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なぜスバルが“渋谷”で「アイサイト」を開発? スバルが描く「AI×自動運転」の未来像とは

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なぜスバルが“渋谷”で「アイサイト」を開発? スバルが描く「AI×自動運転」の未来像とは

■本社は恵比寿のスバル、お隣「渋谷」に開発拠点を新設!?

AI(人工知能)など先進的な研究をおこなうスバルの新しい拠点「スバルラボ」が、日本のIT産業のメッカである東京・渋谷に出現しました。

【画像】これがスバル新型「BRZ」の内外装のデザインだ!(40枚)

スバルラボが開設されるのは、JR渋谷駅西口に隣接する渋谷スクランブルスクエアから六本木通りを徒歩6分ほど登ったところで、目の前には首都高三号線が走っています。

ビルの名称は、「PMO渋谷II」。最近、都心に続々と建設されている、野村不動産が展開するPMO(プレミアム・ミッドサイズ・オフィス)です。

そのなかにある「H1O(エイチワンオー)」は、野村不動産が1部屋あたり従業員10人未満の小規模オフィス市場向けに展開する新ビジネス。2019年12月に日本橋室町が誕生し、今回の「H1O渋谷三丁目」は第5号物件となります。

その3階スペースを、スバルが丸ごと借りて「スバルラボ」としました。大小6つの部屋と、ドリンクコーナー付きのゆったりとした専用ラウンジ付きです。

スバルの開発拠点は現在、群馬製作所(群馬県太田市)、本社(東京都渋谷区恵比寿)、そしてSTI(スバルテクニカインターナショナル)を含めた東京事業所(東京都三鷹市)の3か所があります。

すでに複数の開発拠点があるにも関わらず、なぜスバルは渋谷に新たな拠点を設けるのでしょうか。

スバルラボでは主に、本社と三鷹で就業している「アイサイト」開発などをおこなう第一技術本部・先進安全設計部から、20数名の精鋭が投入されるといいます。

さらに、それとほぼ同数の人員を、新たにIT産業など外部からリクルートします。

そうした人員を確保するため、また現在のスバル社員の就業意識を大きく変えるため、スバルとしては未開の地である渋谷を選んだのだというのです。

スバルおよび野村不動産関係者は、「渋谷と恵比寿はJR山手線でたったひと駅の距離ですが、社会環境が大きく違う」と、渋谷の優位性を強調しました。

では、スバルラボでは具体的にどのような研究開発がおこなわれるのでしょうか。

スバルラボの副所長で、2020年12月1日に新たに設置される予定の先進安全設計部 AI R&D課・課長の齋藤徹氏は、「安全性を突き詰めていくうえで、アイサイト×AIの開発を加速させます。そのために、スバルラボを開設するのです」と、アイサイトのさらなる進化を目指す姿勢を示しました。

■次期アイサイトは2020年代後半登場か? AI技術をどう活用?

齋藤氏は、「スバルラボ発のアルゴリズムが世界の常識を変える」と言い切ります。このアルゴリズムとは、一体何なのでしょうか。

IT業界ではよく出てくる用語で、また最近は自動車業界では自動運転分野で耳にする機会が増えました。

アルゴリズムは、広い意味では技術的な法則であり、狭い意味ではソフトウエアプログラムという解釈だと思います。

それをアイサイトに当てはめて、動画を使ったプレゼンテーションでは「これまでのアイサイト」と「これからのアイサイト」を比較してみせました。

ちなみに、「これまでのアイサイト」とは、スバルが次世代アイサイト(及びアイサイトX)と呼ぶ第四世代アイサイトのことで、2020年10月に発表された新型「レヴォーグ」に搭載されたものも含まれます。

「これまでのアイサイト」では、人間の目の原理を応用して、ふたつのカメラ(ステレオカメラ)によって、クルマ前方の視界を三次元として認識しています。

ただし、たとえば雪道や轍(わだち)など、障害物ではありませんが、人はそれらの走行状態を予測して、避けたり、またはそのまま通過したりと、自身の経験に基づいて判断をします。

「これまでのアイサイト」は、視界のなかの位置関係に対する精度は高いのですが、理解力・解析力・判断力という分野は未開拓の状況です。

この領域について、「これからのアイサイト」では機械学習などAI(人工知能)の技術を活用するのです。

齋藤氏は「クルマや人、白線だけではく、あらゆる障害物、走行領域、路面標示なども検出し、クルマの走行経路なども推測することで、あらゆる危険に対応するのが“これからのアイサイト”」だと説明します。

では、「これからのアイサイト」を搭載したクルマは、いつ登場するのでしょうか。

今回スバルが提示した資料のなかでは、「2020年代後半 ステレオカメラの認識能力+AI判断能力」という表記がありました。

また、スバルは会社全体として「2030年 死亡交通事故ゼロへ」という大きな目標を掲げており、アイサイトの高度化だけではなく、事故発生時の先進事故自動通報、さらに衝突安全に対する継続的な強化を進めるとしています。

そのうえで、スバルラボ所長、先進安全設計担当部長、そして自動運転PGM(プロジェクト・ゼネラル・マネージャー)である“ミスターアイサイト”こと柴田英司氏は、次にように話しました。

「(これからのアイサイトについて)2020年代後半までの商品開発ロードマップはまだ具体的には描けていません。2030年死亡事故ゼロはどういう定義なのか、そうした詳細を話す時期を決めていきたいと思います」

※ ※ ※

スバルが1989年にステレオカメラの開発をスタートから、今年(2020年)で31年目。また、アイサイトの前身である、ADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)量産化からは21年目となります。

スバルの「これからのアイサイト」研究開発が、渋谷発でいま始まります。

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