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【存在意義は?】スバルにとっての「BRZ」 アメリカシフトから読み解く

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【存在意義は?】スバルにとっての「BRZ」 アメリカシフトから読み解く

新型はトヨタの関与度合いが高まる

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】どう変わった?【スバルBRZ新旧モデル比較】 全152枚

editor:Taro Ueno(上野太朗)

やっと、新型BRZが日本でお披露目された。

2020年11月にアメリカで先行公開され、アメリカ人ジャーナリストらがすでに試乗をおこなっているが、それから5か月近く経ってから、日本仕様の登場だ。

日本での公開の中で強調されたのが、トヨタとの関係強化だ。

スバルのプレスリリースの冒頭、「トヨタともっといいクルマづくりを追求し」という1文が目を引く。

2012年登場の初代BRZでも、トヨタとの協業体制を敷いてきたが、エンジンも車体もスバル(当時の富士重工業)の設計であり、生産も群馬県太田市内のスバルの製造施設というスバル主導型のビジネスモデルだった。

2代目BRZと新たにGRの仲間入りをしたGR86についても、初代に近いトヨタとの関係に思えるのだが、実態としては2019年9月に2社で合意した業務資本提携の影響が色濃くあり、実質的にはトヨタが関与する度合いがかなり高まったといえる。

スバルとしては、いわゆるOEM供給(相手先ブランド供給)として、トヨタを「お客さま扱い」するのではなく、スバルの強みであるスポーツカーに対するものづくりを、より深くトヨタの議論する体制となっているようだ。

一方で、スバルを取り巻く社会環境はどうか?

スバルはこれからどのようにして、生き残っていくのか? そこにBRZは、どう絡むのか?

進むスバルのアメリカシフト

BRZが誕生した2012年と現在(2021年)で、スバル全体を俯瞰すると、大きな違いは販売台数の倍増だ。

2020年はコロナ禍とはなったが、今や100万台の大台を超える企業になった。

背景にあるのは、急激に成長したアメリカでの販売の伸びだ。出発点は、2000年代中盤に掲げたアメリカ市場強化戦略だった。

スバルのブランドイメージは、レガシィに代表されるようなヨーロピアンテイストがあった。結果的に当時の世界最大自動車市場だったアメリカでの人気は限定的だった。

そのころのスバルについて、筆者は居住地のテキサス州ダラスで身近に感じていたのだが、テキサスや、カリフォルニアなど、サンベルトと呼ばれる自動車需要が多い地域ではマイナーブランドに過ぎなかった。

スバルがよく売れていたのは、西海岸北部のワシントン州やオレゴン州、東海岸でも北部のメーン州やニューヨーク州、そして中部ではコロラド州など、いわゆる生活四駆として需要だった。

一部には、アウトドア系の趣味として使う層もいたが、車両サイズがアメ車と比べて小さいことで利便性に欠けるとの声も多く聞かれた。

こうした状況を踏まえて、スバルのアメリカ市場に向けた商品企画が大幅に見直されることになった。

アメリカでの躍進 日系4番手へ

スバルのアメリカシフトは、2010年代になってから着実に効果を生む。

アメリカでの利便性を考えた商品が、インプレッサ、フォレスター、アウトバックと徐々に出揃っていく中で、「ラブキャンペーン」というマーケティング戦略がスバル関係者の予想を遥かに超える社会現象となり、アメリカでのスバルに対するブランド価値がどんどん上がっていった。

その結果、日系メーカーとしては、三菱やマツダに大きく差をつけ、トヨタ、ホンダ、日産の日系ビッグに次ぐ、日系4番目のブランドとしてのポジションを確定させた。欧州系と比べても、BMWやVWを凌ぐ販売台数を誇るようになった。

こうしたアメリカでのスバル上昇気流の中で、BRZが生まれた。

ただし、当然のことながら、他のスバル車がシンメトリカルAWDを商品訴求価値として明確化している中で、水平対向型エンジン搭載とはいえ、FRスポーツカーというBRZの性質は、アメリカの一般人の目には異質なモデルとして映った。

それでもなぜ、スバルがBRZをアメリカで販売し、そして2代目への進化させたのか?

そこには1990年代末にアメリカで起こった日系チューニングカーブームの起源とする、アメリカでのスバル・スポーツブランド戦略に対する調整と新たなる挑戦がある。

STIブランドの中核として

映画「ワイルドスピード」初回作が公開された2001年頃、米西海岸を中心に全米に広がっていた日系チューニングカーブームは、すでに下降線を辿っていた。当時、その現場にいた筆者(桃田健史)はそう感じていた。

その後、スバル・オブ・アメリカは当時のWRX STIを正式販売するのだが、スバルの一般的なユーザーとSTI志向のユーザーには、日本以上にスバルブランドに対する意識の差が大きかった。

実は現時点でも、アメリカではSTIをブランドではなく「モデルの1つ」というイメージが先行しており、そうした状況を打破するために「S209」を北米専用化したことを、STIの平岡泰雄社長は筆者とのインタビューの中で語っている。

一方で、STIをモータースポーツと直結させるモデルは、ニュルブルクリンク24時間や国内スーパーGTのBRZであり、STI全体としてBRZは必要不可欠な存在であることに変わりはない。

日欧でのBRZを中核としたSTIブランドの実情を踏まえて、スバル主力市場であるアメリカで新型BRZを上手く活用することで、アメリカでのスバルブランド全体の底上げ効果が期待される。

こうした事情が大きく影響し、BRZは2020年11月にアメリカ先行発表となった訳だが、スバルとSTIの本家、日本のBRZファンにとって新型の走りはどう伝わるのか?

2021年夏の日本仕様発売が待ち遠しい。

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みんなのコメント

5件
  • 記事の主旨が良く分からない。
    タイトルを考慮すると、アメリカでの現行BRZの状況とそこから次期型BRZへの期待感が述べられないと意味がない。タイトルにだけBRZを持ってきて、記事内容はSUBARU全体のの北米戦略。なんかおかしい。
  • ヤリスの様なラリーベースの車をトヨタが作り
    BRZの様なクーペのFRスポーツをスバルが作る…
    20年前だったら真逆だった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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