよ待望の機能向上を図るとアナウンスした。7.0インチのタッチ式画面を用いるインフォテインメントシステムは、ついにApple/Androidいずれのスマートフォンにも対応するミラーリング機能と、音声認識機能が盛り込まれるのだ。

今回のレジャンドGTを含め、2021年モデルまでのオーナーは、mySPINと呼ばれるデバイス接続アプリを使わざるを得ない。残念ながら主流のミラーリングより使い勝手に劣り、できることも少ないシロモノだ。

センターのインフォテインメントディスプレイは小さく、表示はシンプルで、やや使い方がわかりづらい。しかし、我慢して使い続ければ、エンジンやギアボックスの温度、シャシーのダイナミクス関連のデータなど、さまざまな情報が表示できるはずだ。

ナビゲーションシステムは、たいしたことのないものだ。6万ポンド(約930万円)級のクルマに装備されたアイテムならば、もっと楽に入力できて、見やすくあってほしいところなのだが。

テスト車に装着されていたオーディオは、3機種あるうちの中間仕様で、フォーカル製の軽量スピーカーを用いたシステム。パワーと全領域のディテールがやや不足しているが、コンパクトスポーツカー用としては妥当なチョイスだろう。デジタルラジオの受信状況は不安定だった。

燈火類

LEDヘッドライトは標準装備。技術面はシンプルだが、ハイビームは十分に明るく、ロービームの照射範囲もうまく設定されている。

ステアリングとペダル

ペダルレイアウトがうまくいっているので、左足のフットレストも広く取れている。ブレーキペダルはやや左寄りだが、そうと気づかないのは広い踏面のおかげだ。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

A110レジャンドGTの運動性について、そのキャラクターは最初のうち、やや混乱したものに感じられた。スピードバンプや荒れた舗装でみせる挙動は、ほかのグレードの一部にみられるほど穏やかではない。少なくとも乗りはじめてしばらくの間、これは高級GT寄りの仕様ではなかったのかと疑問に思うことになるだろう。

ところが、市街地を一歩出ると、このクルマにピッタリの路面を見出すことができる。そこでは、その性質がもう少しハッキリ出るようになる。これは高速ツーリングで長距離を走るのに適したA110なのだ。もっとも、ほかの仕様に比べてのマージンは、ほんの10%ほどだろう。

それでも、ベースグレードに対して、ステアリングは中立でのスタビリティが改善され重厚さが増し、グリップレベルの安心感が高まっている。一定してタイトなコントロールをみせる良好なプライマリーライドと相まって、広く舗装のいい道では一層の自信を持って運転できる。また、高速コーナーではほかのグレードにあった気まぐれさが多少減り、わずかながらもより安定して駆け抜けられる。

しかしアルピーヌは、あえて大幅な強化を図らなかった。そのため、しなやかさとボディコントロールのじつに精密な調和や、コーナリングにおける正真正銘のバランスや安定感が失われていない。

さらに、グリップレベルが高まっているので、ベースグレード以上に自信を持ってスピードを上げていける。レジャンドGTのシャシーは、公道上で前後いずれかの横グリップが限界に達することがなさそうだからだ。

とはいえ、サーキットで極端に負荷がかかると勢いが削がれるのはこれまでどおりで、スロットルを抜いてオーバーステアへ持ち込むには電子制御をオフにする必要がある。

A110 Sと比較すると、結局のところバランスに優れ、ハンドリングの活発さやアジャストの自由度も上回る。これはスプリングとダンパー、そしてスタビライザーがよりソフトな標準車用であることに起因する。安定感重視のアンダーステア傾向が薄まっている、といってもいい。

そのためレジャンドGTは、違う目的を持って仕立て直したというより、単に速いA110といった感覚に仕上がっているのだ。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

先にも述べたが、レジャンドGTのセカンダリーライドは、もっとも穏やかでソフトというわけではない。もっともシンプルでホイールサイズの小さいA110にあった、荒れた英国の田舎道への親和性はない。

ボディコントロールは常に良好だが、市街地での鋭い突き上げに遭うと、ちょっと及び腰になってしまうところがある。また、荒れ気味のB級道路で速度を上げると、アクスルがやや過敏に跳ねて、ダンピングが足りないフィールで、ピクついてしまう。

そうしたことから、従来のラインナップでは17インチホイールを履くエントリーグレードのピュアが、英国でのベストバイだと思うだろう。だが、それも住んでいる場所や、よく使う道路の状況による。

テスト車のシートは、長距離を走っても快適だった。縁石への寄せやすさは、ほかのスポーツカーが羨むほどだ。風切り音やロードノイズは遮断され、ミドシップのスポーツカーに期待するであろう静かなクルーズが楽しめる。その点は通常のA110と同様だが、48km/hと80km/hで計測した室内騒音は、トヨタGRスープラより数dBA大きかった。それに関して、グランドツーリング性はそれほど大きく向上していない。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

A110の残価率はかなりいい。標準モデルは、3年・5.8万km走行後でも64%が見込まれ、投機的には先行き不透明ながら、5万ポンド(約775万円)級のドライバーズカーとしては悪くない。

レジャンドGTは限定車なので、この仕様に限っての予想はされていないが、カタログモデルよりも値落ちは少ないと見込まれる。ただし、ポルシェのGTモデルのような高値は期待しないほうがいい。

高めの残価予想は、6万1665ポンド(約956万円)という出費のショックを和らげてくれる要素となるだろう。たしかに、コンパクトな4気筒スポーツカーとしては高額だし、価格の割にはアルピーヌが拡充に熱心だったとは思えない装備内容で、それ以外にも金額を正当化できる要素が多いとはいえない。

しかし、オールアルミのミドシップスポーツカーというのはかなりレアな存在だ。競合モデルを探しても、これより大きくて重かったり、フロントエンジンだったりする。それだけでも、買う価値はあるだろう。

スペック

レイアウト

A110レジャンドGTの構造部はアルミモノコックで、エンジンは横置きリアミドシップ。7速DCTを介して後輪を駆動する。

サスペンションは四輪独立で、前後ともダブルウィッシュボーン+コイル。前後重量配分は42:58だった。

エンジン

駆動方式:ミドシップ横置き後輪駆動
形式:直列4気筒1798ccターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ79.7×90.1mm
圧縮比:12.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:292ps/6400rpm
最大トルク:32.6kg-m/2000-6400rpm
エンジン許容回転数:6700rpm
馬力荷重比:258ps/t
トルク荷重比:28.8kg-m/t
エンジン比出力:162ps/L

ボディ/シャシー

全長:4180mm
ホイールベース:2420mm
オーバーハング(前):912mm
オーバーハング(後):848mm

全幅(ミラー含む):1980mm
全幅(両ドア開き):3750mm

全高:1252mm
全高(トランクリッド開き):1620mm

足元長さ(前席):最大1090mm
足元長さ(後席):最大-mm
座面~天井(前席):最大970mm
座面~天井(後席):-mm

積載容量前/後:100/95L

構造:アルミモノコック
車両重量:1134kg(公称値)/1140kg(実測値)
抗力係数:0.33
ホイール前/後:8.0Jx18/9.0Jx18
タイヤ前/後:205/40 R18 86Y/235/40 R18 95Y
ミシュラン・パイロットスポーツ4
スペアタイヤ:なし(パンク修理剤)

変速機

形式:7速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.62/8.9
2速:2.37/13.5
3速:1.51/19.0
4速:1.16/24.8
5速:0.93/30.9
6速:0.84/38.1 
7速:0.71/45.2  
最終減速比:1~2・6~7速:3.79:1/3~5速・後退:4.24:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:13.1km/L
ツーリング:14.2km/L
動力性能計測時:5.3km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):8.9~9.1km/L
中速(郊外):15.4~15.6km/L
高速(高速道路):17.2~17.6km/L
超高速:14.7~15.4km/L
混合:14.3~14.7km/L

燃料タンク容量:45L
現実的な航続距離:587km
CO2排出量:153~158g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.3回転
最小回転直径:11.7m

ブレーキ

前:320mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
後:320mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ設置

静粛性

アイドリング:44dBA
全開時(3速):88dBA
48km/h走行時:61dBA
80km/h走行時:67dBA
113km/h走行時:71dBA

安全装備

ABS/ESP/EBA/HSA
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:滑りやすい路面/気温8℃
0-30マイル/時(48km/h):2.1秒
0-40(64):2.9秒
0-50(80):3.8秒
0-60(97):4.8秒
0-70(113):6.0秒
0-80(129):7.5秒
0-90(145):9.1秒
0-100(161):10.9秒
0-110(177):13.4秒
0-120(193):16.6秒
0-130(209):19.6秒
0-402m発進加速:13.3秒(到達速度:176.5km/h)
0-1000m発進加速:23.9秒(到達速度:221.9km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ポルシェ718ケイマンS 2.5(2016年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):2.0秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.9秒
0-60(97):4.8秒
0-70(113):5.9秒
0-80(129):7.5秒
0-90(145):8.9秒
0-100(161):10.5秒
0-110(177):12.9秒
0-120(193):15.2秒
0-130(209):18.1秒
0-402m発進加速:13.4秒(到達速度:179.1km/h)
0-1000m発進加速:23.8秒(到達速度:228.0km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.7秒(2速)/2.4秒(3速)

30-50(48-80):1.7秒(2速)/2.2秒(3速)/2.9秒(4速)

40-60(64-97):2.2秒(3速)/2.9秒(4速)/-秒(5速)/5.1秒(6速)/7.0秒(7速)

50-70(80-113):2.3秒(3速)/3.0秒(4速)/3.9秒(5速)/5.0秒(6速)/6.5秒(7速)

60-80(97-129):3.1秒(4速)/4.1秒(5速)/5.2秒(6速)/6.7秒(7速)

70-90(113-145):3.2秒(4速)/4.2秒(5速)/5.5秒(6速)/7.2秒(7速)

80-100(129-161):3.5秒(4速)/4.4秒(5速)/5.8秒(6速)/7.9秒(7速)

90-110(145-177):4.7秒(5速)/6.2秒(6速)/8.6秒(7速)

100-120(161-193):6.7秒(6速)/9.6秒(7速)

120-140(193-225):7.7秒(6速)

制動距離

テスト条件:滑りやすい路面/気温8℃
30-0マイル/時(48km/h):10.1m
50-0マイル/時(64km/h):27.7m
70-0マイル/時(80km/h):54.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.20秒

ライバルの制動距離ポルシェ718ケイマンS 2.5(2016年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):7.6m
50-0マイル/時(64km/h):21.2m
70-0マイル/時(80km/h):41.5m

各ギアの最高速

1速:59.5km/h(6700rpm)
2速:90.1km/h(6700rpm)
3速:127.1km/h(6700rpm)
4速:165.8km/h(6700rpm)
5速:207.6km/h(6700rpm)
6速:249.4km/h(6532rpm)
7速:(公称値):250.0km/h(5521rpm)

7速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):2493rpm/2849rpm

結論 ★★★★★★★★★☆

アルピーヌA110は、ひと味違うスポーツカーだ。不適切なほどのスピードを出さなくても生き生きと走り、サーキットよりも本当に困難を強いられる道でこそめくるめくような本領を発揮する。それでも、どこを走っても絶対的にすばらしいドライバーズカーだ。

レジャンドGTは、そのコンセプトをA110 S以上に、完璧なものへ近づけたように感じられる。もっともわれわれは、それでも一番軽くシンプルでピュアなエントリーグレードこそ、まさしくベストなA110だと考えている。

今回の限定車は、しなやかな公道向けチューンのサスペンションを装備している。これこそA110らしさを明確に定義し、夢中になれるハンドリングバランスと、クルマとの一体感あるやり取りをもたらすアイテムだ。そこに加えられているのが、多少引き上げられた速さと、グリップと、サウンド的な存在感だ。

アルピーヌは、もっと快適でラグジュアリーな仕様にすることもできただろうが、そうなればウェイトも増してしまう。パワーやグリップもこれ以上高めたら、走りのその他の部分が破綻していたかもしれない。

現状の仕様でも、ベーシックなA110ほどにはしなやかさや遊べる要素を味わえないし、A110 Sのようにサーキット向けでもない。高額で、同じ価格帯でもっとよくできたGTカーが手に入るのも事実だ。それでも、シンプルなA110にちょっとばかりスパイスを足したこのクルマは、大きな満足を与えてくれる。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラートレジャンドGTは、標準仕様のA110よりちょっとばかりマジなパフォーマンスカーだという印象で、B級道路より広くて速度域が高い道や、サーキットのほうが向いていそう。とはいえ、しなやかでバランスがいい。いままでのA110のなかでは、一番気に入ったモデルだ。

マット・ソーンダースレジャンドGTはドイツのアウトバーンやフランスのオートルートを想定したクルマだという印象だった。ひとりで走りに行く以外に、どれくらいの頻度で休日にこのA110でのドライブを楽しむのかわからないが、南仏あたりに別荘を持っていたらその走りを堪能できるだろう。

オプション追加のアドバイス

シートヒーターは追加したいが、ストレージパックとプレミアムオーディオは不要だ。グロス仕上げのカーボンファイバールーフは、マーキュリーシルバーよりアビスブルーのほうがマッチするだろう。

改善してほしいポイント

・少なくともシフトパドルは設計の見直しを。できれば、ステアリングコラム周りをすべて改修してもらいたいところだが。
・前後とも、トランクスペースがより広くなるとうれしい。
・今後、限定モデルとしてサファリスタイルのサスペンションとウインタータイヤ、LSD、そしてスキーラックを備えた仕様を出してもらいたい。

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みんなのコメント

2件
  • あと2年で生産終了になるのはいいとして、その後もエンジン車のメンテナンスは引き続きしてもらえるのかが少し不安。
  • レイアウト図だとミッション縦置きに見えるけど本当?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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