現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > フィアット「X1/9」は4気筒でも立派なスーパーカー!? ウェッジシェイプのミッドシップ車に少年たちは熱狂しました【スーパーカー列伝21】

ここから本文です

フィアット「X1/9」は4気筒でも立派なスーパーカー!? ウェッジシェイプのミッドシップ車に少年たちは熱狂しました【スーパーカー列伝21】

掲載 33
フィアット「X1/9」は4気筒でも立派なスーパーカー!? ウェッジシェイプのミッドシップ車に少年たちは熱狂しました【スーパーカー列伝21】

ミッドシップスポーツカーを身近な存在にしてくれたX1/9

1970年代中ごろ、子どもたちの周りにあるさまざまなモノがクルマ関連グッズと化した空前絶後の「スーパーカーブーム」。当時の子どもたちを熱狂させた名車の数々を回顧するとともに、今もし買うならいくらなのか? 最近のオークション相場をチェック。今回は4気筒エンジンのコンパクトなスポーツカーながらも、あまりにカッコいいスタイルでスーパーカー少年たちに愛されたフィアット「X1/9」です。

「フェラーリ」じゃない「ディーノ」、しかも「308」じゃない「208」に価値はあるのか? イタリア専売モデルに試乗【旧車ソムリエ】

気筒の数は関係なく、カッコよければスーパーカーだった

スーパーカーブーム全盛時に筆者は小学校1年生だったが、子どもながらに「スーパーカーのお約束といえばリトラクタブルヘッドライト、ウェッジシェイプ、ミッドシップレイアウトだよね」と考えていた。

この3つの要素が揃っていればエンジンの気筒数はそれほど関係なく、4気筒や6気筒でもいいじゃん、と思っていた。もちろん、12気筒エンジンを搭載しているランボルギーニ「カウンタック」やフェラーリ「BB」シリーズは神のような存在で、8気筒勢もカッコいいよね、と実車や写真を見るたびに感動していたが、6気筒エンジンのランチア「ストラトス」も筆者の中におけるアイドルだった。

4気筒エンジンであってもリトラクタブルヘッドライト+ウェッジシェイプ+ミッドシップであれば立派なスーパーカーだぜ! と思っていたので、ロータス「エスプリ」にも羨望の眼差しを送っていた。そして、もう1台、忘れてはならない4気筒スーパーカーがあった。そのクルマとはフィアット「X1/9」だ。

FF案とFR案を求められたベルトーネが示した第3の道

フィアット「850スパイダー」の後継モデルとして1972年にデビューしたX1/9は、FF量産車であるフィアット「128」の横置きエンジンおよびFWDの駆動系をそのままリアセクションに移設するという手法で造られていた。フィアットがベルトーネに対して128のパワートレインを用いたFFスポーツカーとFRスポーツカーの2案を出すように依頼したが、ベルトーネが第3案としてフィアットに提案したのがミッドシップスポーツカーだったのだ。

1969年に発表されたベルトーネ作のショーモデルであるアウトビアンキ「ラナバウト バルケッタ」がオリジンだったが、スーパーカーブーム全盛時に発行された書物では子どもたちにそのような誕生の経緯や、当時フィアットが進めていたX1計画の9番目の開発モデルであったことからX1/9という車名になったというエピソードなどが伝えられることはなく、「ウェッジシェイプボディのデザインを担当したのはベルトーネ」ぐらいのことしか記されていなかった。でも、往時の熱狂の中ではそれで十分だったのだ。

勘が鋭い、もしくは情報通の少年は、リトラクタブルヘッドライトと着脱式ルーフを備えているウェッジシェイプボディのデザインを手がけたのがベルトーネ在籍時代のマルチェロ・ガンディーニだったことに気づいていたのかもしれないが、大多数の子どもたちは知らなかったはずだ。親に頼んでX1/9のトミカを買ってもらった筆者もガンディーニの作品とは思わなかったので、少年時代にそのことを知っていたら、大人になってから実車のオーナーになっていたのかもしれない。

今なら手の届きやすい相場、これから再注目される可能性は大

同じ4気筒勢のロータス「ヨーロッパ」やBMW「2002ターボ」よりもスーパーカーとして認識しやすい存在だったX1/9は今でも人気がある。やや旧聞に属する話となるが、2020年10月にアメリカでRMサザビーズが開催した「THE ELKHART COLLECTION」オークションでは、1981年式フィアットX1/9が1万6800ドル(当時レートで邦貨換算約250万円)で落札されている。高年式の北米仕様とはいえ、グッドコンディションの個体でこの価格帯なら一般の趣味人でも手を出しやすい領域だ。

「プアマンズ フェラーリ」などと揶揄された時代もあったが、X1/9ほどベルトーネが理想としたスタイルを濃密かつ気軽に感じられるクルマは少ないので、これから再注目される可能性が高いといえるだろう。

こんな記事も読まれています

抜群の収納力とマルチなフラットスペースが便利! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
抜群の収納力とマルチなフラットスペースが便利! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
やっぱり[羽根つき]がスバルらしいぜ!! [WRX S4]に復活した[リアウイング]は実は3代続けての流用だったの!?
やっぱり[羽根つき]がスバルらしいぜ!! [WRX S4]に復活した[リアウイング]は実は3代続けての流用だったの!?
ベストカーWeb
広い! 便利! しかも雰囲気抜群! 天井まで木材が貼られたトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
広い! 便利! しかも雰囲気抜群! 天井まで木材が貼られたトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
信号待ちでふと気づいた! なんでクルマのフロントガラスには黒い点々が付いてるん?
信号待ちでふと気づいた! なんでクルマのフロントガラスには黒い点々が付いてるん?
ベストカーWeb
たしか最後のマークIIの兄弟よね? 不思議顔のヴェロッサって中途半端じゃない??
たしか最後のマークIIの兄弟よね? 不思議顔のヴェロッサって中途半端じゃない??
ベストカーWeb
GTWCアジア:ANR with VSRがジャパンカップ開幕戦のSUGOにスポット参戦へ
GTWCアジア:ANR with VSRがジャパンカップ開幕戦のSUGOにスポット参戦へ
AUTOSPORT web
ええ、カワイイのにターボだけ!? アルトCってただのミラジーノ対抗じゃない感がスゴい!!!!!!!
ええ、カワイイのにターボだけ!? アルトCってただのミラジーノ対抗じゃない感がスゴい!!!!!!!
ベストカーWeb
「ジャパンモビリティショー2024」開催決定 新しい事業つくるビジネスイベントに
「ジャパンモビリティショー2024」開催決定 新しい事業つくるビジネスイベントに
グーネット
アウディ A4/A5シリーズに“傑作”うたう2つの特別仕様車 インテリアの質感アップ
アウディ A4/A5シリーズに“傑作”うたう2つの特別仕様車 インテリアの質感アップ
グーネット
SUBARUサンバーを快走仕様!「誰もやらないスピーカー修復」2
SUBARUサンバーを快走仕様!「誰もやらないスピーカー修復」2
グーネット
小さいことに価値があるGLAのベストバイがコレ!【メルセデス・ベンツ GLA】
小さいことに価値があるGLAのベストバイがコレ!【メルセデス・ベンツ GLA】
グーネット
昭和世代じゃなきゃ理解不可能!? マツダがこだわる[ロータリーエンジン]って何がそんなにスゴい?
昭和世代じゃなきゃ理解不可能!? マツダがこだわる[ロータリーエンジン]って何がそんなにスゴい?
ベストカーWeb
新型[コスモスポーツ]復活!! 特許庁に出願されたから市販化秒読み!? しかもリトラクタブルも続行
新型[コスモスポーツ]復活!! 特許庁に出願されたから市販化秒読み!? しかもリトラクタブルも続行
ベストカーWeb
彼女のマツダ「RX-7」は175台限定の「タイプRZ」でした! ドレスデザイナーがFD3Sを選んだ理由と愛車に巡り合ったストーリーとは
彼女のマツダ「RX-7」は175台限定の「タイプRZ」でした! ドレスデザイナーがFD3Sを選んだ理由と愛車に巡り合ったストーリーとは
Auto Messe Web
鉄人リードのル・マン連続出場途切れる。ドライバー変更のプロトン、マスタング3台目のカラーリングを公開
鉄人リードのル・マン連続出場途切れる。ドライバー変更のプロトン、マスタング3台目のカラーリングを公開
AUTOSPORT web
中国GP以降伸び悩むセルジオ・ペレス。契約更新の保留が大きなプレッシャーに
中国GP以降伸び悩むセルジオ・ペレス。契約更新の保留が大きなプレッシャーに
AUTOSPORT web
ハイブリッドでクラシックな「アメリカン」 ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 悪路性能は圧巻
ハイブリッドでクラシックな「アメリカン」 ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 悪路性能は圧巻
AUTOCAR JAPAN
人はなぜ「◯◯界のロールス・ロイス」を目指すのか? 最高であり文化の香り漂うのは「ベル・エポック」という豊かな時代に誕生したから!?
人はなぜ「◯◯界のロールス・ロイス」を目指すのか? 最高であり文化の香り漂うのは「ベル・エポック」という豊かな時代に誕生したから!?
Auto Messe Web

みんなのコメント

33件
  • 職場の近くで、このクルマをおそらく通勤カーとして使ってる方がいる。ちょっともったいないというか羨ましいというか。今見ると信じられないくらいのコンパクトさ。実に刺さるクルマだ。
  • この車が有ったから、トヨタのMR2が生まれたと言っても過言ではない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

586.0786.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

7.9798.0万円

中古車を検索
X1の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

586.0786.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

7.9798.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村