マツダはCX-5、CX-8に一部仕様変更を行ない、その内容はユーザーからの声を極め細く反映したもので、また新たな特別仕様車を設定したモデルの詳細説明があった。いずれも2019年の秋、冬に発表された変更ではあるが、今回仕様変更となったモデルに試乗することができた。
CX-5
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マツダの中心的存在であるCX-5に、細かな仕様変更を行なった。まずはボディカラーにマツダ3から投入したポリメタルグレーをCX-5にも新色設定し、CX-30から搭載のオフロードトラクションアシスト機能も追加設定した。この機能はAWDにおいて、スタックした場合など、ブレーキを摘むことで接地輪にトルクを伝へ脱出できるという機能だ。もちろん、トラクションコントロールと連動して作動し、モーグルなどの特殊な悪路でも、標準装着タイヤで高レベルの走破力を発揮できるという機能だ。
パドルシフトもAT全車に標準装備となった。そして、マツダコネクトのナビ画面サイズが7インチから8インチへとサイズアップするなど、「あったらいいなぁ」、「もう少し大きければいいな」といったユーザーの声に応えたわけだ。また、NVH性能として、トップシリーング材を構成するフィルムの材質を変更し、車室内に侵入したロードノイズを素早く吸収するよう機能を高めてもいる。
タフスポーツスタイルとシルクベージュスタイルを設定
「タフスポーツスタイル」特別仕様車と「シルクベージュスタイル」を新たに設定した。タフスポーツスタイルは、フロント、リヤにアンダーガーニッシュを装備し、汚れを気にしなくてもいいように、室内、荷室にオールウエザーのマット、ラゲッジトレイを装備している特別仕様車。
「シルクベージュスタイル」は量販グレードのプロアクティブをベースに、明るく上品なインテリアとなるようにシートの中央部にスウェード調の生地を採用した人工皮革のレザレットシートを採用した。また室内灯にLEDの採用もしている。
これらのシート表皮設定により、プロアクティブにレザレットシートが加わり、上級のLパッケージはノーマルレザーシートを、そしてトップグレードのエクスクルーシブ・モードにはナッパレザーのシートが装備され、選択肢の幅を広げる仕様変更を行なっている。
これらの一部改良、特別仕様車の設定は2019年12月12日に発表され、2020年1月17日から発売されている。
関連記事:マツダ 「CX-5」を一部改良
CX-8
CX-8はミニバンからの乗り換えユーザーをターゲットに2017年にデビューした多人数乗車が可能な3列シートのクロスオーバーSUVだ。搭載するエンジンはスカイアクティブ-Gの2.5L自然吸気、2.5Lガソリンターボ、そしてスカイアクティブ-Dの2.2Lクリーンディーゼルターボという3つのユニットがある。一方駆動方式では、2.5Lの自然吸気エンジンを選択するとAWDの設定がなく、また、ガソリンターボを選択するとFFの設定がない、といった選択の幅が狭かった。
今回の一部仕様変更に合わせて、これらの問題を解消し、全てのエンジンでFFとAWDが選択できるように追加設定した。一方でLパッケージまでの全グレードで、6人乗り、7人乗りの選択も可能にした。
2列目がキャプテンシートの6人乗りモデルには、2列目シートにレザーシートの設定とカップホルダーの追加、USBを2個追加する変更をした。また2列目がベンチシートタイプの7人乗りにはワンタッチウォークインスイッチを設定し、子供でも簡単に操作できるようにしている。
また全モデルの3列目にUSBを追加し全6箇所にUSBを設置。電動ガラスガラスサンルーフも設定追加しCX-5同様マツダコネクトを7インチから8インチにサイズアップ、そしてオフロードトラクションアシスト機能も追加している。さらに、NVHの進化として、CX-8ではルーフ裏側、つまり天井側に塗布型制振材を採用し、ルーフの雨音対策を新たにしている。従来、この塗布型制振材は天井に向けて噴霧できなかったが、技術改善により上向きでの塗布が可能になったということだ。
エクスクルーシブ・モード
トップグレードとなる特別仕様車エクスクルーシブ・モードも設定した。全ての乗員に深い寛ぎで満ちた優れた機能性を目指した豪華仕様だ。2列目も電動のパワースライド、リクライニングシートを設定し、シートヒーターだけでなくベンチレーションも装備するモデルだ。
CX-8のこれらの改良は2019年10月24日に発表され、11月28日から発売されている。
関連記事:マツダ 「CX-8」を商品改良
試乗インプレッション
上記のように今回の仕様変更は主に装備品関係で、ダイナミック性能に直接関わる変更がないため、試乗レポートとしては確認試乗ということになった。
CX-5、CX-8ともにルーフ周りの改良により静粛性に効果のある変更を行なっているが、この違いはオーナーのように乗り慣れた方でないとその差は掴めない仕様変更だ。
さて、試乗車のCX-8は、2.5LのNAエンジンでAWDの設定が追加されたモデルとCX-5では2.2Lのクリーンディーゼルの2モデルに試乗した。
試乗してみて装備に目を向けてみると、CX-5、CX-8ともにマツダコネクトが8インチへサイズアップしているが、見易くはなっているのだろうが、ライバルと比較するとやや先進性に欠け、スマートフォン対応は欲しいところ。そして、この2モデルは、もともと静粛性が高く、それも滑らかに、滑るように走る走行フィールを持っているが、今回2機種とも天井の制振材や塗布工程の変更ということで、反射音や侵入音の低減に効果のある変更を行なわれ、より静粛性に磨きがかかったということだ。もちろん、ディーゼルモデルでも十分静粛性が高く、同乗者がディーゼルだとは間違いなく気付かないレベルの静かさである。
試乗した日は風の強い日で、横浜の首都高速にあるレンボーブリッジや鶴見つばさ橋の上では、大型トレーラーが横風にあおられるほどの強風が吹いている。そうした中、静粛性を保ちながらCX-5、CX-8の直進性の良さ、安定感の高さには驚かされた。見える景色からはビュービュー風が吹き、ハンドルをとられながら、風切音を大きくしての走行になるはずがCX-5、CX-8ともに、特に大きな風切音もなく、静かに安定して走行する。強風の景色を見なければ、穏やかな晴れた日に気持ちよく走っている時と同じ状況なのだ。
この直進性の高さは、G-ベクタリングコントロールの効果で、直進状態でもタイヤにかかる接地荷重を瞬時に変更しているため、横風に煽られることなく安定してタイヤが接地しているからなのだ。ステアリングもしっかりと握る必要がないほど安定している。GVCの効果はわかりにくく、効果を体感しないという人も多いと聞くが、こうした風の影響や豪雨のような路面状況になると、その差を感じることはできるだろう。
イメージとしては車両に起こる何らかの要因で、タイヤの接地荷重が薄くなることがあるが、そうならないようにトルクを掛けているのがGVCだ。例えばワダチや今回のように横風などの外乱によって接地荷重が変化する。そうした変化が起きないように、あるいは起きた瞬間に荷重コントロールをすることによってカーブを曲がるときだけでなく、直進でも安定して走行できるというのがGVC効果というわけだ。
営業施策
マツダはこうした性能は長く試乗することで体感でき、マツダ車の魅力を感じて欲しいとしている。そのため全国のディーラーの約半数で長時間試乗という取り組みを行なっている。これは1泊2日や2泊3日といった期間で試乗でき、今回のCX-5、CX-8のスカイアクティブ-D搭載車、マツダ3とCX-30のスカイアクティブーX搭載車の計4車種でこの営業施策は展開している。
マツダは2020年に創業100周年を迎え、さまざまなイベントを行なっている。その中で、マツダはユーザーとの絆を深め、お互いになくてはならい関係を築きたいという目的を持ち、また、そうしたメーカーになりたいとしている。マツダのスポーツカー、ロードスターではそうした関係ができているものの、他の車種ではまだまだ足りていないという。そうした関係こそがマツダプレミアムであると位置付けているのだ。マツダは、提供価値は、走る喜びを追求することであり、クルマがあることで人生が豊かになることを目指しているというわけだ。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>
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みんなのコメント
メーカーも相当ヤバいけど評論家さんも同レベルって事ですかね。
私は今マツダ車に乗ってますけど次はまず買いませんけどね。
自分の場合はマツダからVWやBMWを運転するとマツダより劣っていると感じてしまう
しかもVWは運転していてつまらない