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三菱エクリプス・クロス公道試乗 レジャーに適正か CVT中心に評価

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三菱エクリプス・クロス公道試乗 レジャーに適正か CVT中心に評価

もくじ

どんなクルマ?
ー プロトタイプ→雪道→製品版

三菱エクリプス・クロス プロトタイプに国内試乗 走りや居住性を検証

どんな感じ?
ー エンジンとミッション 統合制御の賜
ー エコモードのほうが力感に勝っている
ー ボディの動き 背の高さ感じさせず

「買い」か?
ー 「信頼に足る」クルマ エンジンの展開に期待

スペック
ー 三菱エクリプス・クロスのスペック

どんなクルマ?

プロトタイプ→雪道→製品版

クローズドのショートコースでの「お味見」(「三菱エクリプス・クロス プロトタイプに国内試乗 走りや居住性を検証」)、雪と戯れた北海道(「三菱エクリプス・クロス S-AWCに注目 雪上でASCオン/オフ 違いは? 画像162枚」)と続き、エクリプスクロスの試乗リポートもこれで3回目となった。初見のような好奇心の刺激はなくなったものの、公道で試してこその実力だ。やはり、期待に胸は膨らむというもの。

これまでのリポートで述べたとおり、同車は伸長著しいコンパクトSUV市場をターゲットに開発されたモデルであり、同市場の売れセンとなるスペシャリティ志向のキャラ設定やデザインを特徴とする。

ただし、SUVをモチーフとするのではなく、SUVの本質であるアウトドアを軸脚にしたレジャー向けの実用性や走りにもこだわっている。流行に乗せたというより、パジェロブームでクロカン車に市民権を与え、市場を引っ張ってきたミツビシらしい新趣向のコンパクトSUVである。

スペシャリティ売りのモデルにしては後方も含めて車体周辺視界は良好。乗降もさして苦にならない。車体寸法からして街乗りでの使いやすさはSUVでトップクラス。

問題はレジャー用途への走りの適性。要は高速道路や山岳路での安心感や快適性であり、そこが今回の試乗の最も重要なチェックポイントになる。

どんな感じ?

エンジンとミッション 統合制御の賜

パワートレインはポート噴射と直噴を併用する1.5ℓのダウンサイジングターボとCVTの組み合わせ。最大トルクは24.5kg-mに達し、発生回転数は2000~3500rpm。CVTの変速レンジは2000rpm固定で計算すると約16~110km/hとなる。

興味深いのはマニュアル変速時のギア比がスペックに記載されていること。スポーティなキャラのCVT車なら手動ステップ変速機能を備えるのは一般的だが、ステップ比に大きな変化はないにしても各速ギア比は厳密に制御されないのが大半である。

ところがエクリプスクロスは1速が2.631、8速が0.404と各速とも小数点以下3桁まで表記している。ちなみに2000rpm巡航速は1速が共通だが、8速の設定は設計値よりちょっと低めの102km/hである。

ノーマルモード選択時の変速は8速ATとして振る舞う。緩加速ではロックアップクラッチを解除するような回転上昇、さらに踏み込めば1段分ダウンシフト、巡航からの急加速では2段分ダウンシフトするという具合である。これがCVTか? と疑ってしまうほどだ。

エコモードを選択するとダウンシフトを控え、一般的な運転パターンでの中高速走行では2000rpm以下で収めてしまう。ならば、いきなりCVT感覚に塗れるかと言えば、そうでもないのだ。

ステップ変速的であり、回転と速度の変化も比較的一致している。ただし、巡航ギア比に比べると加速時の回転上昇は大きめに感じられたので、車速線が線形になるような緩やかな変速制御を行っていると思われる。

CVTっぽくなくてもCVTだからこその変速制御であり、エンジンとミッションの統合制御の賜である。

エコモードのほうが力感に勝っている

また、エコモードのほうが力感に勝っていたのも興味深い点である。低回転域常用に加えて浅い踏み込みでの立ち上げトルクが大きく、グイッと踏み出すような加速を示す。高速巡航では1クラス以上上のトルク感である。

マニュアル変速では設定ギア比のままに変速するが、モード対比では力感が最も薄い。全開付近まで均等割でトルクが増減するような特性で、巡航ギアでの加速はかなり深い踏み込みを必要とする。つまり、加速ではダウンシフトを併用しなければならない。

言い方を換えるなら、クラッチ操作不要以外はMT車のと同じようにギアセレクトを行う必要があり、アクセル開度とギア選択を相関させた的確なシフトマネージメントを楽しめる。

事前試乗で得た印象から実践の場でも期待の高かったフットワークも満足できる出来であった。

ボディの動き 背の高さ感じさせず

レジャー用途で気になる高速走行だが、車線維持支援が逸脱警報に限定されるのが物足りないものの、直進安定は神経質な挙動がなく、操舵の据わりも含めて良好。なお、高速長距離の頼もしい味方となるACCは追従停車までサポートする全車速型を採用している。

コーナリングは穏やかなロール感と粘り、確かな方向性の維持により高い全高を感じさせない。ロールの入り等の動き出しはしなやかだが、負荷が大きくなるほど踏ん張るタイプ。柔から硬への移行が巧みだ。

このサスチューンは乗り心地では路面の細かな凹凸による振動を抑えながら安定感を生み出していた。段付き舗装では相応の硬さも意識するが、すっきりとした乗り心地は同乗者にも好まれるだろう。

「買い」か?

「信頼に足る」クルマ エンジンの展開に期待

高速と山岳路を中心に試乗したが、スポーツ&スペシャリティをこれ見よがしに主張していないのが好印象。乗りこなす楽しみが薄いとも言えるのだが、街中も高速も山岳路も、雪路も臆することなく自然体で運転できる、あるいは同乗者に信頼される走りとはそういうもの。

この走りは悪路踏破性と相まってエクリプスクロスのレジャー用途適性を大きく向上させる特徴である。

悪路走行後の乗降で裾を汚さないように配慮されたドア設計や限られたキャビンスペースを多様に使うために後席に採用されたスライド&リクライニング機構等々。コンパクトな車体サイズにSUVらしいレジャー用途向けのユーティリティも備わっている。

ハイブリッドやディーゼルをラインナップする同価格帯のコンペティターと比較すると燃費で分が悪いが、SUVをSUVらしく楽しむユーザーにとって総合力で最も魅力的な1車なのは間違いない。

「何かを始めたくなる」そんな好奇心を刺激してくれるクルマである。

三菱エクリプス・クロスのスペック

■価格 –
■全長×全幅×全高 4405×1805×1685mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費 15.0km/ℓ
■CO2排出量 155g/km
■乾燥重量 1480kg
■パワートレイン 直列4気筒1.5ℓターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 150ps/5500rpm
■最大トルク 24.5kg-m/2000-3500rpm
■ギアボックス CVT

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