F1チームは今週末のイタリアGPで、新しく舗装し直されたモンツァ・サーキットに驚かされることになりそうだ。
伝統のサーキットを近代化するための大規模な改修工事の一環として、モンツァはアクセストンネルやインフラ整備の他に、コースの全面的な路面再舗装を実施した。
■角田裕毅、チーム母国戦F1イタリアGPは「特別な週末」攻略の鍵は再舗装受けた路面への適応?
これまでに見られて来たように、新舗装はしばしばレースに大きな影響を与えるが、モンツァでは既に注目すべき要素が指摘されている。
ピレリのエンジニアが8月上旬に行なった新舗装のチェックでは、路面の色が濃いため古い路面よりも保温性が高く、タイヤ温度に大きな影響を与える可能性があるということが明らかになった。
ピレリが発表したブリーフィングノートには、こう記載されている。
「通常、新しく敷かれたアスファルトは、以前の路面よりも滑らかで色も濃い」
「色が濃いという要素は路面温度に影響し、日差しが強ければ過去よりも熱くなる可能性がある。最高で50度を超えることもあるのだ」
「理論的には、新しい路面はより高いグリップを提供するはずだが、タイヤの性能と作動温度領域に影響を与えるはずだ」
天気予報によれば、イタリアGPの気温は30度台前半とされており、多くのチームはタイヤがオーバーヒートしないよう苦慮することになるはずだ。
この状況は、メルセデスにとっては良いニュースとは言えない。チームが今季投入したW15は、暑いコンディションではタイヤがオーバーヒートしやすく、完璧な作動温度領域から外れてしまう可能性が高いのだ。
スペインやオーストリア、ハンガリーのような暑いレースでは、タイヤ温度をコントロールするのが難しく、メルセデスはカナダやイギリスのような涼しいイベントに比べて後手に回っていた。
夏を前に、メルセデスのトラックサイドオペレーションディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、チームの改善点としてタイヤ温度のマネジメントを挙げていた。
「シルバーストンのようなサーキットでは、リヤが非常に安定していたと思う。オーストリアやブダペストでは安定性に欠けていた」とショブリンは言う。
「それは全て、我々が他よりもタイヤに熱を入れているように見えることに起因する」
「その部分に取り組む必要があることは分かっている。そのための計画はあるが、空力アップデートひとつで解決できるような問題じゃない。それを克服するためには、かなりの量の開発が必要になる」
モンツァの路面再舗装がメルセデスにとって吉兆ではないというのは確かだが、他のチームもほとんどが変化を予想。新モンツァへの対応が鍵になると認めた。
「我々にとってモンツァ最大の課題はコースの変更点です」
そう語るのはハースの小松礼雄代表だ。
「再舗装、縁石やキャンバーの変更、マシンを縁石にどう乗せるか……今年はこれまでと異なる要求になると思います」
昨年ポールポジションからイタリアGPをスタートしたフェラーリのカルロス・サインツJr.でさえ、新しい路面がどのチームに有利に働くのかは分からないと語った。
「再舗装されているから、ここ数年とは全く違うモンツァになるだろう」とサインツJr.は語った。
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