テスラやヒョンデ、BYDなど、EVをきっかけに日本市場に参入する新たなメーカーが増えている。この流れは今後も続くかもしれない。世界最大のEV市場である中国を中心に、新たなEVメーカーが生まれ、急成長しているからだ。
そこで、新興国のクルマ事情に詳しい佐藤耕一氏に、「日本に輸入されたら怖い」と思われる新興勢力のEVを5台挙げてもらった。新興とあなどってはいけない。いずれも、性能やコスパ、商品力など、国産EVにはない独自の魅力を持ったクルマたちだった!
アルヴェルそっくりのミニバンも! 日本に上陸したら大暴れしそうな「黒船EV」5選
文/佐藤耕一、写真/MG、GEELY、AITO、DENZA、SMART
伝統のブランドMGが手掛けるVW「ID.3」のライバル「MULAN」
MG MULAN
「MG」と言えば、イギリスの大衆スポーツカーブランドとして、オールドファンならよく知るブランドだろう。しかし現時点においては、中国最大の自動車メーカーである上海汽車(SAIC)がその商標権を保有していることはご存じだろうか。
上海汽車は、海外進出の際にこのMGブランドを利用して、MGの名前に親しみがあるヨーロッパやインド市場を中心に販売台数を伸ばしつつあり、その最新モデルが「MG MULAN(ムーラン)」(英国名MG4)である。
上海汽車のEVプラットフォームNEBULA(星雲の意味)をベースとし、全長4287×全幅1836×全高1504mmという手ごろなサイズのボディ(ホンダ・ヴェゼルに近いサイズ)に、ホイールベースは2705mmとEVプラットフォームならではの長さを確保した。
モーターはリアに配置され、前後重量配分50:50を謳う。最大出力は、現在販売中のグレードでは170-203psとなるが、のちに0-100km/h加速3.8秒のホットバージョンも用意されるようだ。
バッテリーは51-64kWhが用意され、航続距離は400-600km(NEDC基準)。価格は400万円以下と発表されている。
後輪駆動で、SUVよりも車高が低くキビキビと走るハッチバックEVとして、欧州市場ではフォルクスワーゲン「ID.3」のライバルとなる。スペックと価格を考慮すると、魅力的な選択肢として歓迎されているようだ。
電化キャンプに最適なEVピックアップRADAR 「R6」
RADAR R6
キャンプに大型バッテリーを持ち込んで、冷えたビールとともにBBQを楽しむ。そんな人にとって、このクルマはぴったりだろう。中国の民営系大手メーカー吉利汽車(ジーリー)の新しいブランドRADAR の第一弾ピックアップEV「R6」だ。
R6は、吉利汽車のEVプラットフォーム「SEA」をベースとし、全長5260×全幅1900×全高1830mmと、現行型のハイラックスに近いサイズ。100kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は600kmになるもよう。
そしてキャンプにぴったりなのが、荷台のところにコンセントが装備されていること。荷台にEバイクやキャンプギアを満載して山に向かい、電化製品を上手く利用しながら快適で楽しいキャンプができるという寸法だ。
スマホと同じOSを搭載するSERES 「AITO M5」
SERES AITO M5
スマートフォンと同じOSを搭載し、究極のシームレスなデジタル体験を提供するのがSERES「AITO(アイト) M5」だ。
このクルマの開発にはファーウェイが深くかかわっており、車載OSも同社のHarmony OSが採用されている。このOSはもともとスマートフォンやスマートウォッチ向けに開発されたものだが、これをクルマにも搭載しているため、スマートフォンと完全に同期されたアプリを車内でもそのまま利用できるのだ。
例えば、スマートフォンをキー代わりに使えるのをはじめ、ナビの目的地やSpotifyなどの音楽アプリ、メッセンジャーやビデオ通話などを、クルマのディスプレイからそのまま使うことができる。デジタルデバイスとしてのクルマという意味では、世界でも最先端の一台と言えるだろう。
SERES(セレス)は、SOKON(ソコン)という重慶の部品・商用車メーカーと、ファーウェイの合弁によってできたメーカーで、AITO M5は同社の最初の生産モデル。全長4770×全幅1930×全高1625mmのレンジエクステンダーSUVで、エンジン発電も含めた航続距離は1100kmを超える。価格は540万円からという高級SUVだが、今年春からの販売は非常に好調に推移しているようだ。
アルヴェルよりも豪華なEVミニバン DENZA 「D9」
DENZA D9
中国ではこのところ、有力メーカーから立て続けにミニバンが発売されており、ちょっとしたミニバンブームが起きている。その中でも注目したいのが、DENZA(デンザ)の「D9」である。
DENZAはメルセデス・ベンツとBYDの合弁会社であるが、最近になってBYDが持分比率を増やし、現在は9割をBYDが保有するEVブランドとなった。
メルセデス・ベンツの高級感もありながら、BYDのEVに対するノウハウや生産能力を併せ持つブランドという定評で、デザインも見ての通り、既存のBYDのラインナップとは明らかに差別化されており、ナッパレザーやウッドが多用されたインテリアも、アルファード以上にラグジュアリーに仕上がっている。
ボディサイズは全長5250×全幅1960×全高1920mmと堂々たる体躯。EVとPHEVバージョンが用意され、価格は673-925万円となっている。
ドイツで設計して中国で生産する「スマート#1」
スマート #1
2020年、スマートは中国の民営系メーカー吉利汽車の出資を受け、メルセデス・ベンツとの50:50の合弁会社となっている。もともと吉利汽車はメルセデス・ベンツの筆頭株主であり、その縁もあってのことだろう。
本社を吉利汽車の本拠地である浙江省に移し、新生スマートになって最初のモデルがスマート「#1」だ。吉利汽車のEVプラットフォームSEAをベースにメルセデス・ベンツ側が設計した。従来のサイズからはかなり大型化して、全長4270×全幅1822×全高1636mm と、ミドルサイズSUVといった趣だ。
しかし、スマート独自のポップでセンスの良いデザインは健在で、クルマとしてとても魅力的に仕上がっている。リアにモーターを搭載し、航続距離は535-560km(NEDC基準)。価格は390-472万円となっている。
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