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“技術の日産”は道を問わない──新型ノート試乗記

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“技術の日産”は道を問わない──新型ノート試乗記

フルモデルチェンジした日産自動車(以下、日産)のコンパクトカー「ノート」シリーズで、氷上をテストドライブ。小川フミオが驚いたワケとは?

ノート・シリーズ勢揃い!

トヨタのある暮らし、人生とは?

電気自動車は、滑りやすい路面とも相性がいい。「え?」と、思われるようなことを言いたくなるような体験をしたからだ。乗ったのは、日産の新しいノート・シリーズだ。

長野県・蓼科にある女神湖は、季節限定で氷上コースが設置される。そこでおこなわれた試乗会に用意されたのは、ノートおよびノート・オーラだ。ノートは、エンジンをバッテリーの発電用に使い、駆動はモーターとなるシリーズ・ハイブリッド方式を採用するのが特徴だ。日産では、「e-POWER(イーパワー)」と名づけている。販売も好調のようで、街中で見かける機会も多い。

コースには「ノート」「ノート・オーラ」「ノート・オーテック・クロスオーバー」それに「ノート・オーラ・ニスモ」があった。シリーズ勢揃いである。そのうち、もっともパワフルなニスモだけ前輪駆動(しか存在しない)だ。

どのモデルも1198cc直列3気筒ガソリン・エンジン(発電用)に、駆動用モーターを組み合わせる。ちがいのひとつはパワー。ノートの4WDモデルでは、最高出力85kW、最大トルク280Nmのモーターをフロントに、50kW、100Nmのモーターをリアに搭載する。前輪駆動は85kW、最大トルク280Nmのフロント・モーターのみだ。

ノート・オーラの4WDモデルは、100kWと300Nmのフロント・モーターと、50kWと100Nmのリア・モーターを組み合わせる。

オーテック・ジャパンが手がけたノート・オーテック・クロスオーバー(試乗車はFOUR)は、最低地上高が150mm(ベースのノート4WDは125mm)となっている点などを除けば、パワーユニットの諸元はベースのノートとおなじだ。

試乗車のなかでもパワフルなのは、NISSAN GT-Rのチューニングでもおなじみ、ニスモが手がけたノート・オーラ・ニスモだ。最高出力100kW、最大トルク300Nmのモーターで前輪を駆動する。

出力の数値はベースのオーラとおなじであるものの、出力特性のカーブが違っていて、トルクの立ち上がりがうんと速い。VCM(ビークルコントロールモジュール)の設定変更によるものだそう。加速力も落ちにくい設定だ。かつ、足まわりは専用設定で、かなりスポーティ。

生き物のような走り

氷上試乗において、もっとも印象的だったのは、ノート・オーラ・ニスモだ。アクセル・ペダルを強めに踏むと、それだけでスタッドレスタイヤは太いトルクを受け止めきれず、氷の上でタイヤが空転する。私が一般道で乗ったときも、これはスポーツカーみたいな加速力だ! と、感心したのを思い出した。

氷上でなるべくタイヤをグリップさせるには、アクセル・ペダルの繊細な操作がとにかく必要だ。そこで電気モーターが強みを発揮する。力の出かたがスムーズなので、トルクのコントロールがやりやすいのだ。

アクセルペダルに載せた足の力をゆるめると、回生ブレーキがかかるのも、摩擦係数の低い、すべりやすい路面ではありがたい。いちいちアクセルペダルからブレーキペダルに踏み換える必要がないので、頭のなかでイメージしたような加減速による車両のコントロールがやりやすい。

雪上では4WDがいいし、路面と車体とのあいだの、いわゆる“グラウンド・クリアランス”が大きいノート・オーテック・クロスオーバーなんて無敵だろう。ちなみに氷上では、フロントをしっかりグリップさせるようにして走れば、前輪駆動車でも大きな違いは出ない。

なかでもノート・オーラ・ニスモは、ドライビングに慣れる楽しみを味わわせてくれるモデルだった。

先代より最大トルクが18%も増したというだけあって、ドライブモードセレクターで、赤い“NISMOモード”を選ぶと、まるで猛る大型犬。滑る歩道で先へ先へといきたがるものの、路面で爪が滑ってしまうのと似ている。生き物のようだなぁと、楽しくなった。

価格は、ノートX FOURが244万5300円から、ノート・オーラG FOURが286万8800円から、ノート・オーテック・クロスオーバーFOURが279万6200円から、そして、ノート・オーラ・ニスモが286万9900円から。

真剣に悩みそうな価格設定だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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