横浜ゴムは6月5日、トヨタ自動車の中国での合弁企業である一汽トヨタ自動車有限会社(以下、一汽トヨタ)が、中国で発売した電気自動車(EV)セダン「bZ3」の新車装着(OE)用タイヤとして、2023年2月より「BluEarth-GT AE51(ブルーアース・ジーティー・エーイーゴーイチ)」の納入を開始したことを明らかにした。
EVに装着される「BluEarth」
横浜ゴムがEVなど高重量車両に対応するHLC(ハイ・ロード・キャパシティ)タイヤの生産・販売を開始
横浜ゴムによれば、「BluEarth-GT AE51」はブルーアース・シリーズの基盤設計や材料技術を採用し、走行性能、快適性能、環境性能の全てに優れる、高いグランドツーリング性能を持った製品とされる。今回BEV(バッテリー電気自動車)である「bZ3」に新車装着された「BluEarth-GT AE51」の特徴を挙げると、高剛性カバー材を採用することで、高い静粛性と操縦安定性を両立するとともに、低発熱コンパウンドの採用により転がり抵抗を低減。さらに構造にチューニングを施すことで高い乗心地性能も実現しているという。装着サイズは215/65R16 98Hと225/50R18 95Vとなる。
中国で共同開発されたEVセダンにOE採用
2022年10月に中国で発表された電気自動車「bZ3」は、セダンタイプのBEVだ。トヨタと比亜迪股份有限公司(BYD)が合弁で設立した電動化技術の開発企業であるBYDトヨタEVテクノロジーカンパニー有限会社(以下、BTET)と一汽トヨタにより共同開発された。すでに一汽トヨタより生産・販売され、中国では4月に販売が開始された。
トヨタが「世界最大のBEV市場である中国において、現地のお客様に最高の製品を提供することを目指した」とするbZ3の開発には、トヨタのデザイン、生産、技術、品質管理等の分野から100名以上のエンジニアが参画、BYDや一汽トヨタのエンジニアと一体になった開発体制の下で生み出されたという。日本市場での発売予定がないのは、長く“セダン氷河期”が続く日本の状況を考えれば致し方ないだろう。
bZ4XよりコンパクトなbZ3
「bZ3」の特徴としては、トヨタのBEV初となるBYDのリチウムイオンLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーをベースとした、駆動用バッテリーを採用することが挙げられる。正極にLFPを採用したこのバッテリーは、容量49.9kWhと65.3kWhの2タイプが用意される。一充電あたりの最長航続距離は、49.9kWh仕様は517km、65.3kWh仕様が616km(中国国内の燃費モードであるCLTCモード)を謳う。
加えてトヨタは、長年ハイブリッド車開発を通じて蓄積してきた電動化技術と経験を融合した、電池構造、冷却システム、制御システムと安全監視システムを新たに設計。高品質、高効率、先進的でかつ安心・安全な電動システムなど、性能の高さを主張する。
エクステリアについても触れてくと、bZ3も現在のトヨタデザインの潮流である「ハンマーヘッド・デザイン」の顔つきを与えられた。ボディサイズは、全長:4725mm、全幅:1,835mm、全高:1,475mm。ホイールベースは2,880mmとされた。EV専用の「e-TNGA」プラットフォームを基本に構築されたボディのCD値は0.218を実現している(乗車人数:5名)。
ちなみに、bZ3に先んじて登場したSUVタイプの「bZ4X」は、全長:4690mm、全幅:1860mm、全高:1650mmと、ひとクラス上のサイズであることがわかる。対して、2850mmのホイールベースは「bZ3」が30mm、全長も35mm上回ることから、セダンの前後に伸びたスタイリングととともに、室内空間の確保に配慮したことが想像される。
世界的なEV用の販路拡大を視野に
話を戻せば、横浜ゴムは新車装着では高い技術が求められるEVへの納入を強化するとともに、そのフィードバックを市販用タイヤの開発に活かし、時代の変化に対応した商品ラインナップの拡充および各商品の性能向上を図っているとしている。
ちなみに、bZ3の発表から続く2022年11月に開催されたロサンジェルス・オートショーにおいて、トヨタはBEVのコンセプトカー「bZ Compact SUV Concept」を米国で初披露した。同モデルは、BEV専用ブランドであるbZシリーズの中で、日常生活で扱いやすい小型サイズのハッチバックスタイルのSUVとして、開発を進めているという。将来の北米市場への導入を見据えれば、横浜ゴムにとってもビッグビジネスとなる可能性もありそうだ。
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みんなのコメント
bZ3は失敗作といわれるbZ4Xと比べて、かなり性能の良いBEVと評価されています。
日本に導入すると、肝心のトヨタのHV車の販売にも大きく影響がありそうで、日本での販売を行わないことにしたといわれています。
トヨタにとっては日本がBEV後進国であった方が、世界戦略上有利だと判断しているようです。