■日産に「SUV風ミニバン」あった!
近年、アウトドアやキャンプが流行していることなどから、タフなイメージを持たせるエクステリアを持つクロスオーバーSUVが人気のボディタイプとなっています。
一方で、広い室内や大人数が乗れる機動性を持つミニバンも人気ですが、実は人気のミニバンに「SUV風」のエクステリアを組み合わせたモデルが存在しました。
【画像】今見ると斬新!? ちょうど良い「タフ感」アリの日産「SUV風ミニバン」を画像で見る(32枚)
日産「セレナ」は同社のミドルサイズミニバンとして、1991年の初代モデル登場以来、日産のラインナップでは主力車種として6世代に渡り展開しています。
なかでも2005年5月に登場した3代目セレナは登場当初、先代モデルにあった売れ筋のエアロパーツを装備する「ハイウェイスター」を廃止し、ひと味もふた味も違ったデザインをもつ「20RX」「20RS」を展開。
この2つのグレードは「安定感のあるモダンなキュービックボディをベースに、『都会的で個性的な』イメージ」を与えたモデルだと日産では説明しています。
ボディ同色のフロントグリルは海外ブランドのSUVを想起させるダクトが複数設けられ、フロントバンパー下部からボディサイド、リアバンパーまで「アクセントカラードベルト」と呼ばれるグレーの樹脂パネルを装備。全体的にクロスオーバーSUV風と言っても過言ではない雰囲気をまとっています。
しかし、SUV風のエクステリアをアピールする特定のグレート名称は特に用いられず、RX・RSの「R」にRV(レクリエーショナル・ビークル)であることをほのかに感じさせるのみと、主張は控えめ。
またスタイリングも、SUV風というにはやや中途半端な印象もあるためか、残念ながらユーザーからの強い支持は得られなかったようです。
そして、デビューからほぼ1年後の2006年6月、再び売れ筋のハイウェイスターを復活させたところ、早々に人気グレードとなりました。翌2007年12月のマイナーチェンジでは、20RX/20RSがひっそりと廃止され、従来どおりノーマルとハイウェイスターの2タイプ体制に戻されることになりました。
以後、クロスオーバー風のミニバンは日産からは登場していませんが、もう少し登場が遅ければまた違った結果をたどっていたかもしれません。
※ ※ ※
実はセレナは、初代および2代目にも「キタキツネ」というカスタムカーを販売していました。
キタキツネは、日産車のカスタマイズや福祉車両などを手掛ける関連会社のオーテックジャパン(現・日産モータースポーツ&カスタマイズ)が担当しており初代は当時の本格四輪駆動車で流行していたカンガルーバー風の専用大型グリルガードを装備。
2代目もプロテクター感のある専用デザインの大型フロントバンパーを装備し、サイドにはキタキツネの親子のイラストが描かれたサイドデカールが施されるほか、撥水機能を持たせた専用カラーの内装生地とするなど、内外装ともにSUVテイスト全開となっていました。
現在、セレナは2022年11月にフルモデルチェンジを果たした6代目となり、高速道路で同一車線走行に手放し運転を可能とする「プロパイロット2.0」をはじめ、最先端技術の搭載や安全性能の向上を図りました。
SUVテイストをアピールしたクロスオーバータイプのミニバンでは、三菱「デリカD:5」が台頭する中、本格的な四駆性能までは必要ないというユーザーに向け、内外装を中心に「アウトドア感」を高めたモデルがいま登場しても面白いかもしれません。
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