現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に憧れて!「デロリアン」を自力でEV化した「ド文系」オーナーの夢とは

ここから本文です

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に憧れて!「デロリアン」を自力でEV化した「ド文系」オーナーの夢とは

掲載 更新 23
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に憧れて!「デロリアン」を自力でEV化した「ド文系」オーナーの夢とは

過去から未来へ! EVデロリアンが環境問題に警鐘を鳴らす

 今年で生誕40周年を迎えた「デロリアンDMC-12」。デロリアンのデザインに携わったイタルデザインでは、2021年1月21日に生誕40周年のプロジェクトとして「VISION BEYOND TIME」を発表。同時にDMC-12のシルエットをイメージさせるティザー画像を公開するなど、否が応でも期待が膨らむ1年になりそうだ。

コロナ禍でストレス発散? パパのお小遣いでギリ買える「中古輸入MT車」

「デロリアンDMC-12」といえば、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の劇中でエメットブラウン博士(通称ドク)がタイムマシンにしてしまったクルマだ。40~50代の男性なら一度は『乗ってみたい』と憧れたことがあるはず。そんな夢を叶えながら、さらに未来永劫乗り続けるためにEV化してしまったオーナーを紹介する!

初出:CARトップ2019年9月号(一部改稿)

ウィークポイントの解消がEV化へのきっかけに

「いつかは“バック・トゥ・ザ・フューチャー”に登場したデロリアンに乗りたい」。子どもの頃から夢を抱きながら「どうせ作るんだったらカッコいいほうがいいじゃないか!」というドクのセリフに触発されて、デロリアンで電気自動車(以下、EV)を作ってしまったオーナーの藤井智康さん。

 なぜEVなのかというと、デロリアンは燃料・電気系が弱く維持が難しい。そこで構造がシンプルなEV化を計画した。併せてCO2削減にはEVの普及が欠かせないと考え、2007年に〝デロリアンEV化計画〞がスタートした。

多くの人がEV化計画に共感、一大プロジェクトが動き出す

 最初に着手したのがデロリアンの入手だ。2年間で8500台しか生産されなかった希少性から、走れる個体は除外する条件付きでクルマ探しが始まった。そこには藤井さんのデロリアンに対する愛情と、大量生産大量消費時代のなかで物を大切にする文化のあり方に対するメッセージが込められている。 そんななか、ネットオークションで部品取り車として出品されたデロリアンを発見。出品者にコンタクトを取ってみるとEV化計画に共感。無償で譲渡していただいたそうだ。ちなみにそのオーナーさんはルーカスフィルム(バック・トゥ・ザ・フューチャーの製作にも参加)で仕事をしたキャリアのある方だと聞き、さらに驚き! 車体を確保し、いよいよ本格的にデロリアンEV化計画が動き出した。

Ver.3にアップデート! 急速充電機能も搭載

 しかし困ったのは、藤井さん自身が文系中の文系と豪語するほど機械や電気の知識が乏しかったこと。そこで2007年11月、デロリアンEV化計画をブログ上で発表。参加メンバーの募集を開始した。

 マツダのお膝元という風土もあってか、自動車整備の経験者や電気のスペシャリスト、製図が引ける人など、あらゆるジャンルの専門家の協力があり、2009年3月11日、改造申請を含めた車検に合格。国内で唯一のEVデロリアン(Ver.1)として、晴れて公道を走らせることに成功した。

 その後、2回のアップデート(Ver.2→Ver.3)を経て進化。現在はi-MiEVシステムを搭載。200Vの普通充電のほかCHAdeMO(急速充電)にも対応するなど、市販EVに劣らない利便性や使い勝手が備わっている。

 ちなみに満充電での航続距離は約100kmほど。再生可能エネルギーの普及が進まない日本では、電力を火力発電に頼る部分が大きく厳密には環境に優しいとは言いがたい側面もある。そこで藤井さんはプリウスPHVに太陽電池パネルを搭載した実証車と同じように、EVデロリアンにフレキシブルソーラーパネルを使い、走行中の太陽光充電が可能なプロジェクトも進行中だ。

どこに行っても目を惹く「EVデロリアン」が環境問題にひと役買う

 EVデロリアンの撮影を兼ねて藤井さんの運転で広島市内をドライブしていただいた。ジウジアーロデザインらしい地を這うようなロー&ワイドなEVデロリアンが街中を走ると、羨望の眼差しが至るところから向けられる。途中、原爆ドームがある平和記念公園の近隣でガルウイングを開いて撮影していると、海外から訪日した観光客から驚きの笑顔で声をかけてくる(撮影は2019年7月)。

 この注目度の高さは環境問題の提起にもひと役買っている。藤井さんはCO2削減を目的としたEVの普及や再生可能エネルギーの促進を目的に、ブログ「デロリアンEV化計画(https://delorean.tumblr.com)」で、愛車のEVデロリアンはもちろんEV普及に関するさまざまな出来事を綴っている。藤井さんの環境を意識した活動は、これからも続いていく。

■EVデロリアン 主要諸元

●ベース車両:デロリアン・モーター・カンパニー DMC-12(1981年製)

●全長×全幅×全高:4200mm×1860mm×1160mm

●車両重量:1260kg

●走行距離:8万6345km(取材時)

●駆動用バッテリー:交流330V/三元系リチウム16kWh

●モーター:永久磁石式(PM)同期モーター

●定格出力:25kW

●航続距離:100km(満充電時)

■詳しくはコチラ

https://delorean.tumblr.com

こんな記事も読まれています

高速のSAにある「演歌のCD」どんな人が買ってる!? あえて今「CD/DVD」を置く理由とは
高速のSAにある「演歌のCD」どんな人が買ってる!? あえて今「CD/DVD」を置く理由とは
くるまのニュース
日産「フォーミュラE」チームに最先端シミュレーター導入へ…Dynisma社と提携
日産「フォーミュラE」チームに最先端シミュレーター導入へ…Dynisma社と提携
レスポンス
6速MTのみ! ホンダ「幻の高性能スポーツセダン」がスゴい! 匠の「手作業チューニング」採用した究極の「タイプR」! 即完売した「MUGEN RR」とは
6速MTのみ! ホンダ「幻の高性能スポーツセダン」がスゴい! 匠の「手作業チューニング」採用した究極の「タイプR」! 即完売した「MUGEN RR」とは
くるまのニュース
防ぐ方法はある? 事故の元になるブレーキング操作時のタイヤのロック
防ぐ方法はある? 事故の元になるブレーキング操作時のタイヤのロック
バイクのニュース
国交省、「ステップワゴン」の車いす仕様車 ホンダ初のUDタクシーに認定
国交省、「ステップワゴン」の車いす仕様車 ホンダ初のUDタクシーに認定
日刊自動車新聞
年末年始の渋滞、ピークは下り線12月29日と1月2日、上り線は1月3日[新聞ウォッチ]
年末年始の渋滞、ピークは下り線12月29日と1月2日、上り線は1月3日[新聞ウォッチ]
レスポンス
ミック・シューマッハー、メルセデスF1のリザーブは今季限り。来季はWEC専念へ「自分が乗らないF1マシンを眺めるのは厳しいもの」
ミック・シューマッハー、メルセデスF1のリザーブは今季限り。来季はWEC専念へ「自分が乗らないF1マシンを眺めるのは厳しいもの」
motorsport.com 日本版
ホンダ、電動二輪車2機種をインドで発表…交換式バッテリーの『ACTIVA e:』とモペッドタイプの『QC1』
ホンダ、電動二輪車2機種をインドで発表…交換式バッテリーの『ACTIVA e:』とモペッドタイプの『QC1』
レスポンス
180万円! トヨタが「“新”ライズ」発売! 全長4m以下の小型ボディに迫力顔がスゴい! 「最小SUV」6年目の進化とは?
180万円! トヨタが「“新”ライズ」発売! 全長4m以下の小型ボディに迫力顔がスゴい! 「最小SUV」6年目の進化とは?
くるまのニュース
全長4.1mで600馬力! 日産「超“コンパクト”GT-R」がスゴい! 「V6ツインターボ」×4WDでまさかの“市販化”実現! 4ドアボディの「スーパースポーツSUV」どんなモデル?
全長4.1mで600馬力! 日産「超“コンパクト”GT-R」がスゴい! 「V6ツインターボ」×4WDでまさかの“市販化”実現! 4ドアボディの「スーパースポーツSUV」どんなモデル?
くるまのニュース
進化したアドベンチャースポーツ BMW Motorrad「F900XR」新型モデル発表
進化したアドベンチャースポーツ BMW Motorrad「F900XR」新型モデル発表
バイクのニュース
DIYスキルやカスタムセンスが光りまくり! 「オーテック里帰りミーティング2024」に参加したオーナーカーが個性的すぎた
DIYスキルやカスタムセンスが光りまくり! 「オーテック里帰りミーティング2024」に参加したオーナーカーが個性的すぎた
WEB CARTOP
トヨタ、SUV「RAV4」を一部改良 全グレードを4WDに 装備充実で価格は上昇
トヨタ、SUV「RAV4」を一部改良 全グレードを4WDに 装備充実で価格は上昇
日刊自動車新聞
首都高羽田線「大改造計画」いよいよ本格化へ!? 羽田トンネル「上下線分離」で渋滞緩和!? 「謎の高架橋」復活で「5車線化」のスゴさとは
首都高羽田線「大改造計画」いよいよ本格化へ!? 羽田トンネル「上下線分離」で渋滞緩和!? 「謎の高架橋」復活で「5車線化」のスゴさとは
くるまのニュース
フェラーリ、スキッドブロックの変更で予算にダメージ「技術指令が来たのが直前だったから……」
フェラーリ、スキッドブロックの変更で予算にダメージ「技術指令が来たのが直前だったから……」
motorsport.com 日本版
朝ドラで注目の【平成文化】バブル崩壊後におきた「RVブーム」で 1994年に登場した“記憶に残る日本車”3選
朝ドラで注目の【平成文化】バブル崩壊後におきた「RVブーム」で 1994年に登場した“記憶に残る日本車”3選
VAGUE
タクシーが儲かるかどうかは「アプリ加盟」が鍵! 年収900万円もあり得るイマドキのタクシードライバー事情
タクシーが儲かるかどうかは「アプリ加盟」が鍵! 年収900万円もあり得るイマドキのタクシードライバー事情
WEB CARTOP
“アルファードミニ!?” スズキ「新型ワゴン」1月発売? デザイン大幅刷新! 「ソリオ」何が変わる? 既に先行パンフ配布! ユーザーの声は
“アルファードミニ!?” スズキ「新型ワゴン」1月発売? デザイン大幅刷新! 「ソリオ」何が変わる? 既に先行パンフ配布! ユーザーの声は
くるまのニュース

みんなのコメント

23件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村