燃費に優れて走りも楽しい自動車もある
10年前の夏にレギュラーガソリン1リッターの平均価格が180円を超え「200円になったらいろいろな意味でどうしよう」と言っていた頃ほどではないものの、現在(8月8日発表)もレギュラーガソリン1リッターの平均価格は152.1円と高値を推移している。
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ガソリン価格は世の中の情勢任せだけにどうにもならないが、クルマを買う機会があるなら「燃費のいいクルマにしてガソリン代を抑える」という自衛策もある。ということで当記事ではマイナーチェンジなども含め登場から1年程度のクルマから燃費がいいだけではない”エコで楽しい旬なモデル”を日本車から選んでみた。
1)トヨタ・クラウン 2.5ハイブリッド (JC08モード燃費 2WDで23.4~24.0km/L)
6月にフルモデルチェンジされたばかりのクラウンは日本を代表するクルマ、さまざまな日本の環境にマッチした高級車である。現行クラウンはクラウンのような伝統ある高級車では課題になることもある「ユーザーの若返り」を目指し、スタイルはもちろん、クルマの土台となるプラットホームも最新のものに一新。
走りも標準グレードではクラウンらしいしなやかさ、スポーティなRS系では過度ではないシャープさと快適性を両立しており、従来のクラウンユーザーだけでなく、輸入車に乗っていたユーザーも興味を示しそうな仕上がりを見せる。
メインとなる2.5リッターハイブリッドの実用燃費も、今後公表が義務化され、測定方法が厳しい方向となる上に走行モードごとの燃費も発表されるWLTCモードに極めて近く、性能と燃費を高次元で両立している。
2)日産セレナe-POWER (JC08モード燃費26.2km/L) ホンダステップワゴン ハイブリッド (JC08モード燃費25.0km/L)
トヨタのヴォクシー三兄弟と並ぶ日本のファミリーカーのスタンダードとなったハイトミドルミニバン三強を構成する2台にも、セレナには今年2月、ステップワゴンには昨年9月にハイブリッドが加わった。
セレナ、ステップワゴンともに、ハイブリッドのシステムは、エンジンで発電機を回しそこで起きた電気でモーターを動かしタイヤを駆動するシリーズハイブリッドとなり、両車とも基本的には同じだ(ただしステップワゴンはスピードが上がると、電気駆動よりも効率≒燃費に優れるエンジン直接駆動モードを持つ)。
2台とも燃費の良さや静かさ、スムースさは十分。加えて、セレナe-POWERは1.2リッターエンジンという小排気量エンジンを源としてミドルミニバンが動いているという新鮮さと、少し慣れはいるけど、すぐに便利に感じるアクセルペダルの操作だけで停止までの減速コントロールができるe-POWERドライブが先進性を感じさせる。ステップワゴンハイブリッドは2リッターエンジンを搭載し215馬力というシステム出力(フルパワー状態)による、爽快な加速や重心の低さなどを生かしたミドルハイトミニバンらしからぬ軽快でシャープな走りといった楽しさも持つ。
3)マツダCX-8 (JC08モード燃費17.0~17.6km/L)
CX-8は、マツダがミニバンから撤退したという事情もあり、3列目シートを設けミニバン的にも使える3列シートSUVというジャンルへの注目が高まったきっかけとなったモデル。SUVながら、頻繁な使用頻度でなければ十分使える3列目シートを備えている点は見事だ。
エンジンは大改良を受けた2.2リッターディーゼルターボを搭載し、静粛性やスムースさ、絶対的な速さなどすべてが絶品と言える素晴らしい完成度を誇る。実用燃費もカタログ発表に近く、ボディサイズ(運べる人数、積める荷物の量を含む)と燃費のバランスでは世界一かもと感じるほどの存在だ。
4)三菱アウトランダーPHEV (EV走行可能距離60.2~60.8km、JC08モード燃費19.2km/L)
ミドルクラスSUVのアウトランダーをシリーズハイブリッドとし、大容量のバッテリーを床下に積んだSUVのプラグインハイブリッドカー。買い物などの普段使いは充電すればほぼEVとして使える点や、静かさ、スムースさに加え、三菱自動車らしい4WD性能の高さや十二分なキャビンとラゲッジスペースも備え、日本一万能なクルマといえる点も大きな魅力だ。
2012年登場と時間こそ経っているものの、近日中にマイナーチェンジされる。それによりエンジンは2リッターから2.4リッターに拡大されより静粛性も高まり、バッテリー残量も15%増しとなりEV可能走行も延びるほか、各部の改良も施されるので、興味がない人も使い方がマッチすればぜひ候補に入れて欲しい。
5)スズキ・スイフトスポーツ (JC08モード燃費(16.2~16.4km/L)
スズキのコンパクトカー「スイフト」に華を添えるスポーツモデル。全体的にいい意味で万人向けの仕上がりとなっており、幅広いユーザーが楽しめる。
エンジンは1.4リッターターボを搭載しており、高回転域の気持ちいい伸びこそないものの、低回転域からトルクフルなため楽で実質的に速い。そういった性格のエンジンだけに6速MTに加えて設定される6速ATとのマッチングも素晴らしく、このクラスではまだ少ない先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールも設定されるのでATを長距離移動を重視したGTカー的に使うのもいい。
価格も200万円前後と内容を考えれば激安な上に、人気あるスポーツモデルだけにアフターパーツも豊富で、不満も楽しみながら改善し、自分好みのクルマを造りやすいのも大きな魅力だ。
そして実用燃費も公表値に近いか、条件によっては公表値以上のこともしばしばあるほどで、すべてのバランスに優れたスポーツモデルと断言できる。
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