現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > シャコアゲブームの流れで再燃! 自主規制で消えたアイテム「カンガルーバー」がいま盛り上がっていた

ここから本文です

シャコアゲブームの流れで再燃! 自主規制で消えたアイテム「カンガルーバー」がいま盛り上がっていた

掲載 26
シャコアゲブームの流れで再燃! 自主規制で消えたアイテム「カンガルーバー」がいま盛り上がっていた

カスタマイズの趣向が変化するなかカンガルーバーが復活

 近年のアウトドアブームを受けてクルマの趣味趣向も変化し、SUVやクロカン4WDなどの、オフロードイメージの強いジャンルが人気になっているのは読者のみなさんもご存じの通り。そんななか、無骨でカッコいい外装ドレスアップのパーツセレクトのひとつとして、クローズアップされているのがカンガルーバー(グリルバーやブルバーとも呼ばれる)だ。

懐かしの「カンガルーバー」はメチャ進化していた! 今、後付け「ガード系」アイテムのブームがキテる

 この金属(スチールやステンレス)を素材とした頑強なグリル&バンパーガードは、パイプや角形の無骨で頑強な構造でクルマのフェイスまわりを守るパーツだ。

野生動物との衝突による被害軽減が本来の目的

 カンガルーバーはその名の通り、もともとは大自然の中を走る4WD車が、走行中に野生生物(オーストラリアの場合ならカンガルーだが、日本では鹿との衝突が多発している)に出くわしてヒットした際、クルマの損傷、さらには乗員の被害を最小限に抑えることを役目としていた。

 これはオーストラリアの4WDシーンではたびたび見られた実用的なカスタム手法で、日本で’80~’90年代に大人気となったヨンクブームでは、多くのユーザーが取り入れたオージー(オーストラリアを意味する)スタイルのひとつの典型でもあった。それだけに当時のカンガルーバーは質実剛健でかなり頑丈な作り、重量も重いヘビーデューティ指向のパーツだった。

クロカンヨンクブームのなかドレスアップパーツとして大ヒット

 しかし日本に上陸してきたカンガルーバーは少し用途が異なっていた。もちろん日本で野生動物に衝突する事故はゼロではなく、万一のために装着していたユーザーもいたが、多くの場合がドレスアップアイテムとして利用されていた。なかでも着目されたのが「ランプステー」としての機能だった。

 当時は空前のRVブームのなか、ヘッドライトのほかに補助灯として大きなフォグランプを取り付けるカスタムが人気で、そのランプハウスを固定するためにグリルバーがこぞって取り付けられていた。メーカー純正でグリルバー形状のランプステーを装備するモデルもあり、4WD車ではかなり一般的な装備でオールドファンには懐かしいはず。

 実際に筆者も当時の愛車であるジムニー(JA71型)にグリルバーを取り付けて、IPFのフォグランプを取り付けるという、当時としては大定番のドレスアップを施して全国各地の林道を旅していたことも記憶に新しい。また、さらにヘビーな林道走行や雪中行軍を楽しむユーザーのなかにはウインチを装備するクルマも多く、その場合にもウインチベッドを備えたグリルバーを装備する、かなり本格的なオフ仕様も多く見られた。

クルマや人との衝突で危険性が問われ自主規制の流れに

 そしてヨンクブームの終焉がやって来て間もなくすると、クルマに対する安全意識が急速に高まっていく。そんななかでカンガルーバーなどのグリルバーが「危ない」とやり玉に挙げられるようになる。理由は万が一、歩行者にぶつかった際に人に大きなダメージを与えてしまうことが懸念されたからだ。そのため歩行者保護の観点からカンガルーバーを取り付けるのをためらう風潮が出てきたのだった。製造メーカーも積極的にカンガルーバーを展開しなくなったのもそのためと言える。

 さらに、ブーム後の4WD車はヘビーなクロカン仕様の方向性から、より都会的なSUV指向のクルマへと変貌したのも一因となり、近年では一部のマニア以外では取り付ける例が見られなくなっていた。

金属製のほか樹脂製も登場、シャコアゲ人気のなか再ブレイク

 そんななか近年のアウトドアブーム&SUV人気で自然の中にクルマで分け入るというニーズが再燃している。そのため、よりヘビーな仕様のカスタマイズを求めるユーザーが増えてきたのがカンガルーバー復権の要因となっている。

 クルマへの安全意識(歩行者への衝突時など)が強くなったことから自主規制した歴史はあるものの、グリルガードなどは国内の制度では指定部品にあたるため、保安基準に適合していれば取り付けても車検は問題なくパスできる(リベットや溶接で取り付けた場合は除く)。つまりドレスアップ的な要素として楽しむ分には問題はないとも言える。

 また、最近ではスチールやステンレスなどの素材からABS樹脂などに変わり、より安全でありながらも補助ランプのステーとして、またはドレスアップパーツとして安全性も担保したアイテムが多くリリースされている。

 自分だけの愛車を作るのに無骨でワイルドなデザインを持つカンガルーバーを用いるのは効果的であることは間違いなく、クロカンヨンクや流行りのSUVにルーフトップテントやキャンプ道具を載せた、いま人気のオーバーランドスタイルにも欠かせないアイテムでもある。ぜひ、愛車のカスタムに検討してみてはいかがだろうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
motorsport.com 日本版
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
モーサイ
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
カー・アンド・ドライバー
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
くるまのニュース
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
くるまのニュース
態度を改めないと「免許返納です」傍若無人な“若者運転”が危険すぎる「5つの理由」って!? 事故を起こすのも当然! 未成熟な「ヤバすぎる運転」とは
態度を改めないと「免許返納です」傍若無人な“若者運転”が危険すぎる「5つの理由」って!? 事故を起こすのも当然! 未成熟な「ヤバすぎる運転」とは
くるまのニュース
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
ベストカーWeb
BMW「S 1000 XR」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
BMW「S 1000 XR」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
ベストカーWeb
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb

みんなのコメント

26件
  • 人をはねた場合の死亡率爆上げになるパーツです。
  • 私の友人の息子、小学2年生の時、交通事故で亡くなった。
    もろ、頭の高さに有ったからである。
    デザインだけで着ける事には、かなり抵抗が有る。
    記事を見た瞬間。親御さんたちの顔思い出した。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索
ジムニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村