ホンダ・レーシングの渡辺康治社長が、レッドブルに対して、角田裕毅をテストでもいいからレッドブルのマシンに乗せて欲しいとリクエストを出してることを明らかにした。これについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、「色々な計画がある」と含みを持たせた。
レッドブルは今季序盤は圧倒的な強さを見せたが失速。ついにマクラーレンに、コンストラクターズランキング首位の座を奪われてしまった。先週末のアメリカGPでは、マックス・フェルスタッペンがF1スプリントを勝利したものの、決勝ではフェラーリ勢が1-2。レッドブルはフェラーリ勢にもコンストラクターズランキングで先行されてしまう可能性が高まった。現時点でのポイント差は8と、ごくわずかである。
■HRC渡辺社長が語る、ホンダのドライバー育成の今後「角田裕毅をテストだとしてもレッドブルに乗せるよう、ホーナー代表に強くプッシュしている」
この要因は、セルジオ・ペレスのパフォーマンスが優れないことにほかならない。
フェルスタッペンはここまでに354ポイントを獲得し、依然としてドライバーズランキング首位に立っている。一方でチームメイトのペレスは、150ポイントの獲得にとどまりランキング8番手。結果的にレッドブルの足を引っ張ることになってしまっている。
ペレスはすでにレッドブルと2026年までの契約を結んでいるが、その成績不振により更迭の噂が絶えない。既にそれは規定路線とも言われており、その後任は角田裕毅か、あるいはリアム・ローソンか……様々な噂が飛び交っている。
しかし角田はこれまで、グッドウッドと台湾でのデモラン以外では、レッドブルのF1マシンを走らせたことがない。レッドブルの最新マシンを本格的なテストで走らせたことが一度もないのだ。一方のローソンは、ピレリの来季用タイヤのテストなどで、レッドブルのマシンをドライブしている。
この状況にHRCの渡辺社長がサポート。「ドライバーの選択はチーム側の権限なのですが、チームのパートナーとして、角田をレッドブルのマシンに乗せる、テストで乗せるという強いリクエストを出しています」と、motorsport.com日本版の取材に明かした。
この発言をmotorsport.comのグローバル版が英語に翻訳して報じると、世界各国のメディアも引用して報じることになった。そしてアメリカGP決勝レース後、マルコ博士に対して「角田をレッドブルのマシンに乗せる予定はあるのか?」と質問を投げかけられた。
マルコ博士はこの質問をしたmotorsport.comグローバル版の記者に対して、次のように答えた。
「君は日本人かい?」
そう大笑いしながらマルコ博士は、次のように続けた。
「アブダビに向けて、いくつかの計画があるよ。でもご存じのように、我々には色々なドライバーがいる。たとえばハジャー(アイザック・ハジャー/FIA F2参戦中)がいる。そして今では、リアム(ローソン/RB)もいるからね」
マルコ博士は明確には答えなかったものの、角田がレッドブルのマシンを走らせる可能性も十分にありそうだ。ただそのためにも、グランプリで光る走りを見せる……それが重要になるだろう。
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みんなのコメント
マルコ: いくつかの計画はあると言ったが、裕毅乗せるとは言ってない。