現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】新型シボレー コルベットは、ブランド初のミッドシップと右ハンドル仕様採用のスーパースポーツ

ここから本文です

【試乗】新型シボレー コルベットは、ブランド初のミッドシップと右ハンドル仕様採用のスーパースポーツ

掲載 更新 15
【試乗】新型シボレー コルベットは、ブランド初のミッドシップと右ハンドル仕様採用のスーパースポーツ

初代モデルが誕生した1953年からアメリカンマッスルスポーツカーとしての王道を歩み続け、伝統を受け継いできたシボレー コルベット。その新型は、これまでの65年にわたるブランドの歴史の中で初めてミッドシップエンジンとなり右ハンドル仕様が設定された。(Motor Magazine2021年9月号より)

0→100km/h加速2.9秒。抜群の運動性能の持ち主
ミッドシップに生まれ変わり、初めて右ハンドル仕様が設定された8世代目のシボレーコルベット(C8)が日本上陸を果たした。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

往年のファンの中には、ミッドシップ化により、カリッカリのハンドリングに生まれ変わったと心配する向きもあるだろうが、新型は伝統的なコルベットの良さをベースとしながら、走りのレベルをさらに引き上げた新世代のアメリカンスポーツに仕上がっていたことをまず報告しておこう。

もっとも、エクステリアを見る限り、「アメ車」的なおおらかさは皆無と言える。スリーサイズをランボルギーニウラカンと比較すると、コルベットの方が全長とホイールベースが少し長く、全高が少し高いものの、そのサイズ感はほとんど変わらない。ぎゅっと凝縮された、シャープな印象だ。

インテリアは運転席まわりをぐるりと取り囲むコクピット風デザインが印象的。使われているレザーや樹脂類の質感も、ウインカーレバーとワイパーレバーを除けば良好で、安っぽさは感じない。同クラスのヨーロッパ製スーパースポーツカーが2000万円台ないし3000万円以上で販売されていることを考えれば、このクォリティ感で1180万円(2LT)の値付けはバーゲンといっていい。

だからといってパフォーマンスを妥協しているわけでもない。エンジンはスモールブロックの名を引き継ぐ6.2L V8自然吸気で502psと637Nmを発生。ミッドシップレイアウトの良好なトラクションとシボレー初の8速DCTを生かし、0→100km/h加速は2.9秒で駆け抜ける。3秒を切る加速タイムは欧州製スーパースポーツの中でもまだ少数派なので、コルベットの運動性能は世界最高峰といって間違いない。

ただし、実際に路上を走らせてみると、そんな過激さを一切感じさせないところがC8コルベットの最大の特徴といえる。まず、タイヤのあたりがマイルドで乗り心地は良好。フロントミッドシップで究極のコーナリングを追求した先代C7コルベットZの初期型が、タイヤから常にコツコツとしたショックを伝えていたのと比較すると、むしろこちらの方が快適に感じられるほどだ。

NAエンジンらしいレスポンス。大排気量なのに扱いやすい
アメ車らしいといえば、ステアリング中立付近のゲインを過度に高めていないのも欧州製スーパースポーツカーとは異なる点で、高速クルージングではリラックスしてドライブできる。もっとも、直進付近が不感帯になっているわけではないので、クルージング時の微妙な走行ラインの修正は容易である。この点は、常に右か左にハンドルを切っていないと直進できなかった、大昔のアメ車とは大きく異なる点である。

今回は本格的なコーナリングを試すチャンスはなかったものの、足まわりの設定がもっともハードなレーストラックモードではほどよくロールが抑えられていたので、ワインディングロードでの走りも期待できそう。これは別の機会にぜひ、確認したいところだ。

最高出力が軽々と600psを超す最新のスーパースポーツカーに比べれば、502psのV8エンジンがもたらす加速感はややおとなしく感じられる。正直にいうと、0→100km/h加速が2.9秒と聞いて「え、そんなに速いの?」と驚いたくらいだ。

ただし、シェビーのスモールブロックは相変わらず吹き上がりがシャープで嫌なバイブレーションも皆無。そしていかにもNAエンジンらしい自然なレスポンスと扱いやすいトルク特性が印象的だった。

快適性と運動性能の両面でC8が旧型を凌駕しているのは間違いなさそう。そうした進化はミッドシップを採用し、シャシ全体のレベルアップを図ることで実現したと推測される。つまり、車両レイアウトはガラッと変わっても、コルベットとしては紛うことなき正常進化だったといえるだろう(文:大谷達也/写真:小平 寛)

シボレー コルベット クーペ2LT主要諸元
●全長×全幅×全高:4630×1940×1220mm
●ホイールベース:2725mm
●車両重量:1670kg
●エンジン:0→100km/h加速は2.9秒8 OHV
●総排気量:6153cc
●最高出力:369kW(502ps)/6450rpm
●最大トルク:637Nm/5150rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:MR
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●EPA総合モード燃費:8.0km/L
●タイヤサイズ:前245/35R19、後305/30R20
●車両価格(税込):1180万円

[ アルバム : シボレー コルベット クーペ2LT はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

トヨタ『カローラFX』が米国で登場…現代的でスポーティ
トヨタ『カローラFX』が米国で登場…現代的でスポーティ
レスポンス
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
WEB CARTOP
サリーン、水素エンジン車でのル・マン復帰を計画中。数年以内にロードカーを生産へ
サリーン、水素エンジン車でのル・マン復帰を計画中。数年以内にロードカーを生産へ
AUTOSPORT web
トヨタがガチで作ったら……想像すると欲しい気がする! なぜトヨタはバカ売れジャンルの「軽自動車」を作らないのか?
トヨタがガチで作ったら……想像すると欲しい気がする! なぜトヨタはバカ売れジャンルの「軽自動車」を作らないのか?
WEB CARTOP
トヨタ「“丸目”商用バン」実車公開! めちゃ「四角い」懐かし系「車中泊」モデル! オシャ内装も魅力的な「Fillmore」がカッコイイ
トヨタ「“丸目”商用バン」実車公開! めちゃ「四角い」懐かし系「車中泊」モデル! オシャ内装も魅力的な「Fillmore」がカッコイイ
くるまのニュース
市販カーナビ最大!アルパイン「11型大画面カーナビ」にトヨタ・ハイエース専用モデルが登場
市販カーナビ最大!アルパイン「11型大画面カーナビ」にトヨタ・ハイエース専用モデルが登場
VAGUE
「台湾の巨匠」ホウ・シャオシェン最後のプロデュース作品『オールド・フォックス 11歳の選択』
「台湾の巨匠」ホウ・シャオシェン最後のプロデュース作品『オールド・フォックス 11歳の選択』
バイクのニュース
フィアット『Nuova 500』モチーフのティッシュケースが登場
フィアット『Nuova 500』モチーフのティッシュケースが登場
レスポンス
まさか!? 4時間セーフティカー&またSCでレースは振り出しに……2号車キャデラックが暫定トップ|ル・マン24時間:18時間経過
まさか!? 4時間セーフティカー&またSCでレースは振り出しに……2号車キャデラックが暫定トップ|ル・マン24時間:18時間経過
motorsport.com 日本版
日産「新型・車中泊“専用”バン」がスゴい! 超オシャレ「上質インテリア」採用! クルマとは思えない斬新「部屋仕様」に大反響
日産「新型・車中泊“専用”バン」がスゴい! 超オシャレ「上質インテリア」採用! クルマとは思えない斬新「部屋仕様」に大反響
くるまのニュース
アウトドアカーはシンプルがいいね! 大容量&車中泊に特化したトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
アウトドアカーはシンプルがいいね! 大容量&車中泊に特化したトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
「ヨシムラ SERT Motul」チームの応援グッズが発売!鈴鹿8耐で身につければ、気合いと楽しさは倍増だ!  
「ヨシムラ SERT Motul」チームの応援グッズが発売!鈴鹿8耐で身につければ、気合いと楽しさは倍増だ!  
モーサイ
今年も猛暑! クルマの熱中症対策グッズは「6月」までに準備すべき理由 昨年は9万人以上が救急搬送されている
今年も猛暑! クルマの熱中症対策グッズは「6月」までに準備すべき理由 昨年は9万人以上が救急搬送されている
Merkmal
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 前編】きっとあなたも好きになる・・・イケメンワゴンが誘う理想の世界
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 前編】きっとあなたも好きになる・・・イケメンワゴンが誘う理想の世界
Webモーターマガジン
2号車キャデラックが降格/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 スターティンググリッド
2号車キャデラックが降格/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 スターティンググリッド
AUTOSPORT web
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発
THE EV TIMES
F1ラスベガスGP、底力が試されるのは”第2回”? 初開催は成功裏に終わるも「どんなことからも学ぶことがある」
F1ラスベガスGP、底力が試されるのは”第2回”? 初開催は成功裏に終わるも「どんなことからも学ぶことがある」
motorsport.com 日本版
HKSからGT-R、86/BRZ、GRスープラ用フロアマットがリニューアルされて販売開始
HKSからGT-R、86/BRZ、GRスープラ用フロアマットがリニューアルされて販売開始
レスポンス

みんなのコメント

15件
  • 先ほど走ってたら、後ろに現れた。

    信号待ちのときにバックミラー越しに近づいてくる姿を見たら、見慣れない最近のフェラーリかな?って感じだったけど、真後ろに止まって、エンブレムでコルベットとわかった。

    今までのコルベット感はないね。でも、なかなかカッコよかったよ。
  • こんなに安いの?
    アメ車の輸入価格はぼったくりなイメージだけど
    パフォーマンス考えると鬼安い
    試乗してみたいな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1420.01740.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

140.05588.0万円

中古車を検索
コルベット クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1420.01740.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

140.05588.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村