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ホンダ「新型CR-V」詳細解説 クラストップの質感、走りを目指したグローバルSUV

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ホンダ「新型CR-V」詳細解説 クラストップの質感、走りを目指したグローバルSUV

2018年8月30日、ホンダはミッドサイズの新型SUV「CR-V」を発表し、1.5L直噴ターボモデルは8月31日から、ハイブリッドモデルは11月1日から発売すると発表した。4代目CR-Vは、2016年3月末で受注を停止しており、2年半振りに5代目が復活したことになる。

実はこの5代目CR-Vは、2016年10月にデトロイトでワールドプレミアされ、同年末に2017年型モデルとして北米で発売が開始されている。また2017年7月には中国の東風ホンダがら発売された。そして国内への導入は一番最後の投入となり、2017年の東京モーターショーに参考出展されて、ようやく発売を迎えたわけだ。

ホンダ、大きく進化した新型「CR-V」発売、初のハイブリッドモデルも投入


クラストップの走りの質感目指すグローバルSUV

5代目CR-Vは「日本で生まれ、世界が鍛えたSUVベンチマーク」というにふさわしい存在となるべく開発された。つまりC+セグメント(アメリカ市場ではコンパクト・セグメント)のクロスオーバーSUVとしてトップレベルの性能に高めることが目標となった。



具体的な目標は、SUVとしての実用性、質感の高さや力強さ、快適な乗り心地、タフな走破性能などをトップレベルに引き上げることだった。特に走りの質にこだわり、運動性能を鍛えるためにヨーロッパの各地を走り込んだという。


そしてどんな場面でも、どんな状況でも快適で安心して走ることができるように、ドライバーのイメージとクルマの挙動を一致させ、クルマの動きがスムーズで、安心感のある挙動になることを目指し、これらは「ワンモーション・コンセプト」と名付けられ、細部にまでこだわった煮詰めを行なったという。



CR-Vのボディサイズは、全長4605mm、全幅1855mm、全高1680mm(AWDは1690mm)、ホイールベース2660mmで、基本はシビックのグローバル・プラットフォームを採用したC+セグメントサイズだが、全幅は1855mmでアメリカ市場を意識したグローバル・モデルらしいワイドな設定になっている。

なおSUVとして求められる最低地上高は1.5L直噴ターボのFF車は200mm、AWD車は210mm、ハイブリッドはFFが190mm、AWD車は200mmを確保し、従来モデルより大幅に高めている。なおタイヤは235/60R18という18インチの大径サイズとしている。

パッケージ的には、クラストップレベルの広さ、快適さを追求し、さらにラゲッジ容量もガソリン・モデルで561L、ハイブリッド・モデルで499Lを確保。



グレードは、1.5L直噴ターボモデルがEX、EXマスターピースの2グレードでそれぞれ2列シート(5人乗り)と3列シート(7人乗り)、さらにFFとAWDが選べるようになっている。ハイブリッド・モデルはハイブリッドEX、ハイブリッドEXマスターピースの2グレードで、こちらは2列シート(5人乗り)だけの設定で、FFとAWDは選択できる。

1.5L直噴ターボと2モーター式i-MMDハイブリッドをラインアップ

パワートレーンは、ダウンサイジング・コンセプトの1.5L直噴ターボ、アトキンソンサイクル2.0L+i-MMDハイブリッドの2本立てだ。海外では、2.4L、2.0L、1.6Lディーゼルなどもラインアップされているが、日本仕様は1.5L直噴ターボ、2.0Lハイブリッドに絞られている。


1.5L直噴ターボは、190ps/240Nmの出力で、最大トルクは2000rpm-5000rpmで発生する低中速トルク重視型で、2.4L自然吸気エンジンに匹敵する動力性能を実現。クーリングチャンネル式ピストン、電動ウェイストゲート付きターボの採用などにより高出力化を図っている。トランスミッションはCVTで、7速ステップ変速モード、パドルシフト付きだ。

ハイブリッドは、燃費と走りの高次元のバランスを重視し、2モーター・ハイブリッドを採用。高速巡航時のみはエンジンを直結し、走行するシステムになっている。2.0Lアトキンソンサイクル・エンジンの出力は145ps/175Nm、モーター出力は184ps/315Nmだ。


またこのハイブリッド・ユニットはドライバーに違和感を与えないように、車速にリニアに対応するエンジン回転数、エンジン音を作り込んでいる。この2種類のパワートレーンは走りと燃費を両立させ、ハイブリッドはJC08モード燃費が25.8km/L、1.5直噴ターボは15.8km/Lとトップレベルにある。

また駆動システム1.5L直噴ターボ・モデル、ハイブリッド・モデルのいずれもFFとリアルタイムAWDの2種類を設定。特にi-MMDとリアルタイムAWDの組み合わせはホンダ初の設定だ。

構造はフロントのトランスアクスルに後輪駆動用のトランスファーを加え、プロペラシャフトを介して小型電動油圧ポンプ+電子制御クラッチを使用するオンデマンド式のリアルタムAWDユニット/デフを駆動するシステムだ。新たにヨーレート・センサー、舵角センサーをによるフィードバック制御も行ない、ドライ路面から滑りやすい路面まで旋回性能を高めるようにしている。


しなやかで爽快な走りを目指したシャシー

シャシーはフロントがストラット式、リヤはマルチリンク式だ。前後のコンプライアンスブッシュには微振動を抑制する液封式を、リヤサブフレームはフローティングマウント式を採用。またダンパーは振幅感応式ダンパーを採用し、微振動を抑えながら快適で安心感のあるサスペンションとしている。


振幅感応式ダンパーは、微低速ではメイン・ピストンバルブが作動して減衰力を抑え、タイトコーナーやより大きなストローク入力時にはメイン・ピストンバルブとセカンド・ピストンバルブの両方が作動し高い減衰力を確保することで、乗り心地と操縦安定性を両立させている。

ステアリングは高剛性のデュアル・ピニオン式電動パワーステアリングで、可変ギヤ比を採用。ラックギヤのリジッドマウント、コラム径の拡大などによりステアリング系の剛性も大幅に向上。また、コーナリングをアシストするアジャイルハンドリングアシスト(トルクベクタリング)を装備し、リニア感のある軽快なハンドリングとしている。


ブレーキは、1.5L直噴ターボ・モデルに電動ブレーキ・ブースターを初採用、安定した剛性感の高いブレーキとしている。またハイブリッド・モデルはステアリングを握ったままeエンジンブレーキの減速度4段階に変更できる減速セレクターを装備している。

高剛性で静粛性の高いボディ

ボディ骨格はインナーフレーム構造をシビックなどに続いて採用。骨格の結合剛性を高め、さらにリヤダンパー取付部の剛性を上げるなど、強固で高剛性の骨格としている。また高張力鋼板を36%にまで拡大し、1.5GPa級のホットスタンプ材をAピラーやサイドシルに採用し、軽量化と高強度を両立。この結果、4代目CR-Vとの比較でねじり剛性は25%向上している。



またフロント・バルクヘッドは樹脂化するなど高張力鋼板の採用と合わせて軽量化も実現。同時に、トップレベルの静粛性を追求し、従来からの吸音、遮音材の採用に加え、フロアアンダーカバー、前後インナーフェンダーなどにも吸遮音材をきめ細かく配置。フロントガラスにも遮音ガラスを採用している。


燃費性能とダイナミックなデザインを追求し、空力デザインも重視し、レーシングカー開発を担当する本田技研・サクラで風洞実験を繰り返し、優れたエアロダイナミックスを実現している。国内のホンダ車としては初のラジエーターの可変シャッターグリルも採用し、燃費と空気抵抗低減を図っている。

そして、ドライバーの感性を重視したリニアなエンジンサウンドも重視され、ハイブリッド・モデルはエンジンのこもり音の低減と最適な加速サウンドを両立させるアクティブ・サウンドコントロールを採用している。一方、1.5L直噴ターボ・モデルはエンジンのこもり音を逆位相の周波数で打ち消すアクティブノイズコントロールを採用している。

装備

新型CR-Vはミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたホンダ・センシングを全車に標準装備している。自動ブレーキはもちろん道路標識表示、ステアリングアシスト、アダプティブクルーズなどの運転支援機能をフルに備える。

またEXマスターピースは、国内のホンダ車初のハンズフリー・パワーテールゲート、メモリー機能付き運転席8ウェイパワーシート、電動ランバーサポートなどを備える。

インテリアでもEXマスターピース・グレードは本革シートを装備するなど、このクラスの常識を打ち破る充実装備になっていることも新型CR-Vのアピールポイントだ。

日本市場ではハリアー、エクストレイル、CX-5、フォレスターのライバルとなるが、新型CR-Vは異例なほどコスト・バリューの高いニューモデルということができる。

ホンダ CR-V 諸元表

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