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1ヶ月の受注が月販販売目標の約14.5倍!トヨタの都会派クロスオーバーモデル「ハリアー」に試乗してわかった人気の秘密

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1ヶ月の受注が月販販売目標の約14.5倍!トヨタの都会派クロスオーバーモデル「ハリアー」に試乗してわかった人気の秘密

日本のSUVブームの火付け役ともなった1台が、トヨタ・ハリアー。その新型は2020年6月17日に発売され、約1カ月の受注は、こうしたコロナとの戦いの中にもかかわらず、月販販売目標の3100台に対して約45000台と、約14.5倍にもなる人気ぶりだ。

新型ハリアーは、RAV4、北米向けハイランダーに続く、トヨタ最新のGA-Kプラットフォームを使う都会派クロスオーバーモデル。都会やそれこそ高級ホテルのエントランスにも似合う高級感溢れるスタイリッシュさはもちろん、トヨタの上級サルーンに匹敵するインテリア、居心地の良さ、トヨタ最新の先進運転支援機能のトヨタ・セーフティセンスや、DCM(au車載通信機)、ヘルプネットの全車標準装備、HV FF車で、実燃費に近いWLTCモード燃費22.3km/Lというクロスオーバーモデルとしては飛びぬけた燃費性能を誇る。

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さらには調光パノラマルーフ、前後方向録画機能付きのデジタルインナーミラー、大型タブレットが目の前にあるような12.3インチの大型ワイドディスプレー(純正ナビ)の用意など、ハリアーならではの存在感、先進機能・装備が際立つ新型だ。

スタイリングは一目でハリアーと分かるもので、クーペシルエットを持つサルーンを連想させる高級感にたっぷりだ。もっとも、そのスタイリッシュさと引き換えに、リヤセクションを大きく絞り込んでいるため、ラゲッジスペースは先代に対して減少。具体的には先代が456Lのところ、409Lになり、ゴルフバッグの収納性能では、4個から3個になった。ちなみに同じプラットフォームを使うRAV4は580L(デッキボード下位置/いずれもVDA)である。



パワーユニットは2Lガソリン(171ps、21.1kg-m)、および主力となるはずの2・5L+2モーターのHV(エンジン178ps、22.5kg-m、Fモーター120ps、20.6kg-m、Rモーター54ps、12.3kg-mを用意。ガソリン車にFF/4WDを揃えるのはもちろんだが、今回、HVに従来からある電気式4WDに加え、FFが用意されるのが特徴でもある。

都市型クロスオーバーモデルゆえ、ユーザーはあまり気にしないかもしれないが、最低地上高は190~195mm。RAV4の200mmとそう大きくは変わらないが、RAV4の中でもっとも走破性の高いアドベンチャーグレードに組み合わされるダイナミックトルクベクタリングコントロールは採用されていない。つまり、極悪路の走行は想定されていない。RAV4がクロスカントリーモデル方向へ舵を切ったことで、2台の棲み分けがしっかりとなされた、と考えていいだろう。

装備面で特筆したいのは、やはりシェード付き調光パノラマルーフだ。通常は、ダークガラスのように、遮光してくれているのだが、ボイスコントロールで「空が見たい」と発声すれば、瞬時に調光機能が働き、空が見えるガラスルーフになるのだから素晴らしい。なんでも、建材用の調光ガラスにヒントを得たそうで、新型ハリアーの先進性を強く実感させてくれる装備と言っていい。Zグレードにのみ19万8000円!! のオプションとなるが、ぜひとも検討すべきではないだろうか。

新型ハリアーは「トヨタの上級サルーンに匹敵する乗り心地と車内の静粛性を追求した」というのが自慢である。たしかに、クロスオーバーSUVとしては乗り心地にしても車内の静粛性にしてもハイレベル。ただし、ガソリン車のFF、19インチタイヤ装着のZレザーパッケージの走りは想定外に軽快で気持ちよく、乗り心地もサルーン的で快適なものの、高級サルーンとして見てしまうと、エンジンの車内への透過音の大きさが、エンジンを高回転まで使うシーンでは気になりがちだ。

おそらく、開発陣にとってイチオシであろうHVモデルはと言えば、無論、出足からのモーターによるウルトラスムーズな加速感、車速を問わない車内の静かさが印象的だが、19インチタイヤによる乗り心地はガソリン車と比較して重厚かつやや硬め。タイトでスポーティーな乗り心地を好むユーザー向けと言っていいかもしれない。



では、HVでより乗り心地に振った18インチタイヤ装着車はどうか。HVのGにも試乗したが、確かに乗り心地面にフォーカスを当てれば、19インチよりいいに決まっている。もちろん、パワーユニットが発するノイズも最小限。が、その全体的な静かさが、逆に、専用開発ではない18インチタイヤの、荒れた路面でのロードノイズの発生を助長。けっこう耳についてしまうのが惜しまれる。ハリアーの名誉のために付け加えれば、良路では素晴らしく静かで快適である。言い方を変えれば、静粛性にこだわった新型ハリアーは、ロードノイズの小ささという点では、意外にもより大径、エアーボリウムの小さい19インチタイヤが優れているということだ。走りの質感、重心の低さによるカーブや高速レーンチェンジでの低重心感覚、安定感でも、HVはガソリン車を上回る印象だった。



実は、今回、試乗できなかったグレードとして、HV Z、19インチタイヤの4WDがあるのだが、試乗した同グレードのFFに対して車重が約60kg増しになるため、乗り心地面では有利になると推測できる。つまり、調光パノラマルーフがオプションで選べるHV Zの4WDが大いに気になっているところだ。おそらく、ベストグレードと言っていいはずである。なお、同プラットフォームを使うクロスオーバーSUVのRAV4との違い、比較については、あらためて報告したい。



トヨタ・ハリアー
https://toyota.jp/harrier/

文/青山尚暉

モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。

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