■「ARATA」は次期「CX-5」そのものではない!?
マツダは2024年5月の決算発表で、同社初となるBEV(バッテリーEV:電気自動車)専用プラットフォームを採用した新型車を2027年に導入すると発表しました。
その直前の2024年4月25日、マツダは電動SUVのコンセプトモデル「MAZDA 創 ARATA(アラタ)」を北京モーターショー会場でサプライズ登場させていますが、これがBEV専用プラットフォーム第一弾となるのでしょうか。
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マツダは2023年11月、急速に進む電動化に対応するための新組織「電動化事業本部(略称:e-MAZDA)」の発足を発表しました。
そして2024年4月の北京モーターショーでは、世界でもっとも電動化が進んでいる中国市場に向けた新型車の「EZ-6」を発表しています。
EZ-6は、マツダと合併事業を行っている長安汽車のバッテリー技術やメカニズムを利用したBEVとPHEV(プラグインハイブリッド)であり、マツダ純正のメカニズムを使ったクルマではありません。
そこで注目されるのが、同じ北京ショーでサプライズ登場したコンセプトカーの“アラタ”です。
マツダの中国現地法人である長安マツダ汽車有限公司によると、アラタのデザインテーマは「SOULFUL + FUTURISTIC × MODERN」だといいます。
これまでのCX-5などが採用してきた魂動デザインとはまた異なる、未来的でモダンな造形が取り入れられています。
ボディサイズやパワーユニットなどの詳細は未公表ですが、BEVとPHEVをラインナップする(つまりエンジンも搭載する)EZ-6とおそらく同じになるでしょう。
そもそもアラタは、EZ-6に次ぐ第2弾の共同開発車(計4車種の新エネルギー車の導入が計画されている)であり、2025年末までに中国市場での販売開始が予定されています。
マツダ初のBEV専用プラットフォーム車が登場する2027年よりも速いタイミングであり、前出の通り様々なパワートレインを想定していることからも分かる通り、アラタはBEV専用プラットフォーム車の第1弾モデルという訳ではないことがわかります。
5月の決算発表ではこのほかにも、2024年後半に北米向けの「CX-50」にハイブリッドモデルを追加することと、次期「CX-5」にマツダ製のハイブリッドを搭載することを発表しています。
つまり次期CX-5も同様に、BEV専用プラットフォーム車ではないということがわかります。
では、BEV専用プラットフォーム車の第1号はどのクルマになるのでしょうか。
■BEV専用プラットフォームは次期型「ラージクラスSUV」から採用か
マツダは、2025年3月(2024年度)までを電動化戦略のフェーズ1と位置づけ、電動化への移行・準備・促進に取り組んできました。
2025年度から2027年度までのフェーズ2は電動化への移行期、2028年度から2030年度までのフェーズ3をBEV本格導入としています。
おそらく2027年度に第1弾となるBEV専用プラットフォームの新型SUVを投入し、2028年度以降にはスモールからラージまで、幅広く専用プラットフォームを使った新型車を拡大していく計画となっていることが予想されます。
第1弾としては、おそらく、CX-50、CX-60、CX-70、CX-80、そしてCX-90など、近年拡充されたクロスオーバーSUV商品群のうちのどれかになるでしょう。
なかでもやはりフラッグシップ級の次期型ラージクラスSUVで真っ先に採用し、その後一気に多車種へ水平展開していくのではないでしょうか。
※ ※ ※
マツダといえば今後は、独自のハイブリッドを搭載するという次期CX-5のほか、コンパクトカー「マツダ2」やコンパクトスポーツカー「ロードスター」の次期型、そしてロータリースポーツカーコンセプト「アイコニックSP」の市販化などにも動きがあるはずです。
いまのマツダは、ラージクラスSUVを矢継ぎ早に展開する一方でロータリーエンジンを復活させるなど、規模は小さいながらも勢いを感じさせるものがあります。
そんなマツダの動向に、この先もしばらく目が離せないようです。
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