小さなクーペも想像以上に実用的
執筆:Matt Prior(マット・プライヤー)
【画像】傑作スポーツカー トヨタGT86(86)を写真でじっくり 初代BRZと新型GR86も 全107枚
撮影:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
今回試乗したのは、マイナーチェンジ後の初代トヨタGT86。乗り心地や操縦性の面では、前期型と大きな違いは感じられなかった。ダンパーとステアリングに小さな改良が施されているが、直接乗り比べてみなければ気付かないレベルのようだ。
シートに座り、運転して改めて思う。昔に感じた気持ちと同じままだ。目指すのは南部の海岸。前回筆者がGT86を運転してから、3年ほど経つ。その時と同様に、すぐに楽しい気分に包まれる。
記憶していたものより、ドライビングポジションは良い。試乗車には6速MTが載り、プラスポイント。ボディはコンパクトでありつつ、ボンネット両脇の膨らみが目線に入る。コーナリング時の車幅感覚を助けるため、意図的に設けてあるものだ。
多くの人は、家族で乗りやすいクルマを求めて、GT86やBRZではなくハッチバックを買う。でも実際は、この小さなクーペも想像以上に実用的だったりする。
リアシートの空間は広いとはいえないものの、助手席側なら、前席を前にスライドすれば大人でも足の置き場に困ることもない。リアシートを折り畳めば、悪くない広さの荷室も得られる。
確かにフォルクスワーゲン・ゴルフGTIの方が静かで落ち着いていて、冬の朝でも気軽に乗れるかもしれない。とはいえGT86もトヨタ車だから、エアコンは良く効く。シートヒーターも付いていて、高速道路を穏やかな気持ちで巡航できる。
今もベスト・ドライバーズカーの1台
水平対向の4気筒エンジンには、やはり少し不満が残る。賑やかで吹け上がりが重い。パワーデリバリーには、フラットスポットもある。スムーズに回るものの、完璧とはいい難い。最高出力も、今では小さく感じる200psに過ぎない。
しかし、7500rpmまで受け付けてくれる。積極的に働きたいと、ドライバーに訴えてくるようだ。AUTOCARの詳細テストでは、ローンチコントロールなしのMT車で0-100km/h加速7.4秒を残した。決して遅いクルマとはいえない。
不足ない動的性能を引き出すには、エンジンとトランスミッションを、しっかり操る必要がある。これは、スポーツカーとしてのカナメの部分だといえる。ドライバーが意欲的に操作すれば、充足感で応えてくれる。
2012年に生み出された魅力は、今も保たれている。英国南部、サウス・ダウンズから海岸線へ続く道は、筆者にとってはおなじみ。滑らかなステアリングを存分に堪能できる。
車重は軽く、前後の重量配分はわずかにフロントより。なんてことのない幅215のタイヤで、軽快に回頭していく。シャシーバランスに長け、ドライバーが調整できる懐の深さもある。登場から9年が過ぎても、変わらずベスト・ドライバーズカーの1台だ。
もし、よりパワフルなターボエンジン仕様が登場したとしても、この質感は得られないかもしれない。エンジンは重くなり、大きなブレーキで受け止める必要がある。車重も増え、負のスパイラルが生まれてしまう。
高まる2代目86への期待
スバルは、次期BRZを英国へ導入する予定はないとしている。しかし、トヨタの次期GR86は導入予定と聞いている。情報によれば、ターボチャージャーは載らないという。水平対向4気筒エンジンの高さが、かさむことが理由だ。
排気量は2.4L。自然吸気で最高出力235ps/7000rpm、最大トルク25.5kg-m/3700rpmを発揮するらしい。期待して英国への上陸を待っていようと思う。
初代トヨタGT86よ、さようなら。2011年と同じように熱い気持ちにさせてくれる、新しいトヨタGR86へ試乗できる日を心待ちにしている。
トヨタGT86(86/2012~2021年/英国仕様)のスペック
英国価格:2万4995ポンド(2019年時)
全長:4290mm
全幅:1790mm
全高:1320mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:12.8km/L
CO2排出量:180g/km
車両重量:1275kg
パワートレイン:水平対向4気筒2000cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:200ps/7000rpm
最大トルク:20.8kg-m/6400rpm
ギアボックス:6速マニュアル
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