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長年日本のバカ売れジャンルなのにナゼ? 国産ミニバンを海外販売しない理由

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長年日本のバカ売れジャンルなのにナゼ? 国産ミニバンを海外販売しない理由

 この記事をまとめると

■いま日本の自動車市場ではミニバンが人気を集めている

バカ売れジャンルでも隣近所とカブる心配のない輸入ミニバン3選

■しかし海外では積極的に販売されていない

■その理由には各国の自動車の用途の違いなどが挙げられる

 ミニバンは日本の道路環境やカーライフに適している

 Lサイズミニバンのアルファードやオデッセイは、中国など海外の一部地域で販売されているが、ミドルサイズのノア&ヴォクシーやセレナは、基本的に国内向けの商品だ。まれにステップワゴンなどが海外で売られることもあるが、右ハンドルの国や地域が扱うから、海外の販売台数は多くない。

 ミドルサイズミニバンが国内向けに開発される一番大きな理由は、海外の需要が低いからだ。とくに最近はSUVの車種数が増えた。空間効率はミニバンほど高くないが、LサイズSUVであれば、3列のシートを装着して多人数の乗車も可能だ。

 また日本の道路環境では、駐車場を含めて、ボディの大きなクルマは使いにくい。限られたボディサイズで広い室内を得る必要があり、天井の高いミドルサイズミニバンが普及した。

 2世帯で出かける機会が多いことも挙げられる。ミニバンの開発者は次のように述べた。「日本の企業では、男性は国内の転勤が多い。転勤先で地元の女性と結婚する。そうすると自宅の近所に、妻の両親が住んでいる。そこで2世帯、つまり3世代が一緒に乗車できるミニバンが求められる。妻の両親が、3世代で外出するために、娘夫婦にミニバンを買い与えることも多い」。

 このような日本の事情に基づき、ミニバンの販売は好調だ。業務提携を結ぶ海外メーカーのスタッフが来日すると「なぜ日本にはこんなにミニバンが多く走っているのか?」と質問されるという。

 海外を視野に入れないことで国内での人気がさらに高まる

 日本でミニバンが普及を開始したのは、ステップワゴンなどの初代モデルが発売された1990年代の中盤だ。今では30年近くが経過するから、ミニバンも国内市場に定着した。ミニバンに親しんだ子供が成長して子育てをする世代になり、自分の親と同じように、ミニバンを購入するケースも増えている。

 ミドルサイズミニバンが海外で売られない理由として、狭い全幅と高い全高による走行安定性の不安も挙げられる。新型のノア&ヴォクシーやステップワゴンは3ナンバー専用車になったが、従来型やセレナは、標準ボディが5ナンバーサイズに収まった。

 その一方で全高は1800mmを超えるから、全幅の数値を上まわる。欧州のように日常的に高速走行の機会が多い地域では、高重心のボディは走行安定性を確保するのが難しいと判断され、ミドルサイズミニバンのようなクルマは敬遠される。

 このほか先に触れたハンドルの位置関係も挙げられる。日本では車両が左側を通行するから、右ハンドルになる。海外には右側通行の地域が多いから、本格的に販売するには、左ハンドル仕様を用意せねばならない。この開発/製造コストが高まることも、ミドルサイズミニバンの海外進出を難しくしている理由だ。

 そうなるとミニバンは海外市場を考慮しないから、軽自動車と同じく100%国内向けに開発される。海外市場を横目で見ながら開発されたクルマとは、日本のユーザーに向けた心意気が違うため、ミニバンはますます人気を高めるわけだ。

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みんなのコメント

109件
  • アメリカでバカ売れのピックアップトラックはなぜ日本でほとんど売ってないのか?
    理由は記事と同じ風土の違い。
    メーカーもそれを解ってるから売らないだけ。


  • 海外では売れないんだもん、出す必要性がないだけ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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