和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助氏が2018年、2018年5月に自室寝室で死亡した(享年77歳)。自殺とするには不自然な状況ということもあり、解剖が行われた結果、急性覚せい剤中毒と判明。これを受けて捜査を進めていた和歌山県警は、野崎氏の元妻である須藤早貴(25歳)を逮捕・起訴した(2021年5月19日)。
亡くなった野崎氏は艶福家で、「紀州のドンファン」との異名を持つ。野崎氏は講談社から3冊の本を刊行した。本稿はその本の関係者からのレポートである。
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文・写真/吉田隆
■「知りすぎた男」が書くドン・ファンの愛車遍歴
紀州のドン・ファンの怪死事件は、いまでも謎のベールに包まれている部分が多い。
2018年の5月24日に和歌山県田辺市の自宅寝室で死亡しているのが発見された「紀州のドン・ファン」こと資産家の野崎幸助氏(享年77)。この事件の容疑者は、すでに逮捕、起訴されている。警察と検察が犯人と目しているのは、ご存知のとおり、野崎氏の55歳年下の元妻、須藤早貴被告(25歳)である。
ふたりは2018年2月8日に電撃入籍して4月から田辺市で暮らしていたが、新婚生活は正味2か月もない。ドン・ファンが死んだ後、昨年裁判所に対して旧姓へ戻ることを申告したために、早貴被告の逮捕時は「須藤」姓となっている。
私はベストセラーになった本「紀州ドン・ファン」シリーズ(講談社+α文庫)のゴーストライターだった。その関係で結婚する前にはドン・ファン宅に寝泊まりしていたこともあったし、ドン・ファンと早貴被告の出会いから知っているいわば「知りすぎた男」である。
車のニュースに特化した「ベストカーWeb」なので、これまで語られることのなかった「ドン・ファンと美女とクルマ」に関して今回寄稿する。3回短期集中連載だが、1回目は「ドン・ファンとクルマの出会い」である。
生前の野崎幸助氏と元妻・須藤早貴被告のツーショット写真。背後に写るクルマは現行(5代目)ベンツEクラスアヴァンギャルドか
■二輪のカブに乗ってコンドーム販売
ドン・ファンが財を成した最初の成功のきっかけは、昭和30年代に農家を廻って、コンドーム、つまり避妊具販売をしたことである。
当時コンドームは薬屋の奥に置いてあり、「コンドームをください」とは気軽に言えない雰囲気があった。年配者なら「うんうん」と頷いてくれるだろうが、現代の若者には理解できないかもしれない。その後、薬屋の店頭にコンドーム自販機が置かれるようになったが、そのぐらい一般人には後ろめたいことであり、特に奥さんたちはなかなか薬屋に入ることもできず、当然手に入れることも難しかった。
そこに目を付けたドン・ファンは、大阪のクスリ問屋からコンドームを仕入れて、倍以上の値段にして戸別販売を始めたのである。
最初は近くの集落を自転車で回っていたが、そのうちに原付のカブで遠くまで行っていた。地元・和歌山から奈良県や三重県までもカブで行っていたと、生前の彼は懐かしそうに語っていた。そして農家の奥さん相手に実演販売もした、というから笑ったものだ。身長160センチと小柄であったが、当時は2枚目でモテたらしい(本人談なので割り引く必要があるだろうが)。
「社長、役得じゃないですか」
私はドン・ファンのことを社長と呼んでいた。
「いやいや、色白のべっぴんさんならそりゃあいいけどなぁ~。現実にはそんなのはいないから。日に焼けた農家のおばちゃんに無理やり押し倒されて大変だったけれど、売り上げが上がるならと耐えていたんだ」
そのあたりのことは「紀州のドン・ファン」シリーズのパート1の本『美女4000人に30億円を貢いだ男』(講談社+α文庫)に詳しく書いてあるから手に取っていただければ幸いである。
かつて紀南は道路事情が悪かったそうで、紀伊半島をぐるりと回っている国道42号線が舗装されたのは昭和40年代の初めのことだったという。車よりカブのほうが動きやすかったので、ドン・ファンは「車を使っていない」と言っていた。
コンドームの訪問販売で小銭を溜めた野崎氏は、それを基に、金貸しの金主(きんす)となって細々と金を廻すことを覚えた。そして自ら許可を取って貸金業を生業(なりわい)にしたのだ。
『美女4000人に30億円を貢いだ男』(講談社+α文庫)
■職場に電話すれば、絶対に返してくる
貸した先は和歌山や近くの大阪ではない。
「借りたもん勝ちの関西はアカン」
こう野崎氏は語っていたが、借り逃げの多い関西でドン・ファンは何度も痛い目にあっている。そこで目を付けたのが都内の丸の内仲通りであった。一流企業のサラリーマンやOLを顧客とした。そして、さらには霞が関の公務員相手に貸し付けを始めたのである。
職場が職場で、職場そのものが担保であるから担保は取らないで公正証書を作成しただけで貸し付けた。返さない者の職場に電話すれば、絶対に返してくる。職場に知られたら昇進できなくなるのは間違いないから、借りた者がドボンすることはまずなかった。「審査が甘いこと」が評判を呼んで、次から次へと客がやってきた。宮内庁の職員もいたし、某地裁の裁判長もいた。会社の貸付リストを見て、私も驚いたものだ。
この頃、東京で仕事に使っていたのがトヨタのアリオンであり、これは今も田辺市内のドン・ファン宅に置いてあるし、私も田辺市に行くたびに借りていた。そのナビには、当時日本最高のホテルと評された、銀座にあった「ホテル西洋」の場所が今でも残っている。ホテル西洋は閉鎖されてしまったが、ドン・ファンは一泊7万円以上もする部屋に泊まってこのホテルの喫茶店を仕事場として利用していた。
いまも田辺市内に置いてあるという、初代アリオン(後期型)。車内にはステアリングを握る早貴被告の姿が。助手席に座っているのは和歌山県警の女性捜査員(2018年6月に撮影)
「貸金会社の敷居は一般人には高いでしょ。だけど高級ホテルの喫茶店ならお金を借りていることも気づかれないから安心するんです」
ドン・ファン流の作戦だったのである。ティッシュ配りなどをする従業員も田辺市から飛行機で呼んで、ホテル西洋に泊めていたほど金回りが良かった。
■自慢のベンツのエンブレム
トヨタのアリオンは、都内や近郊で返済が遅れている客のところに従業員を行かせるためだった。もちろんドン・ファンが運転することもあったが、彼は長年ベンツに乗っており、リビングにはベンツのエンブレムが飾ってあった。勲章を入れるような2つ折りのケースを開けると、青いベンツマークのエンブレムが収まっていた。
「それは、長年ベンツを利用している特別な客に販売会社が贈ったものなんですよ」
野崎氏が、自慢げに説明したときの顔が浮かぶ。彼の年代で外車といえばベンツが筆頭であるのは事実であるが、ドン・ファンが何台のベンツを乗り換えたのかは分かっていない。
第2部は、美女とクルマのスクープ秘話である。
(第2部に続く)
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