■「6ドアセダン」に乗れる? ハイヤー車両に選んだ理由は
京都府をはじめ近畿地方で輸入車ディーラーやハイヤー事業を展開しているマツシマホールディングスは、2023年4月14日から3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「AUTOMOBILE COUNCIL(オートモビルカウンシル) 2023」に初出展しました。
同社ブースでは「京都の街づくり」をテーマに、メルセデス・ベンツのヘリテージカーを7台展示しましたが、そのうちの1台に「6ドア」を持つセダンも展示されています。
【画像】「6ドアセダン」が衝撃すぎる! ド迫力の「ロングボディ」を画像で見る(24枚)
この6ドアセダンの正体は、1992年式メルセデス・ベンツ「ミディアムクラス 260Eロング(V124型)」。
ベースとなるミディアムクラス(W124型)は1984年に登場したミッドサイズセダンで、1997年の生産終了まで累計273万台以上が製造された、ネオクラシック・メルセデス・ベンツのアイコニック的モデルに位置します。
ボディタイプは4ドアセダン以外にも展開され、1985年登場の5ドアステーションワゴンを皮切りに2ドアクーペ、2ドアコンバーチブルも追加されました。
1989年にはボディサイドに「サッコパネル(サッコボード)」と呼ばれる保護用樹脂パネルが追加されるなどの改良が行われると同時に、ホイールベースを80cm延長して3列目シートと追加のドアを2枚設けたロングバージョンモデル「250Dロング」「260Eロング」が追加されました。
今回出展された260Eロングは、マツシマホールディングスのグループ会社であるマツシマモビリティサービスが所有する観光ハイヤー車両で、同社では5月からハイヤーとして利用客を乗せて運行する予定だと言います。
クラシックカーをハイヤーに使用するという試みは全国的にも珍しい取り組みだと言えますが、背景にはどういったことがあるのでしょうか。担当者は以下のように話します。
「京都でクルマに関する事業を70年ほど続けており、自動車文化を継承していきたいと考えています。近年海外流失しているクラシックカーを後世に残すべく、今年4月からクラシックカー事業を始めました。
しかし、実際に所有するには維持のハードルが高いことがあり、元々持っていたハイヤー事業部で運行できれば、京都という文化が息づく街で手軽にクラシックカーを乗ってもらえると考え、260Eをハイヤーとして運行することを決定しました」
様々なクラシックカーがある中でも、このV124型260Eロングをハイヤーに選択した理由はあるのでしょうか。
「より古いモデルも探しましたが、エアコンも付いていて普通のドライバーも運転できるということを考えると、クラシックでありながらも普段使いも可能なクルマは80年代から90年代のW124のようなネオクラシック世代に限られてきます。
また、マツシマが1990年台からメルセデス・ベンツの正規販売店契約を結んだこともあり、その時代のラインナップに合わせてみようという意味もあって、たまたま見つけることができたW124のロングバージョンに決定しました」(前出の担当者)
なお担当者は、来場者から260Eロングに対して様々な声が寄せられたと言います。
「ご覧になった方からは『見たことない!』とか『京都で乗りたい!』など、強い関心を持ってもらえており、クラシックカーがお好きな方からも『すごい綺麗』『W124は知ってるけどこれは知らなかった』など、たくさんの感想を頂いています」
この260Eロングは通常カタログモデルには存在しないと言われていますが、担当者によると当時の正規代理店がわずか10数台のみ輸入した希少な個体で、右ハンドル仕様です。
また、すでにハイヤー車両としての登録は済ませてあり、緑色の営業用ナンバープレートも取り付けられています。
前出の担当者は今回の展示にあたって開催のわずか2日前に登録が行われ、「4月14日の展示にはギリギリだった」と振り返ります。
※ ※ ※
なお、マツシマモビリティサービスでは4月14日から260Eロングの予約を開始し、すでにゴールデンウイーク開けまでは満車であると明かしています。
クラシックカーであるため、突発的な故障などで運行できない可能性もあるとし、今後についてはもう一台W124型ロングバージョンの増車を検討していると言います。
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みんなのコメント
元々も送迎用だったみたいですね。
これでお迎えに来てもらえたらテンション上がるかも 笑