現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ちょっと語れれば「ツウぶれる」こと間違いなし! セレブに愛されたいぶし銀的「英国車」ジェセン・インターセプターとは

ここから本文です

ちょっと語れれば「ツウぶれる」こと間違いなし! セレブに愛されたいぶし銀的「英国車」ジェセン・インターセプターとは

掲載 12
ちょっと語れれば「ツウぶれる」こと間違いなし! セレブに愛されたいぶし銀的「英国車」ジェセン・インターセプターとは

 この記事をまとめると

■イギリスにはかつてジェセンというメーカーが存在していた

このイケオジを知らないポルシェ乗りはもぐりってホント!? 40台以上を所有するアウトローなポルシェコレクター「マグナス・ウォーカー」って誰?

■同社の「インターセプター」というモデルは6000台以上売れたヒット作となった

■世界的に人気があるクルマで復刻モデルが登場した過去もある

 イギリスの隠れた名車「ジェセン・インターセプター」とは

 1960年代のイギリス車って宝物みたいなモデルがひしめきあっていますよね。ロータスやジネッタ、あるいはACなんてスポーツカーはもちろん、ロールスロイスやジャガーといったラグジュアリーサルーンなどなど、忘れがたいメイクスには事欠きません。

 そんななかで、わりとフォーカスされてこなかったのが、ジェンセンではないかと。1930年代からいろいろと作ってきて、クラーク・ゲーブルをはじめとした当時のセレブにも愛されたメイクス。とりわけ、アメリカでスマッシュヒットをかましたインターセプターは、当時のイギリス製スポーツカーのなかでも異彩を放っていたモデルに違いありません。

 ジェンセンは上述のとおり、1934年からコーチビルダーとしてさまざまなタイプを世に送り出してきました。黎明期のモデルで有名なのは1936年にハリウッドの俳優、クラーク・ゲーブルがオーダーしたフォードのV8エンジン搭載モデル「ジェンセン・フォード」かと。

 ちなみに、これは宣伝用にゲーブルが公表を許したもので、実際にはオーダーをキャンセルし、所有には至らなかったそうです。それでも、アメリカにおけるジェンセンの名声はそれなりに定着し、1950年に発売したインターセプター(初代)も、クライスラーのV8 Hemiエンジンを搭載するなど、アメリカ人好みに仕上げられていたのです。実際、レーサーのブリッグス・カニンガムが購入したこともあり、ジェンセンにとってインターセプターは特別な意味を持つ名前になったのでした。

 そして、1966年にインターセプターの名は再びジェンセンのカタログに載りました。2代目はそれまで社内で製作していたFRPボディをイタリアのカロッツェリア「トゥリング」に依頼して、スチールボディを採用しています。FRPでは、インターセプターのアイコンともいえるリヤのガラスハッチが強度的に難しかったのでしょう。

 なお、初期モデルは、これまたイタリアのコーチビルダー「ヴィニャーレ」が架装を担うなど、ゴージャスなチームワークを構成。栄えあるネーミングを復活させただけあって、会社規模のわりに大きな投資をしたものです。

 そして、搭載されるエンジンも当然のようにV8をチョイス。クライスラーの6.3リッターと7.2リッターの2タイプが用意され、それぞれトルクフライトのATでドライブするというアメリカンなトレインとなっています。MTもクライスラー製4速ギヤを用いたモデルが作られましたが、意外なことに23台のみの生産。ジェンセンが考えるターゲットユーザーが垣間見えてくるデータといえるでしょう。

 それは、悪くいえば平凡なシャシーにも同様なことが言え、フロントがダブルウイッシュボーンはいいとしても、リヤは旧弊なリーフリジッドでは、サーキットをぶっ飛ばそうという気にはなりませんからね。

 それでも、エンジンだけはどんどん強力になっていき、1970年にはトリプルキャブレターの「SP」が追加され、それまでの285馬力から390馬力まで向上しています。映画のワイルドスピード「ユーロミッション」でパワースライドをきめていたのは、おそらくSPをベースにしたレストモッドモデルだったのではないでしょうか。

 さまざまなタイプが販売され復刻も果たす人気っぷり

 そして、1974年にはコンバーチブルがラインアップしたのですが、翌1975年にはコンバーチブルボディにわざわざパーマネントルーフを取り付けたハードトップクーペを発売しています。従来のクーペに飽き足らず、手間をかけてまでバリエーションを増やすあたりはじつにイギリス人らしい方向性といえるでしょう。

 結局、インターセプターはMk.I/II/IIIまでシリーズが続き、6408台というジェンセン最大のヒットモデルとなりました。ハイパワーバージョンのSPも232台をリリースするなど、ジェンセンの目論見は大当たりとなったのです。これには、アメリカのディストリビューター、シェル・クベールの辣腕も大いに貢献したようで、氏はレッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムやバイクレーサーのフィル・リードといったセレブを相手にじゃんじゃん売りつけていたようです。

 が、当時の評判としては「すぐ壊れる」というもの(笑)で、キャブやATなどの持病は最後まで改善されることはなかった模様。わが国にも、一時コーンズを通して正規輸入されていたことがあるのですが、高価すぎて売れ行きはさして良くはなかったとのことです。

 それでも、インターセプターはジェンセンなきあと(1976年にオイルショックの煽りを受けて倒産)の1988年に奇跡的な復活を遂げています。これは、パーツの製造権を譲り受けていた元の下請け工場が資本を募って作り上げたもの。

 さらに、その後2007年にはこれらの権利を買ったクロプレディ・ブリッジ・カーズという自動車販売会社がインターセプターSというリバイバルモデルを50台限定で発売するなど、インターセプターの潜在的な人気は凄まじいものがあるようです。

 現在でも、クロプレディ社ではインターセプターのパーツや中古車を取り扱い、旧来のオーナーから絶大な信頼を得ているとか。

 生産された台数や期間にかかわらず、インターセプターのようにキャラが立っていると、こんなふうにリバイバルされたり、パーツベンダーが生き残っていたり愛され続けるものですね。1960年代のイギリス車は、やっぱり興味が尽きないものです!

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

18年ぶりに復活を遂げたトヨタ新型「クラウン・エステート」“待望”の発売! SUVの魅力をプラスした「新発想ワゴン」は635万円から
18年ぶりに復活を遂げたトヨタ新型「クラウン・エステート」“待望”の発売! SUVの魅力をプラスした「新発想ワゴン」は635万円から
VAGUE
ヒョンデ、『インスター』4月導入でEV普及を加速…新拠点開設やパートナーとの連携強化へ
ヒョンデ、『インスター』4月導入でEV普及を加速…新拠点開設やパートナーとの連携強化へ
レスポンス
軽自動車にこそEVがピッタリです。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」日産サクラ
軽自動車にこそEVがピッタリです。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」日産サクラ
LE VOLANT CARSMEET WEB
18年ぶり復活のトヨタ新型「クラウン“エステート”」! 「ワゴンとSUVの融合」実現した“デザイン”に込められた“想い”とは
18年ぶり復活のトヨタ新型「クラウン“エステート”」! 「ワゴンとSUVの融合」実現した“デザイン”に込められた“想い”とは
くるまのニュース
トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
くるまのニュース
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
VAGUE
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
motorsport.com 日本版
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
ベストカーWeb
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
WEB CARTOP
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
くるまのニュース
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
AUTOSPORT web
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
バイクのニュース
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
くるまのニュース
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
乗りものニュース
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
くるまのニュース
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
くるまのニュース
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
motorsport.com 日本版
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
レスポンス

みんなのコメント

12件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

222 . 5万円 312 . 6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

- 万円

中古車を検索
トヨタ セプターの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

222 . 5万円 312 . 6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

- 万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村