現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「SUVは冠水に強い」は本当? 多発するゲリラ豪雨で冠水路増加も 走行時に「最低地上高」が大切なワケ

ここから本文です

「SUVは冠水に強い」は本当? 多発するゲリラ豪雨で冠水路増加も 走行時に「最低地上高」が大切なワケ

掲載 33
「SUVは冠水に強い」は本当? 多発するゲリラ豪雨で冠水路増加も 走行時に「最低地上高」が大切なワケ

■近年多発する道路の冠水被害…「SUVは有利は本当?」

 近年では、夏時期になると突然の大雨(ゲリラ豪雨)により、河川が氾濫することや、アンダーパスに雨水が溜まり冠水路となる光景が見られます。
 
 基本的に、二次災害を防ぐためにも冠水路を避けて通行することが望ましいですが、場合によってはそのまま進行しなければならないことも考えられます。
 
 では、どの程度の冠水路であれば走行が出来るのでしょうか。

【画像】水深70cmでも余裕! 地上最強のSUVを見る!(28枚)

 2022年6月には、各地域で観測史上最大の大雨を記録し、たとえば北海道旭川市では堤防が決壊して河川が氾濫し、近隣住宅の床上60cmほどが浸水する被害となりました。

 また、同年7月には、埼玉県北部でゲリラ豪雨が発生し、関越自動車道の鶴ヶ島インターから東松山インター間の上下線が、冠水のため通行止めになる事態が起きました。

 さらに、8月に入ってからも東北地方で大雨の特別警報が発表され、記録的な大雨となり、河川が氾濫した様子が報じられています。

 基本的に、目の前の道路が冠水していた場合には、その道を避けて通行することが望まれますが、場合によってはそのまま進行しなければならないことも考えられます。

 そうしたなかで、昨今流行りのSUVは最低地上高がセダンなどよりも高いことから多少の冠水路であれば有利ともいわれています。

  JAFでは、過去にSUV(日産「エクストレイル」)とセダン(トヨタ「マークII」)のどちらが冠水路の走破性に優れているのかの実証実験をおこないました。

 実験では、水深30cmと水深60cmのコースが用意され、10km/hと30km/hの速度で走行した場合を検証しています。

 結果は、走行速度にかかわらず水深30cmのコースは両車ともクリアしましたが、水深60cmのコースでは、SUVが10km/hの速度で走行したときのみクリアできた結果になりました。

 JAFでは「同じ水深でも、速度が高くなると巻き上げる水の量が多くなり、エンジンに水が入りやすくなる」と説明しており、最低地上高の高さに加え、走行速度も重要なポイントになっているようです。

 冠水路を走行する場合に注意が必要なのは、冠水路の走行時にマフラーからエンジン内部まで水が進入することによって、エンジンが始動できない状態になる「ウォーターハンマー現象」です。

 配線などの電気系統は、浸水によってショートする可能性があり、各パーツが稼働できない状態になることも考えられます。

 とある自動車販売店の担当者は、SUVで冠水路を走行することについて、以下のように話します。

「SUVだから冠水路に強いとは、必ずしもいい難いでしょう。

 セダンやクーペなどに比べたら有利な点はありますが、SUVにもいろいろなモデルがあります。

 SUVというジャンルで考えるのではなく、モデルそれぞれの特性を見ることが重要です。

 最低地上高や悪路走破性などは、モデルによって大きく異なるため、すべてのSUVが冠水路に強いとは一概にいえません」

※ ※ ※

 では、実際にモデル毎の最低地上高にはどのような違いがあるのでしょうか。

 例えば、トヨタ「プリウス」の最低地上高は130mmになり、そのほかのセダンもおおよそ近い数値となっています。

 一方でSUVの最低地上高にはばらつきがあり、コンパクトSUVとされるトヨタ「C-HR」(140mm-155mm)、ホンダ「ヴェゼル」(170mm-195mm)、日産「キックス」(170mm)。

 ミドルSUVではトヨタ「ハリアー」(190mm-195mm)、日産「エクストレイル」(185mm-200mm)、マツダ「CX-5」(210mm)。

 ラージSUVではトヨタ「ランドクルーザー」(225mm)、マツダ「CX-8」(200mm)と、ボディサイズに関わらず、差が生じていることがわかります。

 こうしたことから、“SUVが冠水路に強い”という認識ではなく、あくまでも“最低地上高が高いモデルが冠水路に有利”といった認識が正しいといえます。

こんな記事も読まれています

顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
乗りものニュース
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
くるまのニュース
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
レスポンス
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
日刊自動車新聞
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
motorsport.com 日本版
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
グーネット
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日刊自動車新聞
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
AUTOSPORT web
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
motorsport.com 日本版
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
レスポンス
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
くるくら
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
motorsport.com 日本版
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
乗りものニュース
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
くるまのニュース
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
バイクのニュース
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
レスポンス
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
AUTOSPORT web

みんなのコメント

33件
  • どうでもいいけどSUVなのにローダウンしてるヤツいるんだが?
  • ランクルやラングラーなど渡河性能がある車以外は危険。
    全てのSUVは万能ではないことを忘れてはならない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.5628.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.5628.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村