本当に「大河のど真ん中」でした
地図上では「川のど真ん中を延々と通っている」ように見える、という道路が中部地方に存在します。どのような道路なのでしょうか。
この道路は三重・岐阜県道106号「桑名海津線」。その名の通り県境をまたぐ道路ですが、延々と8km以上にわたって、川のど真ん中を通っているように見えます。
この道路は長良川と揖斐川を分ける「背割堤」の上を活用したもの。背割堤とは、川の合流部から2つの流れを分けるように設けられた堤防のことで、ここは地元では「中堤」と呼ばれています。
道路としては、一般的な2車線の県道といったところですが、周囲には家もなければ信号もありません。岐阜県側から通行すると、片側が川、片側が草むらといった光景が続き、堤が細くなるJR関西本線・近鉄名古屋線の橋梁手前などは、視界の両側に大河が広がり、まさに川のど真ん中を走っているような感覚です。
このエリアは木曽川・長良川・揖斐川が伊勢湾へと流れ込み、水害対策で多くの堤防が築かれたいわゆる“輪中”地域です。桑名海津線以外にも、堤防の上を行く道路が南北方向に通っているほか、大河をまたぐ東西方向の道路も比較的多く、信号の少ないスムーズな移動ができます。
桑名海津線は岐阜県側から南下すると、国道1号の「伊勢大橋」のど真ん中にT字で接続。伊勢大橋は15連のアーチを持つ壮麗なトラス橋ですが、その中間のトラスへ横穴を開けるように接続しているのも興味深いポイントです。ただ、この国道1号との接続部や1号そのものが渋滞するので注意が必要でしょう。
また、こうした堤防の道路にはガードレールがない区間も。よそ見をして車線を逸脱すれば、川にドボンな場所も多々あるので、これも注意が必要です。なお、夜は真っ暗になります。
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