現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新型ノア&ヴォクシー登場で大激震!? 王者アルファードが高くても売れる訳と今年起こる売れ行きの「変化」

ここから本文です

新型ノア&ヴォクシー登場で大激震!? 王者アルファードが高くても売れる訳と今年起こる売れ行きの「変化」

掲載 95
新型ノア&ヴォクシー登場で大激震!?  王者アルファードが高くても売れる訳と今年起こる売れ行きの「変化」

 2020年、2021年と2年連続で乗用車ブランド通称名別順位トップ5に入ったアルファード。エントリーグレードでも約400万円のクルマが、長期間にわたって高い販売台数を維持する姿は、これまでほとんど前例がない。

 2年連続で年間9万台を超える販売実績を残せる理由は何なのだろうか。1月に登場した弟分のノア・ヴォクシーフルモデルチェンジが与える影響なども考えながら、アルファード人気の現状を探っていきたい。

実は今が買い時!? 最後のオデッセイ 中古車の狙い目と最新動向

文/佐々木 亘、写真/TOYOTA

[gallink]

今売れるのは「オールマイティ」なクルマではない

登場から7年経ってもなお高い販売台数をキープするアルファード

 2020年の乗用車ブランド通称名別順位は、1位からヤリス、ライズ、カローラ、フィット、アルファードの順だった。2021年は少し変化し、ヤリス、ルーミー、カローラ、アルファード、ノートとなっている。

 このなかで2021年に、単一車種で上位5車種に入るのはルーミーとアルファードだ。この2車種に共通するのは、圧倒的な室内空間にほかならない。普段使いするには広すぎる車内が、今のユーザーには強く刺さっている。

 運転のしやすさや使い勝手の良さが際立つ「オールマイティ」なクルマよりも、大きさ・広さ・カッコよさなどに、スキルを全振りしたクルマのほうが人気車になる傾向だ。こうした潮流は、ここ数年強くなっている。

 クルマの完成度の高さに加えて、圧倒的な存在感と威風堂々たる佇まいが、購入意欲を強く刺激したのだろう。アルファードが守り続けてきた「気高さ」を、時代が眺望していることを、現在の販売数が物語る。

経済の循環を作り出し、売れ続けるアルファード

 今、消費者は「資産価値の高いもの」「資産価値を長く維持できるもの」にお金を使う。クルマの購入に関しても数年後のリセールバリューが、販売のカギとなっているのだ。

 アルファードを購入するユーザーの多くが、大幅下落しない資産価値の高さや安定感に目を付けている。3年後に残価率50%以上を誇るアルファード。これはトヨタラインアップのなかでも抜群に高い。ミニバンという商品の特性を考えると、この数字には異常さすら感じる。

 売る側は高残価を理由に、ローンで支払いやすい金額を提示する。もちろん、数年後にはしっかりと約束を果たして、高い金額で買い取るのだ。そして高年式で良質なアルファードの中古車を、また販売することができる。

 販売店は「販売・買取り・中古車の流通」までを考えた、販売店の利益サイクルを構築でき、売れば売るほど、一般的なクルマの2倍~3倍の利益が生まれていく。アルファードは、ユーザーニーズをしっかりと拾いながら、販売店の経営をも楽にする、魔法のアイテムのようだ。

 金(ゴールド)や不動産のような、変化しにくい資産価値が売りとなったアルファード。クルマとしての商品自身が、一種の経済圏を作り出し、売買の循環を生み出せるのは、非常にまれなケースだろう。

 ランクルやジムニーは世界規模でこの循環を発生させているが、どちらも本格クロカンで、歴史の長いクルマである。最近生まれたミニバンで、こうした好循環を生み出しているアルファードは、特別な存在だ。単なる一過性の人気ではない、「仕組み」を作り出したところに、アルファードが売れる理由があるのだと思う。

ノア・ヴォクシーがアルファード化?トヨタミニバン販売の今後はこうなる!

2022年1月13日に発表発売となった新型ノア・ヴォクシー。1月中旬の時点ですでに受注3万台を突破する好調な立ち上がり

 2022年1月に、アルファードの弟分ともいえる「ノア・ヴォクシー」がフルモデルチェンジした。ノア・ヴォクシーの登場は、アルファードの販売状況に大きな影響を与えるだろう。

 これまで完全なるアルファードの下位互換であったノア・ヴォクシーだが、モデルチェンジで大きく姿を変えた。ボディサイズはすべて3ナンバー化され、エクステリアの迫力が高まる。同時に室内空間の質も抜群に高まった印象だ。風貌や質感は「少し小さなアルファード」を名乗っても問題ないと思う。加えて、最新の機能・装備を与えられたノア・ヴォクシーは、アルファードを食う勢いになっている。

 これまでノア・ヴォクシーを検討するユーザーに対し、トヨタ販売店はアルファードを強く勧めてきた。アルファードが高い残価率を誇るため、残価設定ローンで月々の支払額だけを比較すると、ノア・ヴォクシーとアルファードでは大差が無くなってしまう。

 「月の負担が同じであれば、車格が上のアルファードを選びませんか。機能・装備もアルファードが上ですし」といううたい文句で、アルファードが売れていったのも事実。しかし、新型ノア・ヴォクシーが車格と機能性を高めたため、販売店では、こうした決まり文句が使いにくくなった感じは否めない。

 ユーザー全体のアルファードに対する需要が、ノア・ヴォクシーの登場で大きく下がることはないと思う。しかし、アルファードが食っていたノア・ヴォクシー目的のユーザーは、元の鞘に収まることが予想される。

 2020年、2021年のようなアルファードの売れ方は、2022年までは続かないとみていい。ただし、圧倒的な人気は不動だ。少々勢いは落ちても、突如ランク外などということはないだろう。

 これまでリセールが低いカテゴリーの代表格であったミニバンでありながら、一種の資産と言わしめる存在となったアルファード。築かれたネームバリューは、今後の販売にも良い影響を与え続ける。

 そろそろモデルチェンジが予想されているアルファードだが、モデル末期には似つかわしくない売れ行きを、今後も維持していくのではなかろうか。

[gallink]

こんな記事も読まれています

日産「新型“超凄い”スカイライン」まもなく登場! 420馬力の“史上最強”モデルはまさに「集大成」! もはや「次期型」に期待な“NISMO”実際どう?
日産「新型“超凄い”スカイライン」まもなく登場! 420馬力の“史上最強”モデルはまさに「集大成」! もはや「次期型」に期待な“NISMO”実際どう?
くるまのニュース
日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは
日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは
WEB CARTOP
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
乗りものニュース
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズに『カローラ』『シエンタハイブリッド』など6車種の適合が追加
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズに『カローラ』『シエンタハイブリッド』など6車種の適合が追加
レスポンス
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
motorsport.com 日本版
最高出力830PS、最高回転数9500rpm!フェラーリから自然吸気V12エンジン搭載モデル「12チリンドリ」が登場
最高出力830PS、最高回転数9500rpm!フェラーリから自然吸気V12エンジン搭載モデル「12チリンドリ」が登場
@DIME
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
乗りものニュース
軽自動車の「白っぽく見えるナンバー」なぜ増えた? 軽であること隠したい!? 導入7年「図柄入りナンバー」の現状は?
軽自動車の「白っぽく見えるナンバー」なぜ増えた? 軽であること隠したい!? 導入7年「図柄入りナンバー」の現状は?
くるまのニュース
61年の歴史で初 ハイブリッド化されたポルシェ改良新型「911」に熱視線! SNSでの反響とは?
61年の歴史で初 ハイブリッド化されたポルシェ改良新型「911」に熱視線! SNSでの反響とは?
VAGUE
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
WEB CARTOP
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年6月9日~6月815日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年6月9日~6月815日)
Webモーターマガジン
東急バス「バス以外の交通手段」に参入 チャリもクルマもライバルじゃない “相乗効果”狙う
東急バス「バス以外の交通手段」に参入 チャリもクルマもライバルじゃない “相乗効果”狙う
乗りものニュース
アウディがプレミアムミッドサイズSUVの特別仕様車「Q5/Q5スポーツバック Sライン ダイナミックエディション」を発売
アウディがプレミアムミッドサイズSUVの特別仕様車「Q5/Q5スポーツバック Sライン ダイナミックエディション」を発売
@DIME
新型プリウス、クラウン、シエンタ、日産サクラで便利に使えるライティングアイテム【特選カーアクセサリー名鑑】
新型プリウス、クラウン、シエンタ、日産サクラで便利に使えるライティングアイテム【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
400馬力! スバルの美しすぎる「スポーツクーペ」が凄い! パワフルな「ツインターボ×四輪駆動」搭載! ガバっと開く「斬新ドア」採用した「B11S」とは
400馬力! スバルの美しすぎる「スポーツクーペ」が凄い! パワフルな「ツインターボ×四輪駆動」搭載! ガバっと開く「斬新ドア」採用した「B11S」とは
くるまのニュース
ヨス・フェルスタッペンがオーストリアGPでレッドブルRB8をデモランへ。息子マックスとの”共演”が実現?
ヨス・フェルスタッペンがオーストリアGPでレッドブルRB8をデモランへ。息子マックスとの”共演”が実現?
motorsport.com 日本版
大学への通学2時間でドラテク磨き!「若者のクルマ離れ」がウソのような「軽自動車レース」に青春を捧げた20代男子の英才教育とは
大学への通学2時間でドラテク磨き!「若者のクルマ離れ」がウソのような「軽自動車レース」に青春を捧げた20代男子の英才教育とは
Auto Messe Web
日産ローレルHT2000SGX(昭和47/1972年4月発売・KHC130型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト069】
日産ローレルHT2000SGX(昭和47/1972年4月発売・KHC130型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト069】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

95件
  • こういう盲目的にほめまくった記事を鵜呑みにして本当にアルファードを買うおめでたい客もいるんでしょうねえw
  • 運転が荒い人を制御する機能はまだですか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

267.0351.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.6552.8万円

中古車を検索
ノアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

267.0351.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.6552.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村